◆俯瞰メルマガ第 87 号◆2019年3月25日発行

俯瞰メルマガ87
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時候のご挨拶

桜、桜、あっという間に花見がやってきます。葉桜になると、桜を意識していないので先日花見をしたばかりという気持ちになるのでしょうか。元旦と同じように新年度の誓いを立てますか。で、何を?

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変身を迫られるGAFA

ブレグジットの迷走から何を学ぶか

中国の今後は

国際政治の蜃気楼

エストニアに行ってきました

65回俯瞰サロン開催案内

「サムソンが日本の半導体を超えた秘密~俯瞰力・企画力を支える超見える化~

俯瞰のクッキングイタリア料理の裏技

俯瞰の書棚 先延ばし克服完全メソッド

雑感・私感

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変身を迫られるGAFA

これまで我が世の春を謳歌してきたGAFAが、厳しい状況になってきました。政治コンサルティング会社、英ケンブリッジ・アナリティカによるフェイスブックの個人データ流用事件を発端にして、GAFAの個人情報の取り扱いについてEUは厳しい規制を導入しました。個人情報保護の大幅な強化と域外持ち出しを禁止する規制です。

 

一般データ保護規則(GDPR)によって個人情報の厳格な管理を求めるとともに、違反に対しては巨額の制裁金を課すことになります。もちろん日本もその影響受けます。ただ日本の個人情報の保護は極めて厳しいために、日本とEUは相互に個人データ保護水準に関する相互十分性を認定しました。しかしGDPR はわかりにくく曖昧な部分もあるので日本企業にとっても厄介な問題です。日本に来たEU の人、 EUに居住する日本人駐在員の情報の取扱い等、今後いろいろなケースが考えられます。何しろ巨額の制裁金という脅しがありますから、厄介です。

 

個人情報保護以外でも独禁法がらみの規制が強化されています。Googleがインターネット広告事業で反競争的行為があったとして、EU149000万ユーロ(17億ドル)の制裁金を課したと発表しました。欧州委がGoogleに制裁金支払いを命じるのは、過去2年の間で3回目です。

Facebookが、ユーザーの許可を得ずにサードパーティーが個人情報にアクセスすることを許す契約を結んでいた問題、最近の一連のセキュリティ問題に対し、議会への証人喚問や政府の諸機関による調査が行われています。最近では、また数億人のパスワードを平文で保存していたことで厳しい非難を浴びています。

 

結果としてFacebookは巨額の利益を上げているネット広告のターゲットマーケティングについて、ユーザーを人種、性別、年齢などに基づいて、求人、住宅、クレジットの広告の対象から除外できるように修正すると発表しまた。すなわち絞り込みを緩めるということでしょうか。これはGoogleAmazonにとっても重大な課題です。なにしろ、独占的に所有する膨大な個人情報からピンポイントでターゲットを絞り込むことを武器にして成長してきた彼らですから。

 

EUにはGAFAに対して規制を強めることによってEU内のIT企業の成長を促したいという意図と、同時にGAFAに対し、域内で上げた売上に対してデジタル課税をかけ新しい財源としたいという意図もあります。すでにフランスとイギリスは、独自にデジタル課税を発表しています。

 

事情は日本にとっても同じで、日本の規制当局も動き始め、自民党も日本のGAFAを呼んでヒアリングし対抗処置をとること決めました。規制当局は、Amazonが出店者に対し不公正な契約を強要していることを問題視しています。Appleについても、Apple Storeのアプリ供給者に対する30%の手数料の是非などの懸念を表明しています。

いずれにしても、GAFAにとって野放図な成長は許されない時代になりました。

 

Facebook、広告の差別的ターゲティング裁判で和解

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1903/20/news083.html 

Facebookが数億人のパスワードを平文で保存していたと認める

https://jp.techcrunch.com/2019/03/22/2019-03-21-facebook-plaintext-passwords/ 

独禁法推進派がもくろむFacebookの分社化

https://jp.techcrunch.com/2019/03/21/2019-03-19-facebook-cicilline-antitrust-house-congress/ 

