俯瞰 MAIL 017 号( 2012 年5 月 19
日)
◆季節のご挨拶◆目に青葉・・の季節になりました。花もきれいですが芽吹いて汚れていない浅緑の新緑は心を元気づけてくれます。つくばの竜巻、最近の気候は荒っぽいですね。じわっと地球温暖化の影響来ているのでしょうか。-----------------------------------------------------------------------------
◆Facebook開設のお知らせ◆このたびFacebookのページ機能を使い、情報共有の場として、「俯瞰工学研究所」を開設しました。メルマガ等の活動を掲載してまいります。Facebookの検索で「俯瞰工学研究所」を探してみてください。
-----------------------------------------------------------------------------・国際政治は変わる、日本の対応は・依然不透明なグローバル経済・日本の半導体企業が消滅・会津でプラチナ構想ネットワークのシンポジュウム・生活習慣の改善で一定の効果出ました・頭のよくなるクッキング・ディジタル書斎の構築9・書評 :
「テクノロジーとイノベーション」-----------------------------------------------------------------------------
◆国際政治は変わる、日本の対応は◆ロシアのプーチンが大統領に就任し、フランスの大統領もサルコジからオランドに代わりました。韓国の大統領も間もなく交代です。秋には中国も習近平に代わります。このようなTOPの交代の時期は、これまでの懸案を一気に変えるチャンスでもあります。オバマ大統領は再選の暁には、対ロシア外交を一気に変えそうです。インド、東南アジア、台湾、韓国、日本にロシアを加えた、対中国包囲網を形成するのではないでしょうか。中国は日中韓のFTAでこの包囲網に風穴を開ける戦略でしょうか。無論南進はするでしょう。
プーチンは北方領土問題の処理を終わらせ、悲願の極東ロシアの経済成長を日本技術、資本で図ることを押してくるでしょう。
問題は日本政府にその対応戦略があるかです。以前にも書きましたが、冷戦終結時に、当時のドイツのコール首相は電撃的な外交でソ連のゴルバチョフから東ドイツを奪還しました。この時が日本にとっても北方4島回復のチャンスだったと思いますが、当時の橋本首相は何もできませんでした。
歯舞、色丹は返却、国後、択捉は継続協議という日ソ共同宣言をどう変形して日本とロシアが受け入れるかです。3島返還で激高するようでは収まりませんね。http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/119828.html
◆依然不透明なグローバル経済◆経済情勢も不透明です。ギリシャの再選挙という事で年初、落ち着くかと思われた欧州危機も再燃で、円高の基調に戻ってしまいました。この情勢はあのJPモルガンも読み誤って巨額の損失を出したと報じられています。スペイン、ポルトガルの財政危機も気になりますが、スペインとギリシャは若者の半分以上が失業という状況は異常です。緊縮財政一本ではいかないのも当然です。一方緊縮財政推進のメルケル首相はドイツ国内の地方選挙で大敗という事で動き方が難しいでしょう。まったく先が見えませんね。変に判ったつもりになるのが一番危険でしょうか。
一番不透明なのがアメリカ経済ではないでしょうか。オバマ再選後には現在とはまったく変わった局面が出てきそうです。製造業の復活?ともかく1%の人間が20%の富を独占し、超高所得者が僅か20%ほどの所得税とは、これも異常で社会・経済の不安定要因だと思います。
相対的には日本は安定度が高いと思いますが、不透明は福祉・増税の政局です。民主、自民、その他が離合集散して、政策能力があり安定した政治勢力が形成されるといいのですが。http://www.garbagenews.net/archives/1926497.htmlhttp://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0405&f=column_0405_003.shtmlhttp://toshukou.at.webry.info/201204/article_14.htmlhttp://uskeizai.com/article/266457799.html
◆日本の半導体企業が消滅◆かつて世界を制覇した日本の半導体産業も最後に残ったエルピーダが倒産して、米国のマイクロンの傘下に入ることになりました。エルピーダは1999年に、日立製作所とNECがDRAM事業部門を統合して発足し、2002年には三菱電機の同事業を吸収して、東芝がDRAM事業から撤退し、エルピーダが日本で唯一のDRAMメーカーでしたが。DRAM以外の半導体は少し残っていますが、一つの産業が終焉したように認識します。なぜ?多く議論されていますが、明らかに戦略の誤りと、行動のスピードに問題があったはずです。これは明らかに半導体産業だけでなく、業績不振は企業と産業に蔓延している日本文化の悪しき面の結果です。
日本企業の多くでは、高度成長以来の成功の期間にビジネスプロセスと評価基準が形成されましたが、その評価基準に基づいた事業戦略では、今の時代は新規分野を切り開く事が出来ないのです。有能な企画スタッフ組織は、わが身と会社の利益を考え、確実に市場の需要がある事業を重視します。そして、自分の策定する事業戦略が上層部の承認を得やすいように、企画案をまとめます。実は経営者が関与するはるか以前に評価と意思決定は行われているのです。これば日本式経営の最大の欠陥でしょう。TOPは?http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK079763820120507
◆会津でプラチナ構想ネットワークのシンポジュウム◆会津でプラチナ構想ネットワークのシンポジュウムが開催され参加しました。会津は初めてです。若手の市長がプラチナ構想ネットワークの理念に賛同して、この実践をしようというその行動をイニシエイトするイベントです。夜は日本フィルの演奏会です!市民が多数参加しています。こうした地域の行動が日本を変えていくのだなと実感しました。
パネルディスカッションで地元の若手経営者と、山中温泉の名門旅館の社長の話が印象に残りました。
まず、地元の若手経営者の話ですが、一度は家業を継ぐ気がなくて東京に出たものの会津に戻り、家業を継いでいるのですが、その話の中で地元企業の即ちファミリー企業の力と地域貢献の形を再認識させられました。それは彼の父親が雇った現在その会社の幹部たちですが、どこにも就職口がなくで、街でグレかけていた人間を雇い、厳しく教育して立派なビジネスパーソンにしてきたといいう下りです。そういう雇用の受け皿は地域に足をつけたファミリー企業の中で、さらに地域に対する社会責任を強く認識している経営者でしかできない事です。これが会津人の神髄だと認識しました。
山中温泉の旅館の経営者、この方はかなりシニアですが改革の精神が凄いです。家は240人宿泊の大温泉旅館を経営していましたが、家業を継ぐことになったとき両親を世界旅行に出してその留守にその旅館を廃業して、新たに20名限定の家族経営の旅館に変えてしまったというのです。旧いビジネスモデルの限界を既に見通していたのです。その後父親との確執があったようですが、名旅館として地位を確立させ成功させて、或る時父親が、「やはりお前の考えが正しかった」といったそうです。この間県会議員として街の振興に時間を使い地域の活性化を成し遂げています。
地域振興、産学官連携、ベンチャー企業という話が多いなか、こうした地域のファミリー企業の果たす役割は凄く重要だと改めて再認識しました。
帰りに、探してやっと会津にしかない「ニシン鉢」を買ってきました。これは海が遠い会津の人たちが身欠きニシンをサンショウと漬けるための鉢ですが、質実な会津の暮らしを偲ばせる民芸品です。
当日のプログラムはhttp://www.platinum-handbook.jp/contents/28
◆生活習慣の改善で一定の効果出ました◆先月紹介した栄養学の関係で、3月に栄養学の知識をアップデートしましたので、それに沿って3月の中旬から食習慣を大幅に刷新してみました。
まず肉類と乳製品という動物性蛋白と動物性油脂をやめました。動物性蛋白質は魚だけです。それも出来るだけ天然魚の丸ごとで。例えばタイとかカサゴを一尾買い、魚屋で三枚に下してもらい、アラももらいます。身は刺身、焼きにして、アラは熱湯で洗ってからネギ、生姜で40分ほどだしをとりフィッシュスープとして頂きます。
後は野菜を凄く大目に料理します。よく食べるのは、ブロッコリー、青菜のお浸し、ニラ炒め、インゲン、アボガドなどです。トッピングにジャコとサクラエビを多用しています。炭水化物は白米、麺、パンを止めて、夕食に玄米ご飯を一膳にしました。基本的に昼食は無しで、食べるときはサラダ一品か、野菜炒めだけです。ウィスコンシン大学のサルほどではありませんがカロリーはかなり落としました。
酒はビール、日本酒、白ワインをやめ赤ワインだけですが、これが意外と多くて0.7-0.8本/日。運動は歩くだけで距離は伸ばしませんが、少し大股で早足にしました。
約1月後に人間ドックの検診を受けましたが、その結果コレステロール、尿酸、肝臓・・すべての主要なすべての数値が改善され基準をクリアしました。血糖値は下がりましたがこれは基準を下回るまでにはいきません。体重も2-3キロ減りました。現在も続けています。
◆頭のよくなるクッキング3◆健康のために色々やっていますが特にお勧めは毎朝の野菜ジュースです。基本は人参一本と、セロリ一本、それにレモン一個のしぼり汁です。たまにはリンゴなど入れます。混ぜませんがゴーヤを絞ってそのまま飲むことも有ります。これをもう30年以上飲んでいますので、ジューサーも5台目です。これまではパナソニックを愛用してきましたが、現在はHUROMの低足圧縮絞りジューサーです。結論、いいですね。
メーカー曰く、「従来のジューサーは、素材を搾るのではなく、高速回転で切り刻む…高速回転の刃が持つ摩擦熱により、ジュースが変質してしまいます。HUROM(LSTS方式/低速回転石臼曳式)ジューサーは、素材を切り刻むのではなく、じっくり搾るので、素材の持つ天然の味と香り、色と栄養素が自然そのままに保存されます。」
最近ヨーグルトは止め豆乳にしました。これは、毎日は作りませんが、MAZUBAの全自動の豆乳メーカーが優れものです。約30分で完成です。凄いのは思い立ったら乾燥大豆でも問題ありません。無論前日から付けた豆でも良いのですが。ともかく、豆と水を入れてスイッチを押すだけで30分後に完成します。濾してそのまま飲んでも良いし、にがりを入れて寄せ豆腐でも、オカラは副産物です。
どんなツールを使っているかという質問が有りますので本月はこの紹介で。http://www.karen-hurom.co.jp/reason/index.htmlhttp://www.kandamusen.co.jp/products/tounyu/howto.html
◆ディジタル書斎の構築9◆ディジタル書斎のコーナーで、純アナログの話です。マニアではありませんが、エンジニアの側面もありますのでオーディオも多少たしなんでいますが、自宅のオーディオシステムは、純ディジタルです。なぜなら、現在の音源はCDを始め全てディジタルですので、それをわざわざアナログに変換して歪を増やし、位相をずらして聞くよりも、ディジタルのまま処理して、最後のスピーカーは仕方ないのでアナログの通常システムでという事で純ディジタルシステムです。
書斎の整理で、旧い懐かしいLPレコードを片付けていながら、これもとってあったアナログ機器のレコードプレイヤー、パナソニックが大昔Technicsのブランドで発売していたリニアトラッキング式プレーヤーもありました。この貴重な純アナログの音源を活かした、純アナログ再生システムを組み上げることにしました。幸い使っていないアナログベースの5チャンネルのパイオニアのアンプもありましたので。あとはスピーカーですがこれは古いのはだめですから新品を買う事にしました。久しく買ってなかったのですが、雑誌やネットで見ているとなぜかイギリスのPMCというモニタースピーカー系のモノが気になりだして結局これを買いました。今年発売ですので最先端の技術に触れたいという気持ちがあったのでしょう。驚くことに20年保証付きです。通常は、スピーカーはコーン紙やフリンジが劣化するのでこんなに長寿命かと驚きました。これを、バイアンピング、即ち高音部と中低音部を別のアンプで駆動、左右計4チャンネルのアナログアンプで駆動することにしました。取り敢えず、手持ちの2本のスピーカーケーブルで、2チャンネルで、今は駆動していますが。
結果?まだチューニングが出来ていないので結論は出せませんが、いい音ですがSACDやDVDオーディオのハイレゾ音源の純ディジタル再生に比べると透明感がなくフワッとしていますね。ただLPレコードのジャケットの写真やデザインが懐かしくてそれから盤を大事に取り出して再生する気持ちは、当時を思い出して楽しくなります。タイムスリップです。
◆書評◆今月のご紹介は、「テクノロジーとイノベーション」W.ブライアン・アンサー(みすず書房 2011)です。
久しぶりにみすず書房の本を読みました。ハイレベルの学術・教養書の出版社で残っていてよかったという感じです。従って骨があり、読み解くにはちょっと根気がいるかもしれませんが、イノベーションを口にしている人は読んでおくべきでしょう。工学的な哲学書です。クリスチャンセンの「イノベーションのジレンマ」も良い本ですが本書の方が知的で、学とは何かを改めて認識させられます。
本書は、テクノロジーの本質は何か、そしてどう進化するのかを追求した書です。その要点は、1.テクノロジーはすべて要素である。2.要素それ自体がテクノロジーである。3.テクノロジーは何らかの現象を利用している、即ちテクノロジーとは自然界をプログラミングしたものだ、とあります。
さらに、個々のテクノロジーは、次世代のテクノロジーの構成要素となり、自己創出しているともあります。テクノロジーの進化、(イノベーション)は適合する部品や機能を頭の中で、あるいは実際に組合せて解決策を導出する作業である、ともあります。テクノロジーの進化の駆動力はニーズ即ち新たな手段への需要であり、ニーズそのものは人間の欲望から、テクノロジーが直面している限界や問題から引き出される、とあります。
本書の最後では、経済はテクノロジーの表現であり、テクノロジーが経済を支配していくとまで言い切っているところは独創でしょう。
では科学とは、「科学とは手法である。理解や調査、説明の方法論なのだ。一つの手法は下位の多くの手法から構成されている。構造をとれば科学はテクノロジーの一形態なのだ」と言い切ってもいます。
さらに、「テクノロジーは科学によって明らかにされた現象を利用して作られ、科学はテクノロジーによって形成され、即ち科学とテクノロジーは共生して共進化する。科学は深く埋もれた現象を見つけ出し、理解するために必要で、テクノロジーは科学を進歩させるのに必要だ。」というテクノロジーと科学の関係を述べています。
関連するテクノロジーのクラスターを「ドメイン」と定義してドメインとは実践法と知識の収集、組み合わせのルール、関連した思考様式、装置や手法を形づくるために抽出されたものであるとしています。そしてテクノロジーはこのドメインの階層構造を持っていますと。
この後に続く設計論も興味深いし、そしてテクノロジーの進化論も面白いです。発明とは何か、「発明とは対象となる目標にとって新しい原理を基にしたものである。原理の変更という点が通常の基本的に最適な組み合わせを追求するエンジニアリングとちがうとあります。本当に興味深い考察が続きますが、あとはお読みください。
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俯瞰 MAIL 016 号( 2012 年4 月 11 日)
◆季節のご挨拶◆新年度が始まって、また一年の活動が始まりました。秋入学の話題ありますが桜満開の入学式はいいですね。駒場の桜満開のあの日を思い出します。毎年桜を見ると走馬灯のようになぜか昔の好い思い出だけが甦ります。
-----------------------------------------------------------------------------・崩落する日本製造業?・自主ゼミ「俯瞰経営学」を今年も本郷で始めます・原発再稼働の議論をもっとオープンに・補助金では産業は育たない・高付加価値という言葉の罠・プラチナ構想ハンドブックのTwitter・ビジネスモデル学会盛況で開催・四足は食べるなとは科学的・頭のよくなるクッキング・デジタル書斎の構築8・書評
: 「アンチエージング」-----------------------------------------------------------------------------
◆崩落する日本製造業?◆「シャープがEMS世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携を決めました。鴻海はシャープに約10%を出資して筆頭株主となり、世界最大のガラス基板を使う堺工場(堺市)で液晶パネルを共同生産する。」というニュースが3月28日にありましたが驚きませんでした。鴻海はAppleの生産で有名です。まだ幾つか、ある日、日経新聞のトップニュースになっていい企業はあります。日本の製造業はずっと前から崩落の日をただ待っているようにも見えます。シャープはその崩落現象の一つでしょう。
Apple になれなかったソニー、現代(ヒュンダイ)に抜かれたホンダ、トヨタもあっけなくGMに首位を奪還されました。三洋の家電はハイヤールに売られ、日本市場攻略の先陣になっています。ITのNECの苦境も連日報道されています。パナソニック?
