経営戦略の最重要課題はIT戦略にあることは周知されていますがが、情報には過去形・現在形・未来形といった時制があるとことを強調しておきたい。従来のITの使い方は、主に過去形の情報・データ分析でした。しかし、過去は変えられない。前期の在庫は既に財務に影響を与えている。いくら分析しても既に確定した財務負担は変えられない。利益をあげるためには、現在形の情報できれば未来形の情報を分析すべきです。では未来形の情報というものはあるのだろうか。実は、ビジネスには価値の高い未来形の情報が存在します。企業内の仕事はビジネス・プロセスに沿って処理されています。これが時間差を生み見かけ上未来形情報を作るのです。例えば、セールスマンの日報は、調達関係者や工場関係者が見れば彼らにとっては未来情報である。注文が取れたかどうかは関係ない。顧客との情報交換が、調達関係者から見れば例えば3ヶ月後にくる情報の一部になる。そこから市場も見えてきます。このように企業の中には未来形情報があるが、それをわざわざ月報という過去形の情報にし、それをさらに要約して工場へ流すと、工場には特急仕事が多くなり生産効率が悪化します。社内情報ネットワークをきちんと作りさえすればよいのです。即ち、IT戦略の実装の大半は時間のマネージメントです。時間軸の制御です。
最後に[時間の四段活用]の話をしましょう。時間は、「先んずる」、「速める」、「縮める」、「合わせる(同期する)」と四段活用する。五段活用は禁止、即ち、「先送りする」というオプションは取りあえず戦略としては禁じ手としたい。「ITでコストダウン」「ITで売り上げを伸ばす」などと考えるから、難しくなってアイデアが出てこないのです。時間というドメインで考えれば、結果として売り上げも伸びるし、コストも下がるんです。時間の四段活用が頭にあれば、アイデアはいっぱい出ます。
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暑くてムカついた。 (木曜日, 16 8月 2018 19:08)
俯瞰は見逃しの象徴で地球温暖化に役に立たない言葉と思います。