欧州委、グーグルに制裁金17億ドル ネット広告で反競争的行為

https://jp.reuters.com/article/eu-google-antitrust-idJPKCN1R11YY 

GAFAのデータ独占に公取委がメス!本気の実態解明へ

https://diamond.jp/articles/-/197645 

アップルは優越的地位を濫用している? 公取委が調査

https://www.businessinsider.jp/post-187542 

GAFAに課税せよ!広がる「デジタル税」の正体

https://toyokeizai.net/articles/-/268692 

欧州連合における個人情報保護の枠組みGDPR

http://www.fujitsu.com/jp/group/fjm/mikata/column/sawa2/001.html 

EU、個人情報保護を大幅強化へ 域外持ち出し原則禁止

https://www.asahi.com/articles/ASL5Q1PG0L5QUHBI001.html

EU間で個人データ保護水準に関する相互十分性を認定

https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/01/61496577e90fd3e8.html 

GAFA規制、仕掛ける自民 国際的枠組み作り主導狙う

https://www.asahi.com/articles/ASM3Q5D5BM3QULFA01S.html

 

ブレグジットの迷走から何を学ぶか

英国のEU離脱、ブレグジットの混乱も末期的な状況になりました。合意なき離脱も真実味を帯びてきました。もしくは国民投票を再度行って結果として、残留を選ぶことになるかもしれません。ロンドン中心部で23日、2度目の国民投票を求める大規模デモがありました。主催者団体は100万人が参加したと発表、多くは離脱に反対する人たちです。

 

ついにメイ首相の辞任の可能性も出てきました。となると、自爆的な国民投票をあり得ます。全く予断できません。日本への直接的な影響は大きくないと思いますが、世界経済に与えるインパクトで、為替などの想定外の影響は考えられます。

 

事の発端は、前回のキャメロン首相の国民投票にあります。彼自身、まさかの結果でした。

 

大部分の国民、とりわけ労働者階級の人たちに、離脱派の政治家は、EUがいかに官僚的で非民主的、イギリス国民から金も主権も国境コントロールも奪う存在であるかを吹聴しました。特にEU加盟国のためイギリスに大量に移民が押しかけ、国の医療、教育、サービスなどに負担をかけ、失業率や犯罪率は上がり給料は下がるという危惧を大げさに語り、そういう話をあおったのです。

 

日産の工場があるイギリス北東部サンダーランドでは、2016年に行われたEU離脱を問う国民投票では61%が離脱票を投じました。そして結果として、日産は生産を英国外に移すことを決め、雇用が失われることに愕然としています。すでに、国際企業が車を組み立てる場所としての英国の魅力は下がりました。

 

イギリスがEUを離脱するとはどういうことなのかを、きちんと説明してもらえないままに投票した人たちも多かったようです。

 

これは直接民主主義の怖さを象徴しています。といって議会制民主主義の英国議会が現在、理性的な対応をしているわけではありません。最近トーンが落ちましたが日本でも憲法改正の国民投票の話がありますが、国民全体が十分に自分の判断の結果を理解しないまま国民投票を行えば真実の民意と違う結果が出るでしょう。日本の場合は感情的な戦争反対のキャンペーンと自主防衛の主張が国民の分断をもたらすと思います。ナチスドイツは 国民投票を頻繁に行ったとのことです。

学ぶべき事は、メディアと政治家は国民に対し十分な情報を提供し、広く国民の理解を深めることと、我々国民が政治にもっと真剣に取り組む必要があるということです。とりわけ先の長い若い人たちが、自分たちの未来がかかる政治判断に冷静に取り組む必要があります。政府機関紙のようなメディア、ヒステリックな反政府メディア以外に良心をかけたメディアが、民主主義には必須です。トランプ大統領のおかげで米国メディアも正義感が出てきましたか。

 

EU離脱、2度目の国民投票を ロンドン「百万人」デモ

https://www.asahi.com/articles/ASM3S2SY3M3SUHBI003.html 

EUにブレグジット疲れ 英に「次の一手」明示要求

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42821180T20C19A3000000/ 

EU離脱撤回を求める請願書に現れる「英国の混乱」

https://forbesjapan.com/articles/detail/26268 

英国では署名が10万人を超えた嘆願書について、議会で議論に付すか検討の対象になる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190322-86564887-bloom_st-bus_all 

英首相、離脱案巡り閣僚・強硬派と協議 辞任圧力の報道も

https://jp.reuters.com/article/britain-eu-idJPKCN1R6009 

イギリスEU離脱で日産工場に影響:Brexitで被害をこうむる人たち

https://1ovely.com/leave-eu/ 

英EU離脱、ゴールドマンが合意なき離脱の確率を引き上げ

https://jp.reuters.com/article/britain-eu-goldmansachs-idJPKCN1R30VD 

 