日本企業はこの10年単なる延命治療で凌いできましたがそれもこれまでという感じです。まさか以前の某IT企業のトップの名言「社員が悪い!」などと言う言葉は出てこないと思いますが、隠しようのない経営者の責任というか、資質の問題だと思います。10年近くトップをやって結果が出ないこと自体、資質の無さの証明です。多くの企業が大幅な若返り人事をしましたが、これも10年遅かったですね。
米マサチューセッツ工科大教授
マイケル・クスマノ氏は3月19日の日経新聞グローバルオピニオンで「世界を見渡して、苦境にあるのは日本企業だけではない。欧州ではスマートフォンで出遅れたノキアの株価が急落、電機の独シーメンスもかつての勢いはない。巨大な内需の恩恵を受けている中国企業も、技術革新の面では立ち遅れている。ただ、日本企業には固有の課題がある。一つは「古い世代」が会社を支配する構造だ。コンセンサス重視の経営のもと、若い世代に与えられる権限は極めて限られている。」と指摘しています。
同じ10年でもIBMのパルミサーノは史上最高益、史上最高値の株価で10年の治世を終えました。同じこの10年のグローバル経済の中でこのギャップです。
◆自主ゼミ「俯瞰経営学」を今年も本郷で始めます◆今年も単位が付かない自主ゼミ「俯瞰経営学」を本郷の技術経営戦略学専攻の学生と4月13日から開催します。単位が付いた現役からは9年目です。自主ゼミは4年目です。
本年度は「日本製造業の新生のモデル」を追求することにしました。多分5人のチームが5つになると思いますので、「Appleになれなかったソニー」、「現代に抜かれたホンダ」「台湾資本のシャープ」、「何を選択したのかNEC」、「どうするリコー」、「生き残れエプソン」を各チームは一つ選んでもらい「苦境の本質」を分析し、それを踏まえて「新生のモデル」を考察してもらう事にしています。ご興味ある方参加しますか?
この自主ゼミは「ヤングライオン」の育成が目的ですが、例年、雌ライオンのほうがたくましいです。
Apple Sonyhttp://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/6ecef1bf42980801bdeb2a168d25b801/http://satoshi.blogs.com/life/2012/03/apple-sony.htmlhttp://d.hatena.ne.jp/hiroLabs/20110514/p1
世界新車販売台数ランキングhttp://4ki4.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/2011-77cc.html
シャープhttp://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120201_509135.htmlhttp://www.youtube.com/watch?v=PJo1QEfO-H8
NEChttp://mainichi.jp/select/biz/news/20120316ddm008020089000c.htmlhttp://www.ricoh.co.jp/about/company/ataglance/financials/index.htmlhttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1693510.html
リコーhttp://www.ullet.com/%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%BChttp://ameblo.jp/mu-ricoh/
エプソンhttp://www.ullet.com/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%B3http://www.epson.jp/osirase/2012/120131_2.htm
◆原発再稼働の議論をもっとオープンに◆全ての原発が運転を停止し、この夏の電力をどうするかいよいよ決断をする時になりました。怒る人がいると思いますが、安全が確認された、絶対的な安全はあり得ません。原発を稼働する決心をする日が来ると思います。この夏の話と、今後は全く別の議論です。無論最大限の節電は大前提です。
シェールガスの開発が進んで化石燃料が、少しゆとりが出てきましたが、今年には間に合いません。旧式の火力発電所も改修と効率化も進んでいるようですがまだ途上です。再生エネルギー、これもこの夏には間に合いません。停電?日本経済が持ちません。ただなし崩し的に原発再開へ意見集約していけば、日本の中に深い亀裂を残すと思います。
総合資源エネルギー調査会は3月27日に原発比率0-35%の5案を提示したようですが、これが決まらないと、今年のことが議論できないでは困ります。大飯原発再開の政府の決断も苦渋の決断でしょうが、結局政府側より電力会社側の方が知識があるわけですから、政治判断しかできません。これはこの夏の決断の話ですから、地元と丁寧な話し合いをしていくだけです。
中長期は時間を掛け、技術的課題、技術革新の可能性、経済性、国際情勢を俯瞰する議論が必要ですから、中長期を今決めるのは拙速にもなると思います。
一方、4月3日の報道ステーションで放映された元東京電力社員の証言の様な電力会社の内部の腐敗構造もこの議論テーブルに載せないと議論の説得力が得られません。九電力体制の刷新こそがこの議論の出口の一つですから。
幸い、先月に比べると地熱発電に関しては進捗がありました。非常識な、国立公園の外からななめ掘り、でなく熱源の上から垂直掘りが可能になったようです。温泉業界が反対?海面埋め立ての時の漁業補償の様な、ドロドロの状況に持ち込むのでしょうか。以前アイスランドのレイキャビックに旅行しましたが、地熱発電所のすぐそばに、湖の様な巨大な温泉が開かれ、素晴らしいリゾートになっていました。発想を前向きに変えていかないと地域経済は発展しませんよ、補償金では。
アイスランドの温泉 ブルーラグーンhttp://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2597173/4083416http://kumasanldn.exblog.jp/2902149
◆補助金では産業は育たない◆独太陽電池メーカー大手のQセルズは4月2日倒産しました。同社は太陽電池ブームを追い風に2008年に世界シェア首位に立ちましたが、中国メーカーなどとの価格競争が激化し、赤字体質に陥ってしまいました。追い風とは政府の補助金です。追い風が無くなると行き詰りました。同じ4月2日日付でカリフォルニア州でメガソーラー開発を手がけるソーラー・トラスト・オブ・アメリカが倒産しました。2011年には、オバマ米政権の「グリーン・ニューディール」政策の象徴だったベンチャー企業の米ソリンドラも破綻しています。ドイツでも、2011年12月にゾロンなど中堅2社が相次ぎ倒産しています。欧米では太陽光発電事業の見直しが進んでいます。(欧米、陰る太陽光発電
2012/4/4付日本経済新聞)
日本でも高値で買い取りという補助金で、再生エネルギーのビジネスが成長していますが、先はドイツや米国と同じになるでしょう。経済合理性のない事業が続くわけがありませんから。筋肉増強剤を飲んで記録を伸ばす運動選手と同じで、あとはボロボロになった身体が残るだけでしょう。
太陽発電のジレンマは、価格が大幅に下がらないと普及しないが、低価格になるとメーカーがもちません。中国の太陽電池のメーカーが世界中に低価格で太陽電池を供給するのは困るのでしょうか。採算割れの価格競争でライバルを潰し、市場を支配した後、利潤を確保する、という古典的な重商主義的資本主義でしょうか。先進国の太陽光発電の買取制度は、中国メーカーへの支援となり、結果は地球全体の低炭素化に貢献するのでしょうか。難しいですね。
問題は10円以下のLNG発電の4倍以上の太陽光発電の買い取りは、差額が電気料金に転嫁され、それでなくても国際競争力のない日本の電気料金を押し上げ、結果は製造業の海外移転を推進し、国内経済の弱体化を推進します。それも20年の買い取り保証を要求しています。20年間高利回りの資金運用をして巨額の利潤を手にする人は誰でしょう。浮利を求めて動いている人達です。これに自治体が協力するのでしょうか?因みに中国も買い取り制度ありますが1元(13円)です。40円で甘やかされる日本の企業は国際競争力無しです。またガラパゴス化の産業育成ですか。
風力発電も補助金即ち「シャブ」が切れて動けなくなったものもあるようです。残されるのは借金です。ただこれらの事実は自分で確認していません。
自治体にこのリスクをとらせたメガソーラーの計画がありますが、最終的な付けは納税者に来ます。過去にも沢山ありましたね。それが自治体の巨額債務として負の遺産になっています。リゾート・・・・自治体の方々には、再生エネルギーの事業計画にはぜひ経済合理性があり、かつ継続可能性のあるビジネスモデルをお願いします。
エコで赤字 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_2967.html
「欧米、陰る太陽光発電」http://www.nikkei.com/access/article/g=96959996889DE6E2E3E7E2EAE5E2E2E6E2E6E0E2E3E09C9CEAE2E2E2
◆高付加価値という言葉の罠◆太陽電池は高付加価値の製造業だったのでしょうか。最近の液晶パネル、プラズマの国内生産の崩壊を見ていると、二つの仮説が湧いてきます。まず高付加価値であるが高コスト生産で、結果として低収益の事業を国内で死守して、中国、韓国、台湾企業の価格競争の攻勢の前に救いようのない赤字に追い込まれ崩落していく日本の電子産業というシーンがあります。もう一つは、先端技術は高付加価値という思込ではという仮説。さらにDRAMやTVパネルが先端技術かという事です。
一方国内生産でも好調な企業の代表は、ファナックとコマツです。失礼ではありますが、いわゆる最先端技術の製造業というイメージではありませんが、高収益です。経済合理性で持続可能なビジネスモデルでしょう。
今、製造業が何を日本に残せるか、残せないか、キチット分析的にビジネスモデルを精査したいと思って研究プロジェクトを立ち上げました。結果をいつかご報告します。共同研究のご希望あればぜひご一緒にしましょう。
低落する日本の技術力http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120324/230212/?mlp&ST=pc
◆プラチナ構想ハンドブックのTwitter◆プラチナ構想ハンドブックのTwitterを立ち上げました。編集局からの情報発信です。適時情報を発信しますので、ぜひフォローしてください。
機会見てご案内しますが、プラチナ構想ハンドブックの編集に参加を希望する方、ご連絡ください。ネットワーク上での編集作業です。内容はキーワードを広いハイパーリンクで解説をつけたり、コンテンツにリンクを張る事です。また、地元の取り組みを紹介する通信員の機能も。これはプラチナ構想ハンドブックのサイトからお願いします。
PlatinumHBプラチナ構想ハンドブックhttp://www.platinum-handbook.jp/
◆ビジネスモデル学会盛況で開催◆ビジネスモデル学会は3月31日124名の参加を得て東大の工学部講堂で盛大に開催されました。テーマは「アジアに展開する日本の生活産業」です。
基調講演は経済産業省の政策局長の石黒憲彦さんで、産業構造の変革を核とした成長戦略で極めて高い水準で組み上げられた戦略で説得力があります。
続いて3件の特別講演ですが、まずアサヒビールホールディングの古田土俊男取締役から、アジアに積極的な事業展開と戦略、そしてその3つのビジネスモデルが提示されました。
次に中国を中心に素晴らしい事業展開をされている資生堂の中国事業部の大亀雅彦さんから現地化を文化のレベルからじっくり浸透させ、中国全土に、見事なブランド戦略に基づいて販売網を構築していったプロセスを伺いました。
さらにアジアビジネスの現場を知り尽くした、「アジアビジネス探究者」の増田辰弘さんから生々しい現地での事業展開の実態と事例を伺い、アジアでの事業の真髄に近づくことができました。
引き続き、会員研究論文の発表が3件ありましたが、いずれも社会人博士の研究論文で極めて水準が高いものでした。これは、MOTの研究に適切な発表と議論の場を作りたいというビジネスモデル学会設立の趣旨に沿うものです。
実況中継的ドキュメンタリー http://dndi.jp/mailmaga/mm/mm120406.htmlビジネスモデル学会は http://www.biz-model.org/
◆ウィスコンシン大学のサル◆周囲の方々に、ビジネス書もいいが、ぜひ栄養学の書籍も一冊は読んだ方がいいですよ、と薦めてきました。私自身は20-30冊読んだでしょうか。問題は、ビジネス書が説く経営戦略や手法と同じで、各自独自の流派を起こして道を説いていて、どれが正しいか、いやどれを取り入れるべきか判断できません。米国はBMI 25以上が人口の68%と世界最悪の肥満国で、その為健康法、主としてダイエット法が花盛りで参考になりますが、真偽が怪しいものも少なくありません。最初に仮説というか思い込みがあって、それに都合のいいデータを集めますので評価しようがありません。ただ、全てに共通している事もあります。
カロリーを減らすと長寿になる、動物性の油脂は体に悪い、マーガリンは食べてはいけない、砂糖は毒だ、精製した穀物ではなく全粒粉を取る事、動物性蛋白でなく植物性蛋白を取る事、野菜を沢山、取分け緑黄野菜を取る事、塩を減らす事、です。
カロリーを減らすと老化が抑えられる事は昔から知られていたようですが、テレビで放映された、米国ウィスコンシン大学の研究結果は衝撃的です。下記のYouTubeで。一見の価値あります。腹7分!!
