5月12日東大の本郷で、東大ーIBMdayのシンポジュウムがあり、IBMのCEOのパルミサーノさんの講演があり、参加した。実は彼が90年代前半帝王教育の一環として日本IBMの専務の時、小職の上司のような関係で旧知の仲である。
講演、質疑では終始前向きで、明るく話し、質問に「なぜそんなに楽観的か?」も出た。厳しい経営居境の中で、IBMの大変革を成し遂げ、史上最高益を出している自信があるが、「変革すれば未来は開ける!」というのがメッセージだ。リーダーシップについても、長期ビジョンが必要だということ、反対意見に丁寧に、謙虚に耳を傾ける、というコメントが印象に残った。
IBMの強さについては、継続した研究開発投資がその源泉でこの膨大な投資のチ蓄積は多の追随を許さないという。先端技術に対する投資を絞ったサンマイクロシステムが既に存在しないことを例に上げていた。彼は決してIBMのエリートではなく、タイプライアターのセールスから身を立てていることが、大胆なIBMの変革を断行した一因であろう。
講演後、個人的に「かっての東京勤務の経験はその後のマネージメントに役立ったか?」と質問したところ、「当時の日本IBMの社員はあまり英語を話せないので、自分は孤立していた、マイノリティーだった。しかし、あまり議論しなくがシステムとして動いていたことを理解できた。また、マイノリティーだったのでその気持が理解できるようになった」といった。
日本についても極めて前向きであったが、唯一政治は問題あると言っていた。
それにしても我が国の同業者は一体どうなったんだろうか。
5月13日日経新聞
米IBMのサミュエル・パルミサーノ最高経営責任者(CEO)は12日に東京大学で講演し、「日本は震災で大きな被害を受けたが、これを変革の機会にできるはずだ」と述べた。パソコン事業の売却などIBMの企業変革の実例を引き合いに、「変革には強い意志とトップのリーダーシップが重要」と強調した。
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菊地順子 (月曜日, 16 5月 2011 23:26)
パルミサーノにお会いになったとのこと、懐かしいですね。
当時の日本人はあまり英語を話さなかったという彼の答えもなるほどと思われ、ちょっと反省お恥ずかしい限りです。
あれから20年以上経ったのでしょうか? 今の日本IBM社員の英語力は当時とは雲泥の差です。日本語はおぼつかなくとも英語を話せない人はいないというのが現状。変わったといえば、長年ソフトウエアの製品発表に係わって来られた方が今日定年退職され、その挨拶で、「近年、製品発表は変わった。昔はIBMか開発・製造した製品だけを発表していたが、昨今では8割以上が買収製品の発表。文化の異なる会社との折衝が本当に大変だ」と言っておられました。ひょんな
ご縁で70歳をとうに過ぎても毎日IBMに通っている身には、昨今の変化の著しさに目がまわりそう。それを指揮しているのが、あのパルミサーノなのですからで正に驚愕です。