中国の今後は

アメリカと中国の貿易摩擦は中国が一定程度譲歩して、ある種の妥結が実現するのではないでしょうか。先日閉幕した中国全人代で、政府を代表して李克強首相が行った政府活動報告では、アメリカと正面から競合する姿勢を避けてwin winの関係を作り出したいというメッセージがあったように思います。そして、これまでの経済政策を一部否定していました。

 

この全人代ですが、習近平総書記が終始仏頂面で資料を見ていない、という映像が話題になりました。昨年の全人代では全権を掌握し、終始笑顔であったことと対照的です。という事は、一度は失った経済政策の権限を李克強首相が取り戻したという事でしょうか。というか、習近平総書記の権力基盤も盤石ではないということですか。

 

中国経済の成長の鈍化が、かなり厳しいようですが、もともと2ケタ成長は長期間続きません。人口ボーナス、環境汚染のような成長の限界がありますから。これは日本がたどってきた道です。中国もその例外ではありません。ただ日本は、オイルショックというハードランニングで高度成長から5%の成長に移行しました。中国はアメリカとの貿易摩擦でハードランニングに近い、新常態に移行しているのでしょう。私は中国の現在の成長率は5%がせいぜいだと、かねがね言ってきました。

 

日本の場合と違って、今は大きなテクノロジーの波があります。今回「製造強国」のスローガンは下げましたが、EVGAI、バイオの急速な導入により一気に新しい産業国家に変身する可能性があります。米国や特に日本は、気がつくと後進国になっていたということもありえます。

 

EUはこれまで、中国市場を経済成長の源泉として中国に寄り添う政治姿勢をとってきましたが、ここにきて「中国恐るべし」との認識になったようです。「中国はライバル」と正面から戦略を議論しています。イタリアは借金漬けで、中国の投資を引き入れようと、中国の「一帯一路」参加国になりました。すでにエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スベロニア、クロアチア、ブルガリア、ギリシア、マルタ、ポルトガルは、「一帯一路」に関し中国と覚書を交わしています。まさに「中国恐るべし」です。

 

通商合意「おそらく実現」、国内自動車生産なら関税回避=米大統領

https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-trump-idJPKCN1R31QM 

対中制裁関税、すぐ撤廃は「ノー」トランプ氏

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190321-OYT1T50122/ 

ロイター企業調査:米中摩擦の影響「ある」5割超に増加、昨秋3

https://jp.reuters.com/article/reuters-poll-trade-japan-idJPKCN1R304C 

全人代ルポ 仏頂面の習主席、李首相と目も合わせず

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42038380V00C19A3FF2000/?n_cid=SPTMG002 

激しさ増す米中新冷戦、中国にとってトランプはむしろ救世主?

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15671?page=2 

EU「中国はライバル」=戦略見直し-首脳会議

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019032300305&g=int 

イタリア、一帯一路参画へ 対中国でEUの足並みに乱れ

https://www.asahi.com/articles/ASM3K238ZM3KUHBI003.html 

 

国際政治の蜃気楼

物別れに終わった米朝首脳会談は、北朝鮮の非核化という蜃気楼を追いかけていたのではないでしょうか。だから近づけば逃げて、消える、やっとトランプ大統領も気がついたのかもしれません。文在寅大統領は、トランプ大統領に「金正恩は本気で非核化を決心している」と告げ、金正恩には「トランプ大統領は焦っているから、寧辺(ヨンビョン)の核施設を廃棄すれば経済制裁の解除に応じる」と言った結果として、米朝首脳会談は、双方ともに蜃気楼を追うことになっていたかもしれません。

 

その文在寅大統領も南北統一という蜃気楼を追っていたのかもしれません。「私は何十年も前から200回以上、韓国を訪れているが、現地の経営者たちと酒を飲むと、『核を持ったまま北朝鮮が倒れたら、我々は核保有国になり、7000万人以上の人口を持つ、隣国(日本)と遜色ない大国になれる』と皆がいう」(大前研一 BIZトピックス 2017/04/07配信分)という蜃気楼です。韓国の核保有が許されるはずがありえないのに。経済制裁で一カ月も持つわけありませんから。結果として、文在寅大統領は双方から信用を失いました。