栄養学でこれまで困惑していた事は、幾つかの信頼できる書籍に乳製品は体に良くないから控えるようにとありましたが、はっきり根拠が示されていませんでした。何しろ牛乳で人間の子供を育てていますし、子供のころから卵と並んで優良食品の筆頭にされてきましたから。コーネル大学名誉教授の栄養学者T.キャンベル博士は、動物性蛋白は癌の成長を促進する、と学術的な研究成果を示され、その実験の動物性蛋白は牛乳の蛋白「カゼイン」であったという事に非常に衝撃を受けました。そして、長年健康に良いと信じてきた、朝のヨーグルトは止めました。動物性脂肪、動物性蛋白と癌の関係も学術研究が多くありました。乳がんと動物性脂肪摂取量の相関係数は0.8-0.9です!
「すべての癌は、遺伝子によるものはわずか2-3%に過ぎない」と言明されています。あとは食生活と運動という生活習慣です。博士の China Study参考になります。
乳製品なし、動物性脂肪なし、動物性蛋白は控える、これからどんな料理を作るべきか、頭がよくなるクッキングの新生を図ります。取り敢えず豆乳の手作りを始めました。出来立ての温かい豆乳は美味しいですよ。今後は禅宗の精進料理が参考になりそうです。
世界の肥満ランキング http://tg.tripadvisor.jp/overweight/サルの実験 http://www.youtube.com/watch?v=ffFpXPCC7lk&feature=related牛乳の蛋白カゼインが癌を成長させるhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9362383上記の本論文は俯瞰工学研究所のHPに置いておきます。
乳がんと脂肪摂取量の相関http://www.garfield.library.upenn.edu/classics1987/A1987F496200001.pdfChina Studyhttp://webarchive.human.cornell.edu/chinaproject/index.html
◆頭のよくなるクッキング2◆というわけで近所の図書館、実は蔦屋のTサイトを利用しています、で健康、食、料理の部屋に行ってみました。因みにTサイトは、週末は縁日状態で人があふれています。意外と動物性脂肪と癌の関係などの本が見つかりません。食と料理の本は山のようにあります。長寿食の本もいっぱいですが、やはりxxx流(式)の解説書が多いですね。
見ると野菜料理の本は、たくさん平積みです。時代は、賢い人々は、既に動いているのでしょう。いろいろ見て直感で下記の本を選び出し、立ち読みもできませんので購入してきました。全て目を通しましたが、いずれも良いですよ。
1.「やさい流」有元葉子、ウー・ウェン、島崎とみ子、高梨尚之、岩月明、菊池美升朝日新聞の土曜版連載のMOOKで、いずれも料理の達人です。永平寺精進料理の高梨尚之さんのレシピは特に興味深いです。
2.「ウー・ウェンのおいしい野菜」ウー・ウェン 朝日出版社中華料理ですが日本料理の神髄を取り入れたレシピで、以前からファンです。鍋も考案していて「ウー・ウェンの中華鍋」は愛用しています。炒める、焼く、茹でる、煮る、蒸す、燻蒸なんでもこれ一つで出来ます。IH対応でテフロン加工ですので、我が家で一番出番が多い鍋です。
3.「野菜料理の365日」 宮本しばに 旭屋出版長野の山荘で長く暮らしている方で、本に挿入されたご自宅と思しき写真にきっと心惹かれるでしょう。豆腐料理は素晴らしです。乳製品は所々使っています。
4.「内田悟の野菜塾(春夏)」内田悟 メディアファクトリー内田さんは料理のGeekですね。ものすごいこだわりですが、新鮮でクリエイティブな記述が満載です。一度お会いして、お話を伺いたいと思います。これは「頭がよくなるクッキング」の教科書になります!Tサイト http://tsite.jp/daikanyama/
◆デジタル書斎の構築8◆情報の収集の手段について。既に情報源として日経新聞の電子版が有効ですとお勧めしましたが、これは記事のスクラップが直ぐできる事が一番のポイントでした。その方法は幾つかあります。電子版にある保存機能を使っても良いのですが、問題は日経新聞のクラウドに保存され手元に残りません。さらに困ることは、パソコンで保存した記事とiPadで保存した記事がなんと別に保存されていて、iPadで保存した記事がパソコンで見えません!もしかしたらできるのかもしれませんが。いずれにしてスクラップ記事は何かの時に参照したいのですが、思い出して日経新聞のサイトにアクセスするのも大変です。
お奨めは、これも既にお奨めしたEvernoteのクリップ機能を利用する事です。なにが凄いかというと、Google検索をしたとき、Evernote中まで検索してくれますので、情報(宝)の持ち腐れが防げるからです。ただ画面には広告が多くただページをクリップすると余分な広告もクリップしてしまいます。EvernoteにはClearlyというツールが用意されていて、記事だけを抜き出してくれます。これをクリップすると、きれいな記事だけのスクラップになります。ClearlyはEvernoteのサイトからダウンロードできます。
◆書評◆今月のご紹介は、「ヘルシーエイジング」アンドルー・ワイル(角川書店2006)です。
著者のアンドルー・ワイルは統合医療の専門家です。統合医療とは西洋近代と補完代替医療、即ち漢方や食事療法を組合わせた全身医療です。ともかく圧倒的な知識を俯瞰した、解り易く納得できる解説ですから、改めて自分の生活習慣を反省することになるでしょう。
本書は2部構成で、第1部は老化という現象の解説で、第2部はその老化現象を緩和するアドバイスです。既に60歳を超えたシニア、そしてその前の壮年の方にも一読の価値はあります。取り分け第2部はヘルシーエイジングを可能にする、食の科学として重要な知識です。早く始めるほど良いことですから。今なら間に合う?
秦の始皇帝で有名な不老不死からはじまります。細胞レベルの研究から人間の寿命は細胞分裂が約50回というヘイフリックの限界を紹介されていまが、無限に分裂できるヒーラ細胞という話に繋がり、その研究からテロメラーゼというDNA上の染色体の発見になります。これがヒーラ細胞の不死を可能にしているのです。潜在的に人間細胞の中にある不死の細胞をいかに制御し管理するかです。
「細胞の生活は、DNAを損傷する力と、修復する力の戦いだ」とありさらに「環境の厳しさ、DNAにエラーをさせる力の多様性を考慮すると、人間が現在の寿命まで生きていること自体が驚異だ」ともあります。現代医学は、健康は維持できないが寿命は伸ばすという事態にまでなっているといいます。
何よりも「不老不死を求めるの?」という問いかけが重いですね。細胞にとって不死と癌は同一です。さらに「死という脱出口を塞がれ苦痛の中に幽閉されたいのですか」とあります。本書の冒頭にあるレナード・ヘイフリックの「森羅万象は老化する」が不老不死への答えでした。
長寿については、よくコーカサスなどの長寿村の話があり、自家製の果物、野菜、肉そしてヨーグルトがその秘密という事になりますが、実はこれは風説で、その何れの村も信頼できる戸籍がないという事ですので、ヨーグルトをきっぱり止められます。確かに長寿村と言われている村では、生涯を通じた農牧の作業という運動と、社会関係、知的活動の継続が共通する特徴で、著者が高く評価している沖縄の長寿とも共通しています。
ジョージア大学の研究も凄いです。百歳を超える長寿者に「典型」はなく全て例外であると、さらに特定の食事、サプリメント、薬物などが100歳以上に貢献している事を裏付けるデータはないとありますので、この後の話に繋ぎづらいですね。
著者はそのあと沖縄のゴーヤ、ウコンは評価しています。何より長寿者を「地域の生きた宝」として社会活動に参加させる社会を評価しています。
アンチエイジングの医学については現在のところ存在しないという立場です。そしてアンチエイジングの医学を標榜している人々は、「加齢に伴う疾患と加齢というプロセスを区別出来ていない」という事です。
温血動物の寿命を延ばす唯一の方法は「適切な栄養によるカロリー制限」という摂取カロリーの制限だけだそうです。これは既に紹介した、ウィスコンシン大学のサルの実験で納得済みです。見ましたか、あの皺がなく元気な老猿を。ただこれも人間にあてはまるかはまだわかっていないといいます。このサルの実験ではレスペラトロールというブドウの皮に生じる抗酸化物質が注目され、不老の遺伝子を活性化するとして、既にサプリメントして日本でも販売されています。最近、私は買いました。まだ結果は感じていませんが出ればご報告します。
介護に頼らず自立した生活をおくれる期間を、健康寿命というそうです。日本は76歳で世界一です。スイス75歳、イタリア74歳、アイスランド74歳が続きます。韓国は71歳で24位、アメリカは70歳で26位、中国は66歳で39位です。(今どき 健康学2012/4/8付日本経済新聞朝刊)
老化を伸ばした超高齢化社会の社会・政治に関する問題が気になるともあります、この懸念に対する答えの一つが、今推進しているプラチナ社会構想に共通する認識です。
この後「人はなぜ老いるのか」、「老いを拒絶する心」、「老いの真価」とさらに深い考察が続きますが、老化を抑えるアドバイスの第2部に行きましょう。
まず体重、血圧、心電図・・の管理をせよですが、日本には人間ドックというとても良い制度がありますのでこれは使いましょう。
第1部では、加齢に伴うプロセスは、蛋白質と糖質の結合によるカラメル化、細胞中のリポフスシンの蓄積、酸化ストレスの毒性作用ですが、なぜこれが起こるかは不明とのことです。以下はこれを起こさないようにする「摂取食物中の物質」のコントロールについてのアドバイスです。
即ち身体を傷める細胞の炎症を防ぐために、炎症を促進する悪い脂質、糖化という老化メカニズムを進める悪い脂質、炭水化物の解説があります。そしてサプリメント、運動のアドバイスが続きます。早く結論を言って下さい?
以下に簡単にまとめておきましょう。でも読んで何故か、を理解したほうが長生きするでしょうね。まず油脂にはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸という2種類の多不飽和脂肪酸があり適切な割合で摂取する必要があります。炎症を抑えるオメガ3脂肪酸は摂取が少ないのでこれを増やすやす必要があります。まず種子(クルミ、亜麻、麻の実)、植物油(大豆、キャノーラ)、海草、魚(サケ、イワシ、ニシン、サバ、ギンダラ、ムツ)です。
食べてはいけない油は、菓子に使われるショートニング、マーガリン(絶対食べてはいけない)、酸化しているファーストフードの揚げ物です。紅花油、ひまわり油、コーン油、ごま油、大豆油は、オレイン酸入り以外は控える事。今市販されている大手のものはオレイン酸が含まれているも製品が多いと思います。むしろ自然食品の店の製品のほうが含まれていないかもしれません。さらに高温にした油、したがって天ぷら・フライの後の油は捨てる!お勧めはエキストラバージンのオリーブ油です。
次に炭水化物はグリセミック指数の小さいもの即ち、ゆっくり糖として吸収されるものをとる事です。従って摂ってはいけないモノは、砂糖、特に白砂糖、パン、ポテト、菓子、ケーキ、スナック、白米(うどん、ソーメンは粉食のため白米より悪い)・・・・を取らず、全粒の穀物、例えば玄米、豆類、そして野菜、果物(熱帯性よりも温帯性のベリー類、チェリー類、リンゴ、ナシ・・・)をとる事です。
蛋白質については動物性蛋白を避け、肉より魚、魚は食物連鎖の上を避ける事と、底魚を避け、PCB、ダイオキシン等の毒物を摂取しない、出来るだけ植物性蛋白にする、即ち大豆、豆類をとる、です。何しろ既に紹介したように、牛乳の蛋白はがん細胞を活性化しますし、動物性油脂は乳がんとの相関係数が0.8-0.9ですから。(◆ウィスコンシン大学◆参照)
微量栄養素をとるために、もっとたくさんの果物と野菜をとる事、アントシアニン、カロテノイドをすくむ赤、紫の果物です。ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、さくらんぼ、ブドウ、ザクロ、赤キャベツ、ビート・・。ここでホットしますね、赤ブドウ即ち赤ワイン飲んでいいようです!日本にはもっと多様な果物がありますのでこれ以外の果物もいいでしょう。野菜は全ていいのですが、カテロイドをとるのに、ほうれん草、トマト、カボチャ、サツマイモ、人参と緑黄野菜ですね。チョコレートも砂糖なしのダークチョコレートは許されるようです。あと白茶、緑茶、ウーロン茶もポリフェノールの供給源です。
最後にウコンと生姜のクルクミンは抗消炎作用があるのでもっと料理に使った方がいいと言ってますから、生姜を入れたカレーは如何ですか。ただ白米ライスは悪いのでつけ合わせるなら玄米ご飯か、全粒粉のパスタとの組み合わせですか?だんだん私の助言になりつつあります。私はもう30年くらい毎朝野菜ジュースを絞って飲んでいます。基本は人参1本、セロリ1本、レモン1個です。キャベツやリンゴを入れることも有ります。夏はゴーヤの種を取ってジュースにして時々飲みます。苦い?我が家ではこの味を「滋味深い」という言葉で表現しています。これはやってきてよかったと思います。効果は実感しています。
サプリメントにつても貴重な助言があります。飲むなら、飲まないなら、いずれにしても一読の価値あります。私は長年愛用しています、量的に野菜から取りきれませんから。ただその中でも良いサプリメントと、でないモノの解説があります。
この後は運動やストレッチという体を動かす習慣について書いてあります。最後の最後は、極めて常識的に、明るく楽しく暮らししてストレスから逃れ、穏やかな心理状態で暮らすのが大切といっています。
最後まで読むと統合医療という事が理解できたように思います。ではお元気で!
