俯瞰工学研究所設立趣意書

 現在、我々は新聞・雑誌・インターネットなどを通じて、膨大な情報にアクセスすることが出来る。しかし、多くの情報にアクセス可能であると云う現実は何ら価値を持たない。その情報の今日的な意味は何か、他の情報との関係は、その確度と限界は、どのような応用が可能か、といった意味的評価がされて初めて価値ある知識となる。即ち知識とは、解釈された意味が付加された情報のことである。優れた専門家とは単に多くの情報を有している事でなく、膨大な情報を分析・解釈し、意味を付加する能力を有する者である。

 我々はしかし現在、優れた専門家でも解決が困難な多くの課題と直面している。例えば地球の持続可能性や高齢化社会といった複雑な問題に対しては、工学や医学という自然科学・社会科学・人文科学といった個別の領野の知識だけでは問題の全体像を把握することが出来ず、その解決法を提示することが出来ていない。いま社会が直面している極めて複雑な課題に対し適切な解決策を提案するためには、複数の領野の知識、その間の関係に関する知識が必須である。即ち、現在の複雑な課題に対する解決策は工学・医学・経済学・心理学など複数の学術領野の知識とその関係性の理解から導き出される。

 このような状況を重大な現在的課題であるとする賢者は、研究に対する研究(Research on Research)の必要性を説いてきた。とりわけ社会変化に根源的に影響を与えている科学技術に関し、社会と科学技術を繋ぐ学術的な基盤の構築が必要である事が強く主張されてきた。先端技術の研究ばかりでなく、技術と自然や社会との調和・感性や倫理観の尊重・国際協調・国際社会への発信などが重要性を増しており、このような展開や問題解決に果たす研究、即ち、科学技術倫理論・科学技術政策論・技術経営論・科学技術史・文化論・技術革新論・未来工学論などの研究とその俯瞰的認識が緊要課題であるとも主張されてきた。俯瞰的認識の必要性の直線的な提案は、小宮山宏氏(元東京大学総長)の「知の構造化」であり、最近の「行動の構造化」である。

 この認識から、東京大学の総合研究機構は「俯瞰工学研究部門」を2002年に創設し俯瞰学の研究活動を始めた。小職はその担当として俯瞰工学研究室を主宰し、俯瞰学の工学的手法の開発を推進してきた。その俯瞰工学の視座は、地政学的俯瞰・領野的俯瞰・文献的俯瞰・時間的俯瞰・産業構造的俯瞰 である。

 俯瞰工学研究室では、学術知識の領野的俯瞰と文献的俯瞰を統合して学術知識のネットワーク分析の手法を開発し報告してきた。地政学的俯瞰と産業構造的俯瞰の統合として、地域クラスターのネットワーク構造の分析を多くの地域を対象として進めてきた。時間的俯瞰と産業構造的俯瞰の統合的応用として技術ロードマップの自動生成も試行した。

 俯瞰的認識の重要な目的は、イノベーションの昂進である。技術イノベーション・ビジネスイノベーション・社会イノベーションである。この為、イノベーションのモデルの追求が俯瞰工学の対象になる。技術ロードマップはイノベーションの戦略に必須である。 企業経営・政策立案は、技術イノベーション・ビジネスイノベーション・社会イノベーションの俯瞰的な構造化である。そして、その結果は技術経営学として体系化されて行くであろう。

 「俯瞰工学研究所」は、これらの東京大学の俯瞰工学研究室10年間の研究活動を継承し、さらに発展させることを使命として創設された。創設された研究所は、もはや大学に留まらず社会に広がる知的活動の場であり、知的な活動を高位の目標とする個人や企業、あるいは行政組織が協創する場である。さらに世代間の協創を更新するため、積極的に感性豊かな学生の参画を求める。この協創の場として、共同研究プロジェクト、研究会、勉強会、セミナー、フォーラム等多様な活動形態を提供・支援する事業を展開する。

2010年1月1日
代表理事   松島克守

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