 

もう一つの蜃気楼は、北方領土返還かもしれません。どう考えてもロシアが北方領土を返還するとは思えません。繰り返しロシアは、第二次世界大戦の結果を受け入れるべきだと言っています。 70年の実効支配の後、どんな理由で国民を納得させるのでしょう。クリミア半島は軍事力でウクライナから奪い取りました。もともとクリミア半島はロシアが血を流して獲得した領土です。国民は大喝采です。しかしクリミア半島に多額の国家資金が投入されることになると、国民は懐疑的になっているようです。

 

仮に北方領土が歯舞色丹だけでも返還されたとしても、インフラ整備に巨額の資金が必要となります。赤字財政で社会福祉に巨額資金の必要な現在の日本にとって、投資する価値があるのか、国民は改めて考えさせられることになるかもしれません。

国民感情に訴える政治手法は、極めて危険です。まともな政治家ならば国民と腹を割って話す必要があります。

 

エストニアに行ってきました

エストニアという国

エストニアに行ってきました。個人的にサイバー戦に興味があり、 NATOの研究所があるので、いちど現状を確認したいと思っていました。加えて世界一の電子政府を実現した国でもあります。

 

エストニアはあまり日本では知られていませんので、簡単に紹介します。バルト海の奥、フィンランドの南の人口130万人の小国です。長く他民族の支配下にあった悲惨な国です。ドイツ騎士団、デンマーク、スウェデン、ロシアそしてソ連の支配下に置かれ、土着のエストニア人は悲惨な生活を強いられてきたようです。

 

ロシア帝国が崩壊した1918年に独立を果たしました。ですから昨年で独立100年ということですが、 1940年にはソ連に併合され、再び独立を失い、東西冷戦が終わった1991年に再度独立を果たしました。

 

電子政府の構築

1991年からゼロからの国づくりです。この時のリーダーの決断がエストニアの今日を決めました。 ITで行政システムを作る、という決断です。近隣諸国から古い通信システムや、 faxの寄付の申し出がありましたが、それを断り、ペーパーレスの電子政府の構築を始めたのです。

 

ソ連の情報関係の機関が置かれていたことから、IT技術者が集積していたのだろうと思っていましたが、エストニア人のIT技術者の数はそれほど多くなく、ほとんどが顔見知りだったと聞きました。それぞれ自分のパソコンを持ち寄って、電子政府の開発を始めたようです。

ただ時代の巡りあわせが絶妙です。まさにインターネットの時代の始まりと建国が重なっています。

 

1990 CERN のティム・バーナーズ・リーWWWを提案・実装

1991 エストニア独立

1993 NCSAのマーク・アンドリーセンMosaic(ブラウザー)をリリース

1994 Amazon設立

1995 インターネットの商業化

   マイクロソフト社がWindows '95 を発売

1998  Google設立

2000  スティーブ・ジョブスがAppleCEOに復帰

2004 Facebook設立     

2006 Amazon(AWS)開始 クラウドコンピューティング

 

という時代です。このビックウェーブを見据えた建国は、同時に独立したリトアニアとラトビアと、大きな差を生みました。

 

エストニアは個別アプリケーションを開発してきましたが、2012 X-Road により完全に統合化されたデータベースが完成し、現在の電子政府システムが完成しました。結果として、行政処理の99%はネットで処理されます。例外的に結婚、離婚、不動産売買契約については、ネットではできません。

 

日本でうるさい個人情報ですが、エストニアでは発想が全く違います。個人情報はすべて公開です。ただ、誰がいつ何を見たかは公開されますから、それが悪用の抑止力になっているようです。例外は病気に関する個人情報は、自分で選別的にロックできます。

 

このエストニアが完成した統合データベースのIT技術は、民間の企業でも転用できると思いました。まだまだ日本の企業では個別アプリケーションが林立し、データベースの統合ができていません。X-Roadの技術を応用すれば、社内システムの統合化が容易に実現できるような気がしました。

 

2014年には世界中の誰でもエストニアの市民になれるe-Residencyというプログラムを始めました。これでエストニアの市民になればEUの中で起業し、ビジネスができます。日本でもかなりの人が参加しているようです。

 