======================================◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更右記まで webmaster@fukan.jp……………………………………………………………………………………………………◆俯瞰 MAIL 0016号(2012年4月11日)発行元:
一般社団法人 俯瞰工学研究所発行責任者:松島克守URL:http://fukan.jp======================================
俯瞰 MAIL 015 号( 2012 年3 月 11 日)
◆季節のご挨拶◆さすが3月ですね。寒気も緩みました。鉢植えのブーゲンビリヤは冬の間、小さな芽だけ出してずっと様子を覗っていましたが、動きだします。植物のどこに温度センサーが組み込まれているのでしょうか。ずっと昔、カポックの葉にセンサーをつけ、ライターで炙ると悲鳴が聞こえるという実験をしている先生がいましたが。年度末、そして新年度とこれは正月を迎えるような気分です。-----------------------------------------------------------------------------・知的クラスター10年の総括・イノベーションのプラットフォーム・エネルギー輸入が急増、貿易収支赤字!・エルピーダの倒産・日本製造業のパラダイムシフト・棲み分けと領空侵犯・今年は世界中政権交代ですが日本は?・プーチン当選と北方領土・クリエイティブ・クラスが集まる二子玉川に・ビジネスモデル学会春季大会開催迫る!・頭のよくなるクッキング・デジタル書斎の構築7・書評
: 「サイゴンから来た妻と娘」「サイゴンの一番長い日」-----------------------------------------------------------------------------
◆知的クラスター10年の総括◆浜松の知的テククラスター事業、長野県の知的クラスター事業の二つに関わってきましたが、何れも5年2期10年が終わり、その総括の会議に出席しました。直接関わったのは約5年ですが、一つの区切りを感じさせました。
楽器・電子そしてオートバイ、自動車で高度成長を成し遂げた浜松地域も次の中核産業としてオプトロニクスすなわち光学とエレクトロニクスの融合で新産業の創出を図っています。月1回の研究会を10年続けるとか、傍目で見ても関係者がものすごい努力をされて来たと思います。結果、まだまだ課題と伸び代は残っていますがイメージング機器クラスターに成長して行くでしょう。
長野県は信州大学の遠藤守信教授のカーボンナノチューブ研究から始まり第2期では連携を広げてナノテクノロジーを核とした製品の開発に注力しています。これも様々な製品が開発され、商品化の道を拓きつつあります。カーボンナノチューブについては安全性についても高水準の研究がされて来ました。ここでも関係者の方々のものすごい熱意と決心を感じます。
途中、「仕分け」というある意味ノイズも入りましたが両地域ともそれをいい意味の刺激と受け止めて前進したと思います。
大学の研究成果を10年掛けて産業化するという知的クラスタープログラムでしたが、率直に言ってまだ対岸の産業には届いていません。いくつかの仮橋が掛ったといっても、その間に川があり対岸に届かない技術があります。そして、この川、一般には「死の谷」とか言われています、このプログラムでは谷より川くらいの感じですが、会議の報告を聞きながら、これはいったい何だろうと考え始めました。先端的な知識を磨いて行くだけでは産業になって行かないのです。これは他の多くの地域の産官学連携のプロジェクトに関わっての認識です。個別の技術を磨く以上に、イノベーションのプラットフォームの構築が重要だと結論しています。http://www.optronics-cluster.jp/http://www.tech.or.jp/cluster/
◆イノベーションのプラットフォーム◆個別の先端技術は魅力的でわくわくさせます。研究者、技術者はこの磨きに夢中になります。これは問題ありません。イノベーションや新産業創出のプロデューサーの仕事はこれとは別の仕事です。イノベーションのプラットフォームを構築することが本質的な仕事です。産官学連携のプロジェクトは、それまで連携出来ていなかった、研究者と新規事業のシーズを求めていた企業そして、地域経済再生の政策担当者の出会いの場を作り、ルツボ化して合金を作る機能を実現してきたと思います。紹介した知的クラスターはまさにこれでした。地域の連携組織、地域を超えた連携のネットワークもできました。製品のプロトタイプも出来ました。それでも産業やビジネスになかなかなりません。
ビジネスイノベーションを起こすには、イノベーションのプラットフォームが必要です。個別の技術開発プロジェクトはこのプラットフォームの上でビジネスになるのです。そのプラットフォームの一つの機能が技術移転のためのルツボ化の機能です。これに加え、起業のスペース、資金供給、税制支援、知財管理、マーケッティング、人材育成、安全試験、生産技術、サービス開発、そして、必要な才能を短時間に集めることが出来る集積、快適で楽しい街、多様性を受け入れる地域文化、安全安心の生活インフラ、小中高の優れた教育システム・・・これらが構造化されている地域の代表例がシリコンバレーでしょう。プラットフォームのデザインがいま私が最も興味を持っている研究テーマで、同志を集め研究プロジェクトを起こしたいと思っています。
既に最初の行動として、浜松の新技術や知識を世界のニーズとマッチングするサイトを開設しました。次に、日本の「才能」を集めてビジネスイノベーションとマッチングするサイトを開設しようと計画しています。また経緯をご報告します。http://www.technonet-japan.info/
◆エネルギー輸入が急増、貿易収支赤字!◆財務省から1月25日に発表された貿易収支の速報では、昨年はエネルギー、原材料で対前年比約8兆円の輸入増で、震災とタイの洪水の影響か、自動車と半導体を中心に約2兆円の輸出減です。貿易収支は約2兆円の赤字になり、市場は円安に振れました。市場は深刻な状況だとみていると云う事です。円安で輸出企業は採算でホットでしょうが、原材料・エネルギー輸入は円安の分だけ割高になります。さらに製造業は海外生産を推進します。原発再開の是非ではなく、エネルギー問題について本質的な議論を国民レベルで議論しなくてはいけません。
政府内部でもエネルギーの「ベストミックックス」の議論をしているようです。原発の可否だけを議論する「市民活動」的ではなく、国民も感情的ではなく俯瞰的な認識に立って議論に参加し、そして来るべき選挙に備えるべきです。政府内の議論のキーパーソンは、枝野通産相、細野原発相、古川戦略相です。口を出す政治家は他にもあるでしょう。
現実解、それを国民が受け入れないと、どうしようもない政局専門家と技術専門家、感情的な市民活動家の迷走を許します。http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120308/229612/?P=2
◆エルピーダの倒産◆日本の半導体産業の最終的な集約の企業であるエルピーダが倒産しました。時代に同期できない企業の末路でしょうか。10年ほど前、半導体業界は、国家プロジェクトの「アスカ」と「ミライ」をやって再生を図りました。企業側がどうのように受け止めたかは疑念が残りますが、確か微細加工を進め集積度を上げるのが基本だったと思います。おせっかいにも、日比谷の富国生命ビルにあった、プロジェクトオフィスを訪ねました。説明を聞いた後、失礼にも「これでは日本の半導体産業に明日も未来もありませんね」と申し上げますと「そうですね」と清清しい答えでした。ここに日本の文化の弱さがあります。革新的な方向転換を指導するリーダーシップがありません。漠然とは言いませんが過去の成功線上に目標を設定して何とか頑張るというのが悪しき日本文化ではないでしょうか。そして建前の本音の乖離。
アメリカでは1社が生き延びていいますから、日本では生き残れないというなら何が差違でしょうか。産業人の意識のイノベーションが必要だったのでしょう。
◆日本製造業のパラダイムシフト◆「アップルとIBM 米IT、2つの復活劇 日本に欠ける産業蘇生力2012/3/9付日本経済新聞 朝刊」の記事がありました。
「創業100年を迎えたハイテク界の古豪、IBMだ。同社の株価は今月初め、創業以来初めて200ドル(株式分割調整ベース)の大台を突破し、米株式相場全体のリード役に躍り出た。同じく一昨年に創業100周年を迎えた日立製作所とIBMの売上高はほぼ同水準だが、収益力の圧倒的な格差を反映し、株式時価総額は日立の2.1兆円に対し、IBMは18兆円強と10倍近い開きがある。」
先日は東洋経済に「アップルになれなかったSONY」の特集がありました。両社は必至で再生の努力をされていますが少なくともこれまでは経営戦略とその実装に間違いがあったということでしょうか。過去10年の経営革新の日米の差違です。
パナソニック、シャープも記録的な赤字で再生を期していますが、自動車の運転に例えると、日本の製造業は急カーブが続いたこの10年間、ハンドル操作が間に合わずガードレールにぶつかり、あるいは脱輪状態、そして谷底転落の様相です。明らかにビジネスモデルのパラダイムシフトができていません。
ソニー、パナソニック、シャープ、そして他の電機企業たとえばエプソン、リコーも、これまでのビジネスモデルは、 先端技術→高機能製品→高付加価値→ブランド・収益でしたが、「アップルの時代」は、 時代感覚→商品企画→顧客価値→ブランド・収益というビジネスモデルにパラダイムシフトしています。IBMの復活もこのモデルで理解できます。このビジネスイノベーションをリードしたのは、ジョブスとパルミサーノのリーダーシップです。経営者の育成プロセスと選考プロセスに、日本も得意の改善をする必要がありますね。http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819696E2EAE29D908DE2EAE2E1E0E2E3E09C9CEAE2E2E2;bm=96958A9C93819691E2EAE2E2E78DE2EAE2E1E0E2E3E09C9CEAE2E2E2http://business.nikkeibp.co.jp/article/nb100/20110921/222740/
◆棲み分けと領空侵犯◆日本文化についてもう一つ。日本人は「棲み分け」に腐心します。狭い土地で限られた水利の稲作では重要な文化であって、これが日本人に染み込んでいるのは解ります。今日的には九電力体制が好例です。この「棲み分け」は強力な現状維持勢力になります。経団連がこの好例で、会長の東電応援の言動がその象徴でしょう。上記の日本製造業の凋落も社内の棲み分け文化の影響があると思います。ソニーでも内部で棲み分け出来ず、はみ出たSCEがゲームという新規分野を拓きました。
既に、産業の境界はずっと以前から消滅しています。いわゆるIT業界とネット業界、広告業界とネット業界そして、小売業と製造業、グローバリゼーションで経済の国境も消えています、いま電気自動車で自動車業界と電機業界の境界消えていますがまだ従来の系列でモノ作りに拘泥していると、新興国に抜かれるでしょう。境界は消滅しているのに、自分で勝手に境界を意識して棲み分けるのが日本人です。さらに奥ゆかしく少し引いて。結果はガラパゴス化で産業の凋落です。スマフォやタッチパネルは典型です。
各々が少しずつ引くと隙間が広がります。その隙間に重要なモノが、コトが落ちていませんか。たとえば、今もっと盛り上がっていいはずの地熱発電の議論、これ経済産業省と環境省の隙間に落ちているように思います。
日本を、日本企業を変革していくためには消滅した境界を大事にするのではなく、もっと領空侵犯を恐れないことではないでしょう。領空侵犯で互いに遭遇した時にイノベーションが生まれ、市場で強いものが残るのでしょう。そうしないと何も変わりません。ベンチャー企業が好いのは初めから境界がないことですが、ベンチャー企業の力には限界があります。やはり日本株式会社のメジャープレイヤーが、IBMやGEのように新生していかない日本は「経済強国」になれません。「経済大国」は最終的には人口ですから中国、インドが有利ですから日本が目指すものは「経済強国」です。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2748.htmlhttp://www.geocities.co.jp/NatureLand/4270/imanishi/segregation.htm
◆今年は世界中政権交代ですが日本は?◆永田町の混迷はさらに混沌の度を増していますが、もとはと言えば国民が選択した結果です。前が酷かったので、希望を託したのでしょうがあまりにも期待外れです。この仕分けは、国民がするしかありません。現在の政党をスクラッチにして、正論革新党と保守現状党に分かれてもらい再度選挙で決めるしかありませんが、そのリーダーも思いつかないのでやりきれない思いです。それにしても急がないといけません。財政改革もTPPも先延ばししても自然に解決する問題ではなく、むしろ悪化するだけですから。TPPで農業が崩壊するという議論がありますが、すでに崩壊する部分は崩壊しているのが現状だと思います。そして現状維持が、やる気のある人の足を引っ張っているように見えます。TPPは開国という大人の気持にならないといけません。国民がもっと政治の議論をして大人にならないといけないです。今、大人の議論が急がれるのは北方領土問題です。
◆プーチン当選と北方領土◆プーチンが大統領に就任しました。なんといきなり北方領土問題を切り出してきました。日本と経済協力で製造業、取分け自動車産業を興したいと思っていると思います。郷里のサンクトの自動車産業も始まったばかりです。ウラジオストックの自動車生産も動き出しました。日本海沿岸の自動車部品企業には大きなチャンスです。韓国の慶州は現代自動車の拠点です。競争ですね。
ここで問題は、プーチンは、昔ソ連が約束した歯舞、色丹2島の返還であって、4島返還ではないと思いますが、日本は勝手に4島返還の交渉ができると勘違いしていると混乱します。2島返還のロシアと4島返還の日本で並行していては決着できません。3島、あるいは3.5島返還を受け入れる大人の議論ができるかが課題です。または潜在主権を認めさせたうえで一定期間の部分的な利用権など、というと怒られるでしょうが、ドイツはオーデル・ナイセの新国境を苦渋の選択で承認した歴史もあります。しかし、ベルリンの壁の崩壊と時を同じくして素早い対応でコール首相は東ドイツの回復をゴルバチョフと決着し、歴史を作りました。そして今や大統領も首相も東ドイツの出身者ですね。
この時が北方4島回復の絶好の機会でしたが、時の橋本首相は何も出来ませんでした。それにつけても歴代のドイツの首相やはり凄いです、羨ましいほどです。こうしてみると核の密約で沖縄返還した佐藤首相、アメリカの承諾なしに日中国交回復をした田中首相も再評価されるべきでしょうか。田中首相は後である意味で仕返しをされた気もしますが、そして小沢さんも?
