製造業のビジネスモデルの欠陥が露呈

今回の震災で日本の製造業の欠陥がいくつか露呈してたのではないだろうか。狭い視野からのコスト削減のにより、サプライヤーを一社に絞ったり、一箇所の工場に生産を集中させるというリスクマネージメントなしの「選択と集中」が産業復旧を遅らせ、かつ海外の製造業へもインパクトを与えている。海外は危険、日本は安全ということが妄想であった。かっての製造業の基本は工場火災や自然災害による生産へのインパクトを低減するため相応のコスト負担を受容して、供給を複数に分散していたはずだが、長い不況でコストダウンが先行して、製造業の基本も失われてしまったのだろう。

この「選択と集中」の変形がロボットだ。放射能が危険なエリアで、どれだけのロボットが働いているのだろう。災害sロボットを海外から借りるとは、「ロボット王国」を標榜していた日本ロボット工業会は何をしているのだろうか。鉄腕アトム、そして二足歩行ロボットという高級玩具の研究を「選択」して、「集中」していたのだろうか。数年前、米国にロボットベンチャー企業の資金調達に行ったとき、成功しているロボットビジネスはルンバと呼ばれる円盤型の掃除ロボットでと云われた。ロボットを広く捉えていたのだ。

最初からなぜ無人飛行機が、原子炉上空で写真や動画の撮影をしていないのだろか。ラジコン飛行機は日本に軍事転用の危険を心配されるほどの技術と製品があるのに。何も米国の無人機を借りなくても自前で撮影や大気中の放射能のモニタリングができていいはずだ。海中ロボットも凄いのがある。無線操縦の重機が何台現場にいるのだろうか。

直接失ったものより、失った日本製造業への信頼のほうが遥かに甚大だ。これから再興される世界の製造業のサプライチェーンは日本製造業への依存を減らしたサプライチェーンになり、日本製造業の部品供給基地もアジアを中心にさらに海外しシフトしていくだろう。取り敢えず被災した工場は「復旧」するが復興はグローバルサプライチェーンの視点で展開されるだろう。

何れにせよ、日本の製造業のビジネスモデルは復旧ではなく新生が必要だ。

 

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