NATOサイバー防衛協力センター

NATOサイバー防衛協力センターの発端は、2007年のサイバー攻撃です。赤軍記念碑移転をめぐるロシア系住民の暴動による混乱の中で行われました。これを援護するかのような大規模なDDoS攻撃(大量のデータを送り付けるなどのサイバー攻撃)というサイバー攻撃を受け、エストニアの銀行、通信、政府機関、報道機関などのコンピューターシステム、ネットワークが麻痺状態となり、社会は大混乱となりました。桁違いに大がかりで組織的だったので、同国との関係が悪化しているロシア政府の関与が指摘されています。

 

エストニアは小規模で、そして長い闘争を経て独立を勝ち取ったため、国民の団結力が強く、ネット機能がダウンするという暗黒状態でも、国民がパニックに陥ることはなかったとのことです。

 

これを機会にエストニアはNATO諸国に、共同でサイバー攻撃に対抗する組織をつくることを提案しましたが、当初は欧米の首脳が「サイバー攻撃とは何?」という状態で、なかなか腰を上げなかったとのことです。それでも粘ってNATOサイバー防衛協力センターCCDCOENATO Cooperative Cyber Defense Centre of Excellence)の設立にこぎつけました。日本はNATO加盟国ではありませんが、CCDCOEに参画して、今年から職員を一名派遣します。安倍首相も小野寺防相も訪問しています。

 

年に一度首都タリンで国際会議CyConを開くとともに、加盟国全体で1,000名が参加するサイバー防衛演習「Locked Shields(ロックト・シールズ)も実施しています。赤組と青組とに別れて、赤組が攻撃側で青組が防衛側です。実戦さながらの訓練は、世界最大級の対戦ゲームでしょうか。日本の防衛省もこれに参加して、防衛力を高めていくことが期待されます。

 

そしてCCDCOEはサイバー活動に適用される国際法に関する文書「タリン・マニュアル2.0」を発表しました。なにしろ宣戦布告の無い戦争ですし、現在も攻撃が続いています。どこまで反撃して良いかも不明ですから新しい国際法が必要ということです。

 

スタートアップ

エストニアはまた、スタートアップに対するビジネス環境が良い事でも知られています。いくつかのスタートアップ支援の場所を見てきました。続々とベンチャー企業が生まれています。事の起こりはあのSkypeです。アノ成功、アレに続けということです。人口130万人の国ですがユニコーン(巨大ベンチャー企業)4社あります。ユニコーン4社とは具体的には、通話サービスのSkype、オンラインカジノソフトのPlaytech、個人間送金サービスのTransferWise、ライドシェアアプリのTaxify201937日に「Bolt」に社名変更)です。これらに共通するのは“Skype Mafia”です。Skypeの社員は、会社の売却で巨額の資金を得ました。この資金で新たな企業を起こしてきました。

 

従来の産業振興のモデルは、製造業の振興でしたが、今はその時代ではありません。初期投資が膨大です。ネット企業であれば、パソコン1つでアイデア次第で起業できます。

 

特にエストニア人がITな才能があるわけではありません。私の認識では、もともと産業基盤がありませんから就職する大企業はありません。ですからIT企業を起こすことになります。また人口130万人という事は、国内市場ありませんからいきなりグローバル市場に行くことになります。日本は幸か不幸か就職の選択肢は広くあります。加えてスタートアップ企業にとって、とりあえずの市場は国内にあります。加えて日本人の好きな堅実な成長はグローバルのスケールに届きません。

エストニアで起業している日本人にも会いました。安全で住みやすいと言っていました。特に日本のベンチャー企業と差を感じませんでしたが、エストニアというゆりかごで、彼らがどこまでスケーラブルに成長するか楽しみです。

 

NATOが「サイバー空間に適用できる国際法」を研究したタリン・マニュアル2.0を発表

https://the01.jp/p0004346/ 

 

65俯瞰サロンのご案内

外山 咊之さんに聞く、「サムソンが日本の半導体を超えた秘密

~俯瞰力・企画力を支える超見える化~」

かつて世界を席巻した日本の半導体産業。それがごく短期間の間に韓国企業に追い抜かれ、今ではその背中を見ることすら難しくなってしまいました。なぜこんな事が起こったのか?外山さんは、1995にサムソンの役員会で、『経営システムにおける超見える化---Big Logic技法』について講演をしましたが、反応がないことを怪訝に思いNo.2に確認したところ、『既に導入済だ。複雑な600工程が見えた。素晴らしかった!』との回答を得ました。今回の俯瞰サロンではBig Logicの超見える化の要求軸とその対応技法を概説し、適用事例の紹介と電気業界で起こった過去を振り返り、日本の産業再建ためのヒントをいただきます。