昨年サンクトペレルスブルグに行った時、かなり親日的で、インテリの人が「日本人は第2次世界大戦の結果を受け入れるべきだ」と言っていました。これがロシア人のふつうの感覚でしょう。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%BB%E7%B7%9A
◆クリエイティブ・クラスが集まる二子玉川に◆このメルマガの13号の書評で紹介した「クリエイティブ都市論」のリチャード・フロリダのキーワードは「クリエイティブ・クラス」です。リチャード・フロリダは、クリエイティブ・クラスと定義づけた職業の人々が経済成長の原動力であり、彼らは住み心地のよい都市に集積し、その都市は成長するとしています。そのクリエイティブ・クラスの職業は、スーパークリエイティブ・コアと呼ばれる、芸術家、デザイナー、メディア人、科学者、工学者、教育者、コンピュータ・プログラマー、研究者。と、クリエイティブ・プロフェッショナルと定義される専門家職業層からなります。米国では前者が職業人の約12%で、クリエイティブ・クラス全体で約3000万人としています。ちなみにクリエイティブ・クラス以外は、ワーキング・クラスと定義されています。ラスベガスのホテルなどで働く、単純なサービス従事者はサービス・クラスです。
この定義に沿って、日本のクリエイティブ・クラスの数を国勢調査のデータで拾ってみました。
まず全就業者数 61,530,202です。その内クリエイティブ・クラスとおぼしき職業の人口は、芸術家・クリエーター 584,275、専門的・技術的職業 8,541,93です。この850万人中でクリエイティブ・クラスと思しき職業人人口を拾うと、科学者148,460、技術者2,140,612、保健医療 医師251,108 歯科医師90,885、法曹 21,808、弁理士・司法書士21,252、会計士・税理士71,540、大学教員171,662、管理的公務員75,437、会社・団体役員1,098,255以上合計4,091,019 です。
したがって芸術家・クリエーターの58万人と専門的技術者の中のクリエイティブ・クラスとされる400万人を足すと日本のクリエイティブ・クラスは約460万人で全就業者数6100万人の7.5%となり、米国の12%より落ちますね。絶対数も少ないですね。この数が国家間競争になるでしょう。
ただ、この芸術家・クリエイターは、ほとんど東京、神奈川、埼玉、千葉に集中しています。つぎは京都です。
二子玉川の再開発地区の新築マンション約1000戸の住人はほとんどクリエイティブ・クラスだと思います。周辺の世田谷区は東京で最もクリエイティブ・クラスが集積していると思われます。これからは日本の成長を担うクリエイティブ・クラス、特に芸術家・クリエーターは各地域の奪い合いになります。ですから、二子玉川の街をクリエイティブ・コアにとって棲みたい街にするのがクリエイティブ・シティ・コンソーシアムの活動目標です。これから完成するオフィスビルにクリエイティブ産業の企業がどれだけ集積するかが勝負です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9
◆ビジネスモデル学会春季大会開催迫る!◆ビジネスモデル学会春季大会が東大本郷キャンパス工学部2号館で3月31日開催されます。大会テーマは「生活産業のアジア展開」です。製造業のアジア展開は広く認識され、また今回タイの洪水で厳しい損害を出したこともまだ記憶に新しいのですが、生活産業のアジア展開も凄い勢いで進んでいます。自動車産業や電子機器のアジア展開はそこに雇用を生み、その人たちが膨大な生活者としての需要を生んでいます。今その生活産業の需要を刈り取りに行くフェーズになりました。海外生産の受け皿としてアジアを考えている人は時代と同期できていません。コンビニ各社のアジア出店計画は凄いですね!これは歴史的なひとコマです。
基調講演者は経済産業省経済産業政策局長 石黒氏に、特別講演者はアサヒグループホールディ ングス 古田土取締役、資生堂中国事業部マーケティング開発部
大亀部長です。わが国の生活産業のアジア展開に関するマクロ的な動向やリーダー企業の知られざる物語、及びビジネスモデルを考える上でのヒントは、きっと参加者のご期待に応えます。スケジュールに書き込みましょう。この1日で半年分の知識が得られます!もしかしたら新しいキャリアも。そして脳のコンテンツのバージョンアップが出来ます。いつも最新のソフトでコンピュータ(脳)使っていますか。
5月末に予定されている、ミャンマー視察団の企画もお見逃しなく!貴重な機会です。http://www.biz-model.org/
◆頭のよくなるクッキング◆30年ほどまえ、「頭が良くなるクッキング」という話をしていました。PDCサイクルを数多く回す事で頭の回転能力が強化されます。料理は個人で出来て、かつ2-4時間でPDCが回せるし、健康に良い食材はさらにそれを補強するという理屈でした。以後30年料理は趣味になり、料理に没頭する時間がリフレッシュとストレスリリーフの時間になりました。という話で下記のURLのブログ書いています。
今回はLekueのスチームロースターという道具の話です。シリコンで出来た不思議なクッキングツールです。詳細は下記のURLで見てください。スペインの企業ですがシリコンの面白いキッチンツールを発売しています。スチームケースは独創的です。中に材料と調味料を入れて電子レンジで数分、おいしい焼きと蒸しの中間的な料理が出来上がり。時間も手間も後片付けも簡単です。炒め物といった方がいいでしょうか。形もユニークです。お勧めは「野菜炒め」です。野菜を切って、ボウルの様なその容器に入れ、サラダオイル、塩コショウ、顆粒のスープの素、水100CCほど入れて混ぜ合わし、口を閉じて、もやしなどの場合は2分くらい、芽キャベツなどは8分くらい電子レンジで加熱、これで野菜炒め完成です。このツールの使い方を考える時が、「頭がよくなる」時間でしょうか。料理が好きな方はぜひブログにフィードバックください。http://www.proffukan.com/http://www.lekue.jp/http://www.lekue.jp/57/newstopics
◆デジタル書斎の構築7◆情報収集の次の段階は、情報の分析ですが、これは訓練が必要なプロセスです。統計分析、キーワード分析、ネットワーク分析・・・いずれもツールとそれを使いこなすスキルが必要です。それ以前に重要なことは、問題意識の視点です。収集の段階でも重要と言いましたが。此の視点があれば分析は人に頼めますから。といっても何も出来ないのも可笑しいですね。数値データはExcelが使えればかなり高度な分析が出来ます。ブレインワーカーを自認する、または目指す人はExcelのスキルを磨くべきです。殆どの分析は出来ますから。
とりあえず経済データの収集と分析が1か所で出来るサイトを今回は紹介しておきます。ここではデータのグラフ化がすぐできますので、分析の視点があれば極めて有用です。例えば中国とインドの一人当たりのGDPの推移の比較などすぐできます。Excelを知っていればあまり使えなくて使いえます。http://ecodb.net/
◆書評◆今月のご紹介は、「サイゴンから来た妻と娘」(文春文庫1981)、「サイゴンの一番長い日」(1985)近藤紘一 (文春文庫1985)です。
本書はベトナム戦争末期にサンケイ新聞サイゴン特派員だった近藤紘一氏のエッセイというか日記というかそんな本で、これまでの書評で取り上げた本と少し毛色が変わっています。なぜ読むことになったか定かでないのですが、アマゾンのカートの中になぜか入っていました。どこかの雑誌か書評にあったのでしょう。前書は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。面白く読みました。
記述によれば大家とのトラブルで、殆ど偶然というか行き掛りで、サイゴンの下町の年齢不詳で元女番長の「妻」のところに転げ込んで結果として結婚することになり、その「妻」には娘がいたという話です。結婚の動機としては最初会った時『ダリアのような笑顔』が印象的だったそうです。クーラーのある部屋は「妻」部屋だけですから。
文体が洒落ているわけではありませんが、柔らかで優しく、力みがなくかつビビッドで、映画フィルムを見ているような錯覚に陥ります。多分、私が若い時に見たベトナム戦争の映像が頭に残っているのでしょう。文体は著者の彼の人柄を感じさせます。これは私の知っている幾人かの産経新聞の記者に共通した感じで、多分この新聞社の空気を反映しているのでしょうか。ほかの新聞社が特に硬いとは言いませんが。
この本で興味深いのは、1975年4月30日のサイゴン陥落直前の、サイゴンの混沌と混乱の街の情景の描写です。戦争中でありながら庶民はすっかり戦争と共生状態にあります。またサイゴンの生活はある意味豊か、特に食生活は、自然とも共生していることです。
私はサイゴンに1995年に初めて行きましたが本当に、人も道路も家も屋台のような店も、ぐちゃぐちゃで「アジア的」でした。建ったばかりの外資系ホテルに泊まりましたがその周辺は「アジア」そのものでしたから、1975年当時はもっとアジア的だったのでしょう。しかも外国人が絶対住まない、下町の貧民街に住んだのですから凄かったのでしょう。寝ていると顔の上をゴキブリが沢山歩いて行く、とも書いてありますから。殺虫剤を使たったらバケツに一杯くらいとれて、毎日とれるのであきらめたともありました。食用の鶏、ペットのサル、犬、猫、ニシキヘビが大勢の子供と一緒に暮らしていたともありました。家の裏はごろつきや娼婦のたまり場であったようです。
この世界から転勤で「妻」と「娘」が東京に来たわけですが、その時の東京の印象が凄く興味深いですね。「妻」いわく、「ここではどうして皆メランコリックな顔をしているの?」です。1975年当時の東京はオリンピック、万博の後の高度成長真っ盛りの時期で、相当元気な時代だったと思いますが、難しい顔を日本人はしていたのでしょう。成長に急き立てられて疲れていたのかもしれません。ともかく日本人は暗い!もっと明るくやりましょう。
戦時中であってもサイゴン市民の方はおおらかに暮らしていたのでしょう。「妻」はお釈迦さまとご先祖様以外の一切の権威を認めていませんし、国家を頼っていません。完全な自主独立です。また大変な食道楽で東京の刺身と霜降り肉に夢中になり家計破綻の淵まで行きました。
「娘」は生まれて初めて革靴を履き東京を歩き回り車の洪水や、高層ビル、豪華なショーウインドウにはあまり驚きを現さなかったが、清涼飲料の自動販売機にはひどく感銘を受けたようで日に何回も小銭をねだって、缶が出てくるのを喜び、「サイゴンにあれば便利だけど一晩でお金もジュースも盗まれてしまうね」といったそうです。パンはフランスパンで育っているので四角な食パンは高級品と思ったようです。冗談にサイゴンに帰ろうかというと「いや東京がいい、ギンザもチカテツもあるし、キレイだから」とすっかり東京が気に入ってしまったようです。小柄できゃしゃだった身体は東京で凄く大きく成長しましたと。「妻」の「娘」に対する教育が体罰中心のスパルタ教育です。強く生きよ!このすさまじい教育哲学?は凄いです。とんでもない「娘」の性教育という所もありますが紹介は割愛します。
終始、観察者の目線で「妻と娘」の描写が進みますが、その背景にごく薄色に、パリに一緒に留学もした、死別した最愛の前妻の残照が感じられる文様です。
「サイゴンの一番長い日」は1975年4月15日に、危機迫るサイゴンから「妻」を東京に送り出してから、4月30日の南ベトナム消滅の日、そしてその後の日記風のドキュメンタリーです。
危険だからすぐ帰国せよ、という会社の指示、命令をあれこれかわしながら、サイゴン陥落、国家消滅の現場を取材しようとする新聞記者の根性が凄いですね。最後にアメリカ海兵隊の脱出が手間取って、北側に最後の時間的猶予を乞うくだりもあります。その最後のヘリが飛び立った大統領官邸の屋上には2度行きました。今でもヘリが飾ってあるのでしょうか。この辺を歩いた実体験の通りや教会などの映像と、この本の語りが融合して、キュメンタリー番組を見ているような感じで読んでいきました。
最後のサイゴン政府は混乱そのものです。元々三国志の時代の状況で近代兵器を使った戦争をしているわけですから。グエン・カオキ将軍とかチュー大統領とか懐かしい名前が出てきます。南ベトナム政府の末期の数年は政権中枢が混乱して権力者は政争に明け暮れし、政権交代劇が続き、国の行く末を誰も考えていないようでした。彼らはほとんど米軍と一緒に国外逃亡しました。滅びるべくして国家は滅んだのです。これに、安倍、福田、麻生、鳩山、管、そして野田総理へ続く日本の権力中枢の混乱と迷走がだぶってきていやな感じになりました。
サイゴン陥落の4月30日の午前8時くらいから喧噪の街の異変が始まります。サイゴン川の河岸に市民が荷物を持って集まりました。30分後には屋台もすべて消えサイゴン市民が河岸まで追い詰められた風景になります。空には行先を失った航空機やヘリが乱舞しています。そこに革命政府の旗を立てた宣伝のジープが走り抜け、人々に冷静な対応をよびかけていく。そのあと街のあちこちでベンチや車の屋根に革命政府の旗を掲げた工作員と思われる若者が立ち上がり、それを人々は唖然として見上げていた。この瞬間数万人の群衆はわずか20名足らずの若者に支配され、騒動も混乱も起こらなかった。そのあと整然と北ベトナム軍は街に入り進駐しました。北ベトナム軍は4方向からサイゴンに突入し、一部に銃撃戦があったようですが、基本的には極めてあっけなくサイゴンは陥落しました。
さすが新聞記者です、大使館に避難していたのに、もう街に出て進駐してきた北ベトナム軍の兵士に「どこから来たの」と話し掛けています。電話もなんとか通じているようです。知人宅にも出かけています。
1台のジープが大統領官邸に入り執務室で待っていたミン大統領と直立で対面しました。ミン大統領が「現在をもってすべての権限を委譲します」というと北の指揮官は「将軍、あなたにはもはや移譲すべき権限は何一つありません」と。別の日本人記者は同席していたようです。
翌日はなぜか5月1日、メーデーです。もう北ベトナム軍はパレードを行い、市民は屋台を開業し縁日の様です。中華街は一面革命政府の旗と中国国旗であふれて熱烈歓迎ムード、この現実対応力はすごいですが、いつから革命政府の旗を用意したのでしょうか。旧国旗は踏みにじられています。彼はカメラを持って歩道から北ベトナム軍が車でホーチミンの写真を掲げてパレードするのを写真に収めていると、むこうから車を止め、もっと近くの正面で取れて合図されたとあります。命知らずの記者魂です。
一国の崩壊、首都陥落がかくもあっけないものでしょうか。日本でも似た風景が、明治維新の江戸無血開城、そして米軍の厚木から東京へ進駐とあったはずです。もうあってはならない風景ですが、経済的には今のアテネ市民の気持ちはこれに近いでしょうか。
日本は出来るだけ早く安定的な政権を作り、国政改革、財政再建をまじめにやらないと、再び「国敗れて山河あり」になりかねません。
=======================================◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更右記まで webmaster@fukan.jp………………………………………………………………………………………………………◆俯瞰 MAIL 0015号(2012年3月11日)発行元:
一般社団法人 俯瞰工学研究所発行責任者:松島克守URL:http://fukan.jp==============================
俯瞰 MAIL 014 号( 2012 年2 月 10 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
歴史的な寒波でヨーロッパでは300人を超す死者という、報道があります。日本でも
2月3日国内で最も冷え込んだのは北海道枝幸町・歌登の氷点下32.6度、長野県南牧村
で氷点下26.0度、東京都心も氷点下1.0度まで下がったという事です。地球温暖化で
はなく氷河期でしょうか。インフルエンザも流行とのことです。これには悲しい事が
ありました。お互い予防に気を付けましょう。ただしタミフルには要注意!
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・日本を明るくする再発見
・やっぱり脳の話は面白い
・ブレア首相が仕掛けたイラク侵攻?
・目が離せない中東情勢
・名門コダックの倒産
・永田町と霞が関、国民も怒れ!
・二子玉川クリエイティブ・シティのシンポジュウム開催
・ビジネスモデル学会春季大会は3月31日東京大学で開催
・IT経営力大賞はビジネスモデルが素晴らしい
・かくも悲しき事
・デジタル書斎の構築6
・書評 : 都市の原理
-----------------------------------------------------------------------------
◆日本を明るくする再発見◆
Courrier Japonの3月号に紹介されていた記事が面白いですよ。NY TIMESの記事の紹
介ですが“失われた20年”は真っ赤な嘘!という記事です。日本は海外から、経済
運営の失敗例と叩かれていますがこれは誤りで、日本の状態は米国よりずっと良いと
いう話です。その根拠として、この間日本は平均寿命は4.8歳延びて、結果として米
国人より4.2歳も長生きしていますが、これは医療制度が充実しているからだと。実
に1950年からは平均寿命が20年も延びている!
インターネットの接続が最速の世界50都市の中に日本は38都市も有るのに対し、米国
は3都市だけ、失業率も米国の半分以下の4.2%、この20年で建設された150メート
ル以上のビルの数は東京が81棟に対し、ニューヨークは64棟、シカゴ48棟、ロ
サンゼルス7棟、日本の貿易の経常黒字は1960億ドル(15兆円)。円高にも前
向きで、89年末に比べると対ドルで87%、対ポンドで94%、日米のファンダメ
ンタルの評価の差異だと。
ミシュランの3つ星は、東京は16店で、パリは10店で2位に甘んじているし、1
人当りのGDPも試算を変えれば日本の伸びの方が米国より高いという事を主張して
います。ただ一つ、つまらない政治を除けば、日本は見習うべき国であるのに海外メ
ディアが日本衰退説を流し続けるのは、背後に日本を見下したいという心理があると
いう事です。
日本人は自己を卑下しすぎて暗い国、暗い社会にしているようです。これから日本の
良いデータを積極的に発掘して紹介しようという決心が出来ました。原文は下記です。
http://spikejapan.wordpress.com/2012/01/15/spiked-eamonn-fingleton/
インターネットのスピードランキング
http://dailyinfographic.com/internet-speeds-around-the-world-infographic
◆やっぱり脳の話は面白い◆
同じ、Courrier Japonの3月号の特集は”人生を豊かにする「脳」の使い方“です。
嬉しいことに脳のメカニズムを理解すれば発想力も記憶力もずっと上げられるという
事です。まず、これまでの右脳、左脳というモデルは古くて捨てるべきで、98年に
発表された「認識脳科学と記憶の研究」という画期的な論文の提唱する「知的記憶」
というモデルが最新であるという事です。そしてこの論文の著者のカンデルはこの2
年後にノーベル賞受賞です。その説は、どのような思考様式においても分析と直感が
脳内で協力して働くというもの。右脳も左脳もなく、学習と想起が脳全体で様々な組
み合わせで起こるという事です。このモデルによればブレストは不毛で、止めろ!で
すと。脳学者のバリー・ゴードンは「知的記憶」について地球最大の目録システムで
あると解説しているとあります。人間は生まれた瞬間から、脳は物事を取り込み、分
類し、棚に収める。新しい情報が入ってくると脳は記憶にしまってある情報と合致し
ているか調べて、合致していると、前からある記憶は棚から取り出され新しいものと
組み合わされる、これが思考だ。分類と収納のプロセスが分析で、検索と組み合わせ
が直観だとあります。
正しい脳の使い方?をナポレオンやグーグルの創業者を例にとって解説しています。
前例となる情報が、予断のないクリアな脳の中で組み合わせが起きるとき、解決策、
アイディアが閃くという事です。この後続く特集の記事も凄く面白いですよ。
殆ど同じ事を、「情報融合」として1993年に上梓した「ITで会社を変える」に書きま
した。「様々な思いは情報融合という概念に収束した。時間や分野、場所を超えて脳
の中に蓄積された様々な情報や知識がある刺激、例えば目の前の自然や会話、食事・
・・がトリガーになり融合しアイディアという訪問者が頭の中に訪れる時の爽快さは
何事にも喩えようがない。」もしかすると私は大発見をしていたのでしょうか。あま
り売れなかった本でしたので2004年に上梓した「MOTの経営学」にも再度収録しました。
Courrier Japon
http://courrier.jp/
ITで会社を変える
http://www.amazon.co.jp/IT%E3%81%A7%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%9D%BE%E5%B3%B6-%E5%85%8B%E5%AE%88/dp/4769350759/ref=sr_1_6?ie=UTF8&s=books&qid=1261304173&sr=8-6
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トしてご覧ください。)
MOTの経営学
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822243923?ie=UTF8&tag=metatechnica-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4822243923
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◆ブレア首相が仕掛けたイラク侵攻?◆
新年からの日経新聞の「私の履歴書」は、元イギリス首相のブレアで、やはりイラク
戦争はかなりの部分はブレア首相が仕掛けたようですね。ブッシュは慎重であったの
でブレアが、背中を押して始めたような記述です。中東は自分たちのテリトリーとい
う認識でしょうか。そしてアングロサクソンの結束というドグマを強く感じさせます。
イラク出兵に反対するドイツとフランスを、旧いヨーロッパと揶揄してEU加盟の日の
浅い国を味方につけ新しいヨーロッパと持ち上げていました。そして最近の欧州金融
危機に対し距離をおく態度が、英国は欧州大陸の国ではないことを示しています。
イラク進攻になぜそんなにのめり込んでいったかはっきりしませんが、若気の至りの
様に感じ読み取れました。または大英帝国の幻想に一人酔う事がなかったか、とも思
います。もしくは米国内の石油マフィアであるチェイニー副大統領との連携があった
のでしょうか。イラクに大量破壊兵器があるという確信も持っていなかったようです。
ただ、ブッシュにイラク進攻を決断させた理由に、イラク進攻直前の2001年には、米
国で石油需給がひっ迫し、輸入が急増し、海外取り分け中東の石油資源を確保する必
要があったという事情もありました。
「私の履歴書」の後半からはブラウン財務相との確執が延々とあり、凄まじい政局の
裏側を赤裸々に見せてくれましが、次第に言い訳っぽくなってきて、ブレアに対する
イメージが、私の中では劣化しました。ブラウンも陰湿で結果は暗愚な首相で終わっ
ていますので、意外と英国の政治も水準はあんなものかとほっとした点もあります。
大学の授業料引き上げをかなり熱意をもって進めたことは意外です。結局、彼はイギ
リスを変えたのでしょうか。世界を混乱させたことは事実です。多くの戦死者を米国
とイラクに出しました。さらに一般国民を多数犠牲にしました。彼らの死が必要であ
ったのか、ブレアは考えているのでしょうか。
◆目が離せない中東情勢◆
その中東ですが、アラブ革命の進行とシリア騒乱、イラン制裁と予断を許さない危険
な情勢が続いています。イスラエルによるイラン攻撃については、米メディアが先週、
パネッタ米国防長官は4月にも行われる可能性を懸念していると報じていました。こ
こに来てシェールガスの開発の目途がつき、一気にエネルギー事情が緩和され事と深
刻な財政赤字のため、ついに米国は中東での覇権をあきらめ太平洋とインド洋で、中
国との対峙に集中するという歴史的な決断をしました。世界帝国から太平洋・大西洋
国家になるのです。ミャンマーを中国から奪還しつつあり、中国の東インド洋への進
出を阻止し、インドとの連携を深めインド洋を確保しつつ、ハワイ、グアム、北オー
ストラリアへの兵力の増強を始めました。余談ですが、これからは陸軍力ではなく海
軍力ですね。ですから中国も空母建造という海軍力の増強に走っていますが。そして
無人機による空軍です。
この結果はパキスタン、アフガニスタン、イランからエジプト、リビア、モロッコに
至るアラブ・イスラム世界から米国の力が抜けます。その中にイスラエルが1人取り
残されることになりました。周囲はエジプト以外は、イスラエルという国家の存在を
認めない国々です。国境を接する国々はイスラエルの直接的な報復を恐れて手を出し
ませんが、イランはフリーハンドです。ですから、冒頭の米国の国防長官の談話は衝
撃的です。さすがに米国政府はヒラリー国務長官、オバマ大統領ともにこれを打ち消
すメッセージを出しましたが、否定でなく、まだ決断していない?という談話です。
まさに一発触発の危機でしょう。ホルムズ海峡封鎖どころではありません。日本にと
ってホルムズ海峡は石油の輸入ルートの喉元である以上に、天然ガスの輸入ルートで
す。問題は原発停止でこの天然ガスの確保が非常に重要になってきた事、さらに悪い
ことに90日の国内備蓄のある原油と違い、天然ガスは殆ど国内備蓄がないことです。
関係各位におかれては、国内原発の安全確認と整備を進め、既存の原発を万一の時稼
働できる状態にする必要があると思います。原発の是非の本質論と危機管理の議論は
分けざるを得ません。
http://www.cnn.co.jp/world/30005486.html
◆名門コダックの倒産◆
写真フィルムの名門コダックが倒産しました。ここに浅い理解のMBA的経営の問題点
の反面教師的教訓があります。挑戦的な新事業の企画に高水準の利潤をコミットさせ
る。知財戦略に溺れる。其の上に選択と集中というステレオタイプの発想しか出来な
い。戦略即ちマイケルポーターです。あれは産業構造が安定し、持続成長している業
界が前提ですが、事例がない新規市場であれを説く人がいますね。この誤謬は伝統的
な日本企業にもありますし、実は伝統的な外資系にも共通しています。GMもそうでし
た。連邦法11条を申請した米国企業の全てといっていい共通の、衰退、凋落の原因で
す。一時期のIBMはそうでした。売れない本当の理由は封印でした。その淵から経営
革新で這い上がった例もIBMです。現時点の状況を見ると、日本のIT業界F、N、Hは同
じ時代を共有しながらその状況にあまりの差異があるのに驚愕します。NDすらもがい
ています。ただ、日本IBMはかなりの苦戦であるように伝わってきますので日本市場に
特異性があるかもしれません。
日本のIT産業が補助金という“シャブ”で体を壊したことも効いているように思いま
す。GoogleやSales Force、Amazon はいくら政府から補助金を貰ったのでしょうか。
産業振興の政策はむずかいですね。副作用があります。IT産業政策もコンピュータ産
業の黎明期に巨人IBMからひ弱な国産メーカーを保護した政策の延長しかありません。
悲惨なことに半導体産業は保護しすぎて滅んでしまいました。蒸発する自分の市場を
目の前に見ながら茹でガエルとして死んでいったコダックという図式です。そのコダッ
ク倒産の具体的な教訓として下記が挙がられています。詳細は下記のURL
1. 中核技術の喪失
2. ブランドへの過信
3. 甘い市場見通し
http://www.nikkei.com/biz/focus/article/g=96958A9C93819499E0E1E2E1E68DE0E4E2E3E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E3
(数行表示されている場合、上記URL全体をコピーしブラウザのアドレス欄にペース
トしてご覧ください。)
◆永田町と霞が関、国民も怒れ!◆
震災関係の議事録がない!?およそ官庁関係の会議で議事録がないことは考えられま
せん。出せない理由、作成できない理由が怖いですね。ICレコーダーも関係者のノー
トもありますが、当時の日本中枢の状況は公開できないほどの惨状で、国益を考えて
賢い関係者が阿吽の呼吸で全てを飲み込んでしまったのでしょうか?