・日 時: 2019425日(木)1830分より(18時受付開始)

・会 場: 品川インターシティ会議室

      東京都港区港南2-15-4

                            http://sic-hall.com/pdf/map/accessn.pdf

・参加費: 講演会のみ 1,000 / 懇親会 3,000

      当日、受付にて申し受けます。

・定 員: 50名程度 (定員になり次第、申込みを締切ることがあります)

・懇親会:講演終了後に懇親会を開催します。

・参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください

https://ssl.form-mailer.jp/fms/363b5134602103

【講師プロフィール】
外山 咊之 (とやまたかゆき)

1958、東京工業大学電気工学卒。(旧)富士製鉄にて、一貫製鉄所の複雑な経営を、正確に把握して、見える化するアイディア:構造マトリックスを発想(1960年代)。日本IBMに移り、1974、ドイツ鉄鋼業に於いて、同じアイディアが発展していることを知る。1973のオイル・小さいショックで大混乱した神戸製鋼の強い要求で解読、ドイツ方式で、全面的に導入。その後、対話ソフト化を行い、経営計画・予算策定等の意思決定システムへと適用を広げ、適用業界も装置、製造、金融、エネルギー、食品等へ広げ、150件販売。この数は、IBMは『世界では小さい。』と販売停止。日本の経営Topの関心は低かったが、韓国Top企業の関心は強烈で役員会でレクチャーを実施。 海外学会でも数多く発表。国際MOT学会(1991. マイアミ)、意思決定支援システム学会(ISDSS)でも発表。UNESCOも人類の財産と認める。その後も内外の論文寄稿を数多く実施。東京工業大学経営工学にて博士号取得。

論文:論文:「構造マトリクスにおけるタイプ記号の諸性質とビジネス構造の表現に関する一考察」(ダイヤモンドハーバードレビュー、外山咊之 柴直樹 飯島淳一 東京工業大学)」

 

俯瞰のクッキング イタリア料理の裏技

料理通信という雑誌があります。一般向けというよりもプロの料理人向けの雑誌だと思います。ですから参考になります。1月号は「まだ日本人が、気が付いていない、イタリアの味づくりのコツ、裏技編」でした。確かにいろいろ興味深いノウハウが紹介されていました。冒頭の16ページと17ページに引き込まれました。

 

「蓋あり料理-オイルで蒸し煮」です。言ってしまえば、イタリア風の野菜炒めです。簡単です。鍋にオリーブ油とニンニクを入れ、低温でゆっくり香りを出し、水洗いした野菜を入れ、塩を振って、蓋をして中火で3 ―4蒸し煮します。それだけです。

 

私たちは、どうしても中華料理の影響で鍋の中でかき回して炒めますが、イタリア人の発想は違います。 1度ぐらいは鍋の中をひっくり返したほうが良いのですが、手間をかけずに野菜炒めが完成します。今回は季節の菜の花でやりました。おいしかったです。

 

次のページは「蓋なし料理」です。ジェノベーゼ・ナポリターナです。大量の玉ねぎと豚の肩ロース肉を、オーブンで表面を焦げ色に焼き、赤ワインで煮込む料理です。今回は肩ロース400 g弱を5センチ角くらい切り分けて塩を振ってフライパンで肉の表面を焼きます。別の鍋で玉ねぎ600 gくらいを薄切りにして炒めます。レシピではラードで炒めることになっていますが、ありませんからバターで弱火で炒めました。その鍋に肉を移し、赤ワインを250 ミリリットル入れ、トマトペーストを40 g近く入れます。水をひたひたに入れて、少し煮て味をなじませて、 180度のオーブンに蓋をしないで入れて焼き煮します。時々かき混ぜて40分ほど煮ました。焼けたところを液体に戻す作業はカスレに近いですね。

 

これは、玉ねぎの濃厚な旨味があるソースが美味しいです。パスタやバターライスと一緒に食べても美味しいと思います。発想を変えれば、牛肉の赤ワイン煮でも、鶏肉の赤ワイン煮も変身できます。

 

この雑誌には、これ以外にも作ってみようと思う料理がいくつもありました。例えば、いつもはフライパンでソテーしているラムチョップのフライもやってみました。美味しかったです。

 

俯瞰の書棚 先延ばし克服完全メソッド

今回は「先延ばし克服完全メソッド」ピーター・ルドウィグ CCCメディアハウス 2018です。

 

冒頭で、ローマ帝国の哲学者、セネカもこう言っている。 「我々がためらい、先延ばしをして時間を無駄にしている間に人生は過ぎてしまう」から本書は始まります。耳が痛いですね。

 

本書は究極のHow To 本で、その構成は。

最初のセクションでは モチベーション がどのように働くのかを説明し、「自分のビジョン」をまとめるのに役立つツールを紹介する。それによって、あなたは自分自身の中に長期的なモチベーションを維持できるようになる。第2のセクションは、規律がテーマだ。大事なことを日々積み重ね、一定の習慣を守るという規律によって、自分のビジョンに沿った生活ができるようになる。先延ばしと戦う方法、仕事と時間を管理する方法、ネガティブな習慣を断ち、ポジティブな習慣を身につけるための方法を紹介する。第3のセクションでは、自分の行動の 成果 に焦点を当て、幸福感を維持するための方法について説明する。情緒的な安定を高めることに役立つ実用的なツールを紹介する。それによって、外からのネガティブな力に対する抵抗力がつく。

 

最後のセクションのテーマは 客観性 だ。これは、あなたを取り囲む状況と自分自身に関する誤った認識に気づく能力だ。自分の問題を見極めなければ解決は望めない。

です。

 

章末に「ノウハウ・デザイン」というポンチ画の、手書きのイラストで内容をサマリーしていますので解り易いです。私はkindle版で読みましたが紙のほうがいいかも知れません。手書きを著者は強調していますから。

 

最初の部分に「決断のまひ」ということが出てきますが、情報が多くて選択肢が多いとどれを選択するか決められなくて決断を先延ばしてしまうという現象です。

「私たちの問題は、知っていることが少なすぎるということではなく、知っていることの多くが間違っているということだ」第1の問題は、 得られる情報が極めて無秩序な状態で、質も悪いことだ。アドバイスの内容が逆だったりもするです。

 

先延ばしの習慣を変えるエッセンス、キーワードは、自分のモチベーション、 規律、 成果、客観性です。

 

モチベーションを高めることによって、先延ばしは克服できるといいます。モチベーションには、ビジョンが必要です。「行動なきビジョンは白昼夢。ビジョンなき行動は悪夢」ですから、行動を意識したビジョンが必要です。

 

自分がしていること、特に自分がやりたいと思ってしていることに意義を見いだせるとき、最も強力な形態のモチベーションが生まれる。それが「内なる旅に基づくモチベーション」だ

 

規律とは、生産性と効率を確保することです。頭は「はい」と言っているのに、気持ちが「いいえ」と言っているときですが、「象と象使い」という例えで、我々は、感情的な「象」と「合理的な象使い」の組み合わせで、いかに理性で感情を制御するのかがカギです自己統制 は「象」を操る「象使い」の能力だ。習慣化、自分の「象」をどう訓練するか、これはコーチングの基本モデルです。

 

 一流のアスリートや科学者、芸術家、実業家に関する研究は、彼らに共通する要素があることを示している。それは、行動が「フロー(流れ)の状態」になっていることだ。このフローは何かに挑戦しているときに生まれ、自分の強みとスキルが発揮されるようになる。自分がしていることに完全に没頭し、時間が止まったような感覚になる。目標を達成した後の つかの間の喜びの感情とは違い、 フロー状態 に達するとドーパミンの分泌が長く続くようになると、フローの境地を目指さないといけません。即ち、「成功は幸福のカギではない。幸福が成功のカギなのだ。自分がしていることを愛せれば、成功できる」です。

 

以下は具体的なツールを使った助言です。コンサルティングです。

ビジョン作成の準備は、SWOT自己分析:SWOT分析チャートの「自分の 強み 弱み は何か」と自問し、それぞれ5つ以上を挙げる。

自分の業績リスト:自分が誇りに思う業績を少なくとも10項目挙げる。

モチベーションを生む活動の分析:自分を高める活動 後に残る成果を生む活動 関係を構築する活動を列挙する。

 