防衛相をめぐるドタバタはあきれますね。前任者のことを考えると、現下の状況にお
いてもこのポジションはかくも軽い位置付けなのでしょうか。同盟国の米国は歴史的
な軍事戦略の変革を決め対中国の防衛線構築を実行中です。本当に頼りないと思うで
しょうね。日本から防衛線をグアムに下げ、中国軍の対艦ミサイルを避ける方向に
くでしょうか。
今は、米国、日本、韓国、台湾で分担して防衛線を構築する重要な時期です。防衛線
は紛争を抑止する為で、戦争ではありません。国家安全保障を、声を出して議論する
状態にしましょう。
防衛相に人材がいない?貸し借りの人事?民主党は次回の選挙の後に存在できないか
もしれませんね。前回にも述べましたが、今回の選挙は正論派と愚論派分けてやりま
しょう!その前に官制改革と消費税を決着してもらわないと困ります。
国民が怒らないとこの国よくなりません。それにしてもだれに投票してよいのか、国
民はハムレット状態ですか。
URL議事録がない
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120124/plc12012403250002-n1.htm
国防長官の発言
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120203/amr12020311290000-n1.htm
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012020409948
イスラエル国防相の発言
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120118/mds12011819370008-n1.htm
◆二子玉川クリエイティブ・シティのシンポジュウム開催します◆
この俯瞰MLで何度かご案内してきた二子玉川に近未来都市を創る壮大な実験の、クリ
エイティブ・シティ・コンソーシアムが2月22日に二子玉川でシンポジュウムを開催し
ます。「オープンイノベーションが人・街・ビジネス・社会を変えていく」をテーマ
に、現在進行形のプロジェクトの成果の一端を発表し、近未来都市としてのクリエイ
ティブ・シティの未来像を参加者と共有、議論する場として開催いたします。建設予
定の街をコンピュータ・グラフィックスで紹介します。今回の書評にある「都市の原
理」を改めて考察する絶好の機会です。そして各位の近未来の行動を改めて考える場
です。
主要な内容は:
・エッジシティにおけるクリエイティブワークスタイル
・都市における生物多様性とは
・位置情報サービス(次世代GPS)が暮らしを変える
・オープンイノベーションが人・街・社会・ビジネスを変える
参加無料ですが、事前登録は必要です。下記のURLから申し込めます。先着250名です。
今ならまだ間に合うと思いますが、東急電車に広告が出ますので急いだ方が良いと思
います。
開催日時:2月22日(水) 13:30-18:00(開場13:00)
開催場所:玉川高島屋S・C アレーナホール(玉川高島屋S・C西館1F)
http://creative-city.jp/2012/01/2012.html
◆ビジネスモデル学会春季大会開催◆
ビジネスモデル学会春季大会が東大本郷キャンパス工学部2号館で3月31日開催さ
れます。大会テーマは「生活産業のアジア展開」です。製造業のアジア展開は広く認
識され、また今回タイの洪水で厳しい損害を出したこともまだ記憶に新しいのですが、
生活産業のアジア展開も凄い勢いで進んでいます。自動車産業や電子機器のアジア展
開はそこに雇用を生みその人たちが膨大な生活者としての需要を生んでいます。今そ
の生活産業の常用を刈り取りに行くフェーズになりました。
大会準備を着々と進めており、基調講演者は経済産業省経済産業政策局長石黒氏に、
特別講演者はアサヒグループホールディ ングス古田土取締役、資生堂中国事業部マー
ケティング開発部大亀部長に決定しました。わが国の生活産業のアジア展開に関する
マクロ的な動向やリーダー企業の知られざる物語、及びビジネスモデルを考える上で
のヒントは、きっと貴方のご期待に応えます。スケジュールに書き込みましょう。
この1日で半年分の知識が得られます!そして脳のコンテンツのバージョンアップが
出来ます。いつも最新のソフトでコンピュータ(脳)使っていますか。
http://www.biz-model.org/
◆IT経営力大賞はビジネスモデルが素晴らしい◆
私はこの3年ほど審査委員会のお手伝いしていますが、年々水準が向上してきました。
ここで受賞された企業の情報システムは、基盤のビジネスモデルが秀逸です。無論結
果も業績に出ています。この審査をしていると、日本の中小企業は凄い!と感嘆せず
にいられません。ITで会社を動かす、オペレーション全体の無人化に近いものもあり
ます。受注から配送、経理、納税処理がすべてシステム化で完全ペーパーレス、無人
化?社員は何を、実は配送の梱包などの仕事だけ、あとは更なるクリエイティブなア
イディアを議論しているのでしょう。
審査結果発表は
http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120208005/20120208005.html
◆かくも悲しき事◆
十数年前に一緒に仕事をしたYさんの訃報。まだ46歳、というかもうそんな歳になっ
ていたのです。句会に誘われて1年ほどご一緒したことも有りました。年賀状を見て、
今年はお会いしたいなと思っていた矢先です。前日まで仕事をしていて、体調が悪い
と言って帰宅して次の日亡くなられたとか。インフルエンザのタミフルのショックとも。
葬儀に参列しました。泣き崩れる夫人、そしてまだ4歳のお嬢さんが母親の涙をガー
ゼのハンカチで拭う姿、上の6歳のお嬢さんもそうですが、悲しい状況を理解していな
いのか、していても表現する事ができないのか、無心に拭き続ける姿に泣きました。
「悲しみ」と言う言葉が身体中に沁みて行きました。かくも悲しき事があるのか。
どの顧客からも一緒に仕事をしたいと言われるほど素晴しい人でした。彼が苦労して
完成させたERPのシステムが稼働していた事業所は閉鎖され、他社に売却されて今は有
りません。厳しい状況を前任者から引き継いで、その比類なき人格で顧客の信頼を取
り戻し見事に完成させました。苦労しても仕事の結果は残りませんでした。家族は残
されました。仕事と家族の優先度を間違えてはいけない、健康は自分のためだけでは
なく家族に対する責任だと改めて再認識しましよう、そして自戒の念を含めて。
また追いかけるように名古屋で一緒に仕事をしたIさんの訃報です。ご夫人と中学生の
お嬢様、そしてご両親が残されました。親に先立つ親不孝という悲しみもあります。
◆デジタル書斎6◆
この表題はあえてデジタルと入れていますが、本質的に、知的活動にデジタルとアナ
ログの境界はありません。デジタルとアナログは単なる工学的な信号処理とそのデバ
イスの違いだけです。文具がデジタルかアナログの話でしょう。純アナログで生活し
ている人はいません!見ているテレビもデジタルです。まだアナログ???
というしょうもない話はおいて、本質的な知的生産技術の話をしましょう。知的生産
技術は目的ではありません。あくまで、知的資産、価値を創成する手法です。ここを
純アナログでやってもいいですが、人生の時間がもたないでしょう。知識と情報は爆
発しています。大英博物館に籠ってマルクスが資本論を書いたという話を昔々聞いた
ような記憶があります。そこに人類の知識の大半が存在した時代です。
知的生産のプロセスは、情報の収集・分析・編集です。この情報の収集に、デジタル
は驚異的な威力を発揮します。今回はこの情報収集の話しをします。
私の情報収集は、新聞、雑誌、書籍、Web、会議、セミナー、講演会、そして面談、
会話、会食、見学、旅行です。このうち、面談、会話、会食は純アナログですが、そ
のスケジュールの設定はメールというデジタル技術です。スケジュール調整がありま
すのでメールが確実です。結果としてスケジュールの密度が上がりました。東京の知
の情報の集積は凄いですね。その内容は単純に脳に記憶するだけです。ただ殆ど忘れ
ます。めったにメモは取りません。フォローアップすべきことは、実は、先方にあと
で、メールでリマインドしてもらいます。
会議、セミナー、講演会の内容は、脳で記憶です。これも殆ど内容は忘れますね。無
意識下に残っていると思いますが。特別な数字と情報源はメモすることはあります。
ですからポケットに小さなメモ帳を持っています。ここはアナログ信号処理です。時
にはiPhoneに入力しますが時間がかかりますね。
新聞、雑誌、書籍は紙で読みます。新聞は電子版も購読して、記事の保存を電子版で
します。永年の習慣で切り取りますが、紙のスクラップは後で検索が出来ません。新
聞の電子版は既に多くの方が実践しているように、スマートフォンで電車の中でスマ
ートに読めます。その場でスクラップも出来ます。ただ新聞の情報は構造化が弱いの
で、知識にするためには、あとの分析・編集能力が必要になります。
雑誌は既に「デジタル書斎」で紹介したように、pdf化してiPadのiBookとして、出張
の移動時間などの隙間時間に読むことが多くなりました。新聞の情報よりも構造化さ
れていますので、構造化された知識が収集できます。Newsweekの日本版、Courrier
Japonは購読していますが、世界中の情報が視野に入ります。ブルータスは趣味性が
強い情報が得られます。
書籍は重要な要点や、インパクトのある文は蛍光マーカーで印しますが、そのあと一
手間かけてテキストに打ち込んでおくと価値が出ますね。この作業をiPhoneやiPadに
あるアプリのPlaintextを使うと、クラウドサービスのお蔭で、転送しなくてもいつ
でもどこでも利用できます。Dropboxの中に勝手にPlaintextというフォルダーを創っ
てくれて、情報デバイスに関係なく勝手にアップロードしてくれ、どこでもいつでも
テキストは使えます。
Webからの情報収集はデジタルでしかありません。RSSで情報発信を受け止めることは
しますが、TwitterでNikkeiとWSJはフォローしています。そこからWebに入り興味深い
情報はゲットします。良質な情報は長い事が多いですね。URLをメールで自分に転送し
ておくこともしますが、ここでInstapaperというスマートフォン、タッチパネルのア
プリケーションが有効です。これは「後で読む!」という機能です。Instapaperという
無料のクラウドにとりあえず送っておくと、どこでもいつでも読めます。そして読ん
で、これは後で使えそうと思ったら、Evernoteというアプリケーションでクリップし
てクラウドにしまっておきます。このクラウドサービスは無料もありますが、知的労
働者であるなら年会費数千円で会員になっておきましょう。Evernoteに入れて置くと、
あとでGoogleで探し物をしたとき、Googleのエンジンが、しまっておいたEvernoteの
情報も一緒に検索してくれますので、宝の持ち腐れがなくなります。使ってこその知
財です!
書斎のパソコンの画面には、日経新聞、ロイター、WIRED、日経ビジネス、などのア
イコンを置いて随時見ますが、iGoogleの画面にガジェットとして、BBC、CNN、WSJ、
朝日新聞デジタル、Google 国際ニュース、トップニュースなどを置いてあります。
この方がニュースを見落としません。
一番肝心なことは、興味あるテーマを意識しているかどうかです。興味あるテーマに
関する情報は向こうから合図してきます。いくつかのテーマについては、脳の中にフ
ォルダーが出来ているので、そこにスーッと入ります。加えて関連情報をクラウドや
パソコンに保存して置けば、そのあとの分析が効率よくできます。iPhone、iPad、PC
そしてそのアプリはデジタル文具です。
長くなりましたので次回!