そして、自分のビジョンを紙に書いておくと、本当に効果が上がる。いつも持ち歩くこともできるし、どこか目につきやすい場所に貼っておくのもいい「有形にする」「感情的反応を高める」「目標でなく行動に的を合わせる」「『自己2.0』の活動を組み入れる」「バランスとつながり」「アンカーを使う」だ 、「自己2.0」とは、自分のためだけでなく他者のためになることを入れることです。アンカーは、それを見るとビジョンをリマインドするもので、指輪でも、写真でも時々見るものであれば何でもいいです。

 

以下は規律を維持するツールです。

まず、「習慣リスト」:EXCELで列に毎日実行する習慣化の行動をいくつか書きます。例えば、ジョギングとか勉強とか。そして行に達成度を日々一月分記入する表を管理します。

 

次のツールは「To-Do トゥデー」で前日に翌日に何をするか書きます。紙に手書きで。翌日の「To-Do トゥデー」を作るときには必ず、「To-Do」や「アイデア」「カレンダー」の中から仕事を選ぶようにするべきです。「To-Do トゥデー」に移した仕事は、元のリストから抹消するようにします。「To-Do トゥデー」よって、 生産性 効率、すなわち規律 を根本的に高めることができるとの事です。大きな仕事は分割し、小さな仕事は1つにまとめます。

 

そして1日の道筋を決める 最も重要な(おそらく最も気が重い)仕事を朝一番にすることをお勧めするです。

 

そして「To-Do オール」ということで所謂TODOリストです。ポイントは完璧が達成されるのは、もう加えるものがなくなったときではなく、もう削るものがなくなったときであるです。断捨離ということでしょうか。

 

次は「アイデア」マップです。ここに入るのは浮かんだ自分のアイデアです。

最後の部分は「カレンダー」で、人と会う約束や会議など時間に縛られる仕事だけを入れます。

 

To-Do トゥデー」「To-Do」「アイデア」は、それぞれの紙をすべて1つのクリアファイルに入れておくと便利だ。「To-Do トゥデー」をいちばん上にして見えるようにする。今日やる仕事だけが目に入るようにして、すべての仕事の山に気後れしてしまうような状態を防ぐわけだ。このシステムは、カレンダー1つと3枚の紙だけでも成り立つ(「To-Do トゥデー」「To-Do」「アイデア」の3枚)

 

3つの主要なツールを紹介した。 自分のビジョン はモチベーションにつながる。「習慣リスト」は、あなたの「象」を意のままに動かし、意志力の筋肉を強めるのに役立つ。そして「To-Do トゥデー」は、「決断のまひ」をなくして毎日前進していくことに役立つ。これで、あなたの生産性と効率は大きく高まるが、これらのツールを最大限に活用するには、もう1つの極めて重要なスキルを身につける必要がある

 

それは、「ヒロイズム」です。心地よい状態、心地良いベッドからでる、コンフォート・ゾーンから踏み出すことです。その勇気です。心地良い状態からあえて出てビジョンに向かう勇気です。群れを離れる時です。

 

この後は「ネガティブな過去」から「ポジティブな過去」に移る「インナースイッチ」 とありますが。

以下気になった文章は、

「本当に進歩したければ、しっかりした土台の上で自分を高めていかなければならない」

「人生で最も大事なのは、自分自身の人生以上の何かのために生きることだ」

「人間の脳はしばしば、現実と異なることを信じる傾向がある」

ご一読をお勧めします。

 

雑感・私感

以上も雑感・私感ですが、出来る限り参照データを紹介しています。個人のブログは面白いですが個人的な偏りがありますから、できるだけメジャーなメディアを引用しています。

●ISは消滅したことになりますが、トルコ、クルド、シリア、イスラエル、イラン、イラクとグチャグチャです。また、トランプ大統領のゴラン高原のイスラエル主権承認混乱に拍車をかけました。さすがシリア撤退は口にしていません。

経済規模にそぐわないロシアの軍拡、大国風のふるまいはいつまで続きますか。といって北方領土が帰ってくるわけはありませんが。お金は日本もちで共同管理ですか。

中国は5%成長でアメリカを凌駕する超大国になる可能性はあります。先端技術の人材の厚さが凄いです。特許、学術論文を見ればわかります。

直接民主主義は専制政治になりやすいようですね。トランプ大統領、プーチン大統領、エルドアン大統領・・・・

民主主義とは何か改めて勉強しなくては。

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