◆書評◆
今月のご紹介は、「都市の原理」
ジェイン・ジェイコブス 中江利忠、加賀谷洋一 訳 鹿島出版会2011(1971)です。
本書は1968年に原著が上梓され、1971年に邦訳されたもので、改めて2011年それが新
装再版されたましたから、旧い本ですが、いまだその真価は揺るぎがないという事で
しょう。もっと若い時に読んでおけばよかったと思う本は少なくありませんが本書も
その一冊です。ただ、読みやすい本ではありません。ジェイコブスの研究に関しては
文末のURLにある細谷裕二さんの研究ノートが解り易い解説になっています。
ジェイコブスの主張は鮮烈です。まず「都市ありき、そして農村が発生する」という
常識を覆す言明です。「農業自体も都市で生まれたのではないか」とも。即ち「先史
時代でも農業と動物の飼育は都市で始まった」という論理的な帰着を導いています。
トルコのカタル・フエクの32エーカーの土地に、泥の煉瓦で造られた建物がびっちり
並び、人口は数千人にも達したと推定され、数千年以上前の新石器時代の、知られて
いる最古の都市の実例として紹介しています。最古の布地もここで発見されています。
農業は地球の三ヶ所で起こりました。小麦と大麦の栽培は中東で、米栽培はアジア東
部(私はインド南部のタミルと思いますが)で、そしてトウモロコシの栽培はアメリ
カでという事です。狩猟と採集が先行し、穀物栽培が軌道に乗って初めて狩猟民は農
民になれた、という論理は確かに解り易いですね。穀物の栽培が先とすると、それま
でなにで生きてきたのかになりますので。その狩猟民は三ヶ所で都市の原型を構成し
て、そこで農業のプロトタイプを作り上げたという主張です。「狩猟民の恒久的な集
落が農耕前の生活の姿だと示唆したい」と言っています。
次に、都市の発展については「新しい仕事が古い仕事に盛んに追加され、分業を増や
していくところが都市である」としています。「モノを新しく開発していく経済は拡
大発展する、新しい種類の製品、サービスを追加するのでなく、ただ古い仕事を続け
て繰り返すだけの経済は、あまり拡大せず、当然発展もしない」というくだりは経済
という言葉を、企業に代えればそのまま当てはまります。即ち「都市の発展は新しい
仕事が、盛んに古い仕事に追加されることにある」という主張が二番目の言明です。
新しい仕事が、旧い仕事に追加された例として、婦人服の仕立ての仕事に、ブラジャ
ーの開発が新しく追加された仕事として本書で、しばしば引用していますが、ここで
は文中にある別の例を紹介しましょう。ミネアポリスで鋳物を作っていた会社が自社
が鋳物の仕上げに使用していた磨粉を、厳選して紙の上に接着剤ではり、紙やすりと
して大工や家具職人に販売を始めます。そしてその紙やすりには接着剤に問題があっ
たので、その接着剤の改良から、良質の紙テープを造ることに興味が移り、これをペ
ンキ職人に遮蔽テープとして売り出しました。それからセロテープや、電気テープ…
という一連のテープの製造販売が、新しい仕事として追加されました。接着剤のビジ
ネスには、工業用の接着剤や建設用の充填剤…が追加され、ワックスやペンキも製品
に追加されました。接着力が弱い接着材からは、剥し易いポストイットも新たな製品
に追加されました。こうして発展してきた企業が3Mです。
ここで興味深い論理展開が、「仕事の論理」です。親となる旧い仕事から、新しい仕
事が生まれる「暗示」として、「既に使われている物質又は技能から示唆される」こ
と、「出てきた特定の問題から生まれるアイディア」を上げています。さらに、興味
深いのは「追加される財貨やサービスは、旧い顧客が望むものと関係ない」とも指摘
しています。ですから売る相手も新しい仕事です。「ただワクを大胆に打ち破って追
加される」という事です。
都市の発展については、英国のマンチェスターとバーミンガムを例にとり、紡績業と
いう成功をただ繰り返すだけに専念し、新しい財貨やサービスを追加できなく、旧い
仕事にも改善がなく衰退したマンチェスターに対し、多くの試行錯誤と多様性を追求
し、街が実験室になったバーミンガムは繁栄を継続したとあります。生産性と利益率
だけを追求したマンチェスターは衰退して、生産性は低いが多様性を追求したバーミ
ンガムは長く反映したという歴史的な教訓です。デトロイトとボストンの対比も挙げ
ています。
続いて挙げている、ニューヨーク州のロチェスターは、既に議論したコダックの本拠
地です。コダック社はロチェスターで成功したのち、コダックからのスピンアウトの
企業を潰し、起業を抑え、唯一例外のゼロックス社でしたが、分離と多様性を否定し
て生活、社会まで支配するようになり、ロチェスターはコダックの「会社の町」にな
り、「会社の仕事」をするほかに暮らしを立てる選択を無くし、そして新しい仕事が
追加される事も無くなり、選択と集中というステレオタイプの思考で、次第に自身の
多様化も否定して行った結果、支配した「会社の町」とともに自社も沈んでしまいま
した。
都市の爆発的成長については、「輸入品を置き換えていく過程は、都市を爆発的に成
長させる」とし、事例として明治の東京を挙げているのが面白いです。当時の東京は
大量の自転車を輸入していましたが、修理職人達は自分で部品を作り出し始め、さら
に個々の部品を専門分化して作るようになりました。そうなるとその部品を大量に契
約して職人から買い取って、完成車を製造する業者が出現したと云います。こうして
東京の輸入されていた自転車は地元で製造される自転車に置き換えられました。これ
を「輸入置換の乗数効果」と名付けこれは地元経済を膨張させるといってます。輸入
品との価格差が新たな需要を生みます。これが都市の成長原理であると言明していま
す。ここで、高価な生産機械を輸入して大量生産するのではなく、東京が持っていた
既存の能力の範囲内でこれを成し遂げたことは創造的な仕事であると、日本をさらに
持ち上げています。
「輸入置換→輸入品の構成変化→急激な成長」が成長のプロセスで、このプロセスの
中で、経済活動の総計の増加、農村で生産される財貨に対する事情の急拡大、そして
都市の仕事の急増が起こると云います。本書が執筆された時代は日本経済の高度成長
期に当たりますので、成長の事例として日本は好都合であったのでしょうか、随所に
日本が好例として紹介されています。
引き続き都市に対する彼女の思い入れを強く感じさせる興味深い記述をもう一つ紹介
します。ロックフェラー財団がインドの農村の貧困を救済する目的で、エタワという
農村に自家発電装置と近代的設備を持ち込み、工場を建設しましたが、失敗に終わり
カンプールという人口120万人の都市に移転して成功させた事例と、工業と農業を結び
つけるべく、中国が農村に小規模工場を展開したが結局この計画は放棄された話です。
この事例が教えたことは、新たな事業を立ち上げるには、都市が持つ多様な仕事を提
供する組織、必要な財貨やサービスを提供する能力が必須であるという事です。
新しい仕事を創成するのに重要な要件として、940年代にロサンジェルスやボストンが
与えた「小さくても多彩な出発点」が存在です。ベンチャー企業を育てる機能、ベン
チャーキャピタルに言及しています。
興味は尽きませんが要約はこれまでにします。都市に対するあくなき愛情ともいえる、
ホットな主張と生の例証が本書の魅力でしょうか。ただ、正規の研究者としての教育
を受けていないキャリアのためか、いわゆるアカデミアの正統からは外れた論証の手
法かもしれませんので、その筋の学者とは激しい論戦があったでしょう。
この本では少ししか触れられていませんが、区画整理で街を整然とすることで街は賑
いを失い、衰退するという信念から、都市計画の専門家との激しい論争もしているよ
うですが、暖かなふれあいのある街角や小さな広場、旧いが美しい建物がごちゃごちゃ
している空間が街の多様性を高め、ひいては新しい仕事を追加する、という主張です。
県庁所在地くらいの規模の地方都市に多くの衰退の実例を見てきました。今、二子玉
川でクリエイティブシティーを創るコンソーシアムの支援をしていますが、色々な示
唆を与えてくれます。地域振興のプロジェクト、地域クラスターの作り方にも参考に
なります。また、別に手掛けているプラチナ社会の建設にも大変参考になります。
「都市ありき、そして農村が発生する」から始まりますが、「新しい仕事が古い仕事
に盛んに追加され、分業を増やしていくところ」が都市である。新しい仕事は「既に
使われている物質又は技能から示唆される」や「出てきた特定の問題から生まれるア
イディア」から生まれる、そして「小さくても多彩な出発点」を与える仕組みが都市
の発展の要件という言明、これが本書のエッセンスだと思います。この次も都市論で
行きましょうか。
細谷裕二さんの研究ノート
http://www.innovation-net.jp/text/data/sangyo_ricchi_200811_hosoya.pdf
=======================================
◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更
右記まで webmaster@fukan.jp
……………………………………………………………………………………………
◆俯瞰 MAIL 0014号(2012年2月10日)
発行元:一般社団法人 俯瞰工学研究所
発行責任者:松島克守
URL: http://fukan.jp/
===============================
俯瞰 MAIL 013 号( 2012 年1 月 16 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
新年おめでとうございます。寒さ厳しくなり冬の本番ですね。ヒートテックを三枚重
ねるという人もいます。省エネルギーは日本の文化です、世界中に普及させましょう。
俯瞰メールを始めて1年経ちました。ひと月が短いですね。あっという間に次の原稿
を書くことになります。頑張ります。本年もよろしくお願いします。今年から関連情
報のURLを出来るだけ紹介するようにしたいと思います。
-----------------------------------------------------------------------------
・ブレア首相の「私の履歴書」
・名門コダック倒産は他山の石
・ミャンマーの変化が凄い
・インドと中国の差異
・消費税反対で離党の方々の財政再建の提案は?
・プラチナ構想ハンドブック出版しました
・デジタル 書 斎の構築5
・書評 : 「クリエイティブ都市論」
-----------------------------------------------------------------------------
◆ブレア首相の「私の履歴書」◆
新年からの日経新聞の「私の履歴書」は、元イギリス首相のブレアです。自伝特有の
臭みがありますが、報告としての内部事情は興味深いですね。政治家としては先輩だっ
たブラウン元蔵相、首相が暗愚であるように紹介されています。我々のイメージと差
異ありませんが、我が国の最近の首相たちも海外では暗愚であるように紹介、認識さ
れているのでしょうか。政治家になるキャリアパスが興味深いですね。若い時の人と
の出会いが凄く重要だという事を再認識しました。メンターとの出会いが重要なこと
です。身近に適切な人物がいればメンターになる、メンターをお願いする、そんな文
化を作る必要があります。自立を求める家庭環境や変革への強い情熱は伝わりますが、
一方強い権力への野心は、薄めて記述されています。政権について直後の時期の次の
言葉が印象的です。
「官僚組織はうまく指揮すれば強力な機構になる。官僚たちは知的で勤勉で公共への
奉仕に献身している。ただ、大きな課題に対し小さな思考しかできず、組織が跳躍を
求められるときに、少しずつしか動かなかった」
大企業でもいわゆるスタッフ部門がこうなると、傾きますから、これを打破していく
リーダーシップが、TOPの条件でしょうか。
15日は北アイルランド和平です。この歴史的な成果はブレア政権の最高の業績として
記憶されるでしょう。なぜ、イラクに派兵したかは別の視点から興味深いです。
http://www.local.co.jp/news-drift/comment-wahei.html
◆名門コダック倒産は他山の石◆
写真フィルムの名門コダックが倒産する?との報道が入りました。私が学生のころは
富士フイルムが、圧倒的な業界の巨人だったコダックの日本進出におびえていました。
デジカメが普及して約20年今更、その波に乗り遅れて倒産とはよく言えますね。そし
てフィルム事業部がなくなった?この20年の経営責任はどうなっているのでしょうか。
失われた20年ではなく、動かなかった20年でしょう。決めない、撤退しないという、
経営風土は日本経営の悪い部分と共通ですが。「大きな課題に対して小さな思考と行
動しかできない経営中枢は」は国の文化ではなく、成功してのち、スタッフが官僚化
するというモデルは、国を超えた普遍的な悪しき経営のモデルなのでしょう。しかし、
時代は激変です。ビジネスの基盤のフィルムが不要になった業界です。似たことは起
こっています。LPからCD 、音楽CDからネットへ、そしてTV業界も電波からインター
ネットへとなだれ込むのか。それに伴う広告業界の激変、さらに紙の書籍から電子書
籍へ。ガソリン車から電気自動車、既にいっぱい起こっています、ガラパゴス携帯か
らスマフォへ、そしてノキアの没落、・・・・時代に同期できない企業は滅亡する!
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPTYE80C04120120113
◆消費税反対で離党の方々の財政再建の提案は?◆
国家予算の半分が借金の国債というとんでもない日本の状況で、のんびりEUの状況を
対岸の火事としてみているのでしょうか。消費税増税反対で、財政再建の対案もなく
離党していった議員たちは何を考えているのでしょう。まさか自民公明も増税反対で
すか、とすればあまりにも無責任です。政治家ではなく、政局家ではないでしょうか。
消費税増税で買い控えが起こり景気後退でかえって税収が減るとか、いろいろあるか
もしれませんが、もう待ったなしです。フランス国債も格下げです。次は日本ですか。
野田首相には財政改革で政治生命を完全燃焼して頂きたいですね。心有る国民は喜ん
でその骨を拾うでしょう。国民に人気のあるばらまきのマニフェストで政権をとった
としても、それをバカのように守るという、バカらしい主張よりも、今ここで正論を
推進しましょう。次の選挙は政党ではなく、正論派と愚論派の仕分けが国民のミッショ
ンです。結局一番無責任なのは国民です。特に人生の影響をまともに受ける若い人は
積極的な発言と行動をして欲しいですね。学生運動がキャンパスからなくなった今そ
れに代わる行動主体が必要だともいます。
◆ミャンマーの変化が凄い◆
ミャンマー政府は12日、少数民族武装勢力「カレン民族同盟(KNU)」と停戦に
初合意したと伝えられました。1949年から独立闘争を続けてきたKNUとの停戦
で、反政府の6勢力が停戦協定に合意したことになります。加えて、13日に全政治犯
を釈放したという報道がありました。ミャンマーの「国民的和解」が大きく前進しま
した。これで、欧米諸国が軍事政権に対して長らく科してきた経済制裁が解除されま
す。14日、米国はミャンマーに駐在大使を派遣すると発表しました。欧米の経済制裁
下で経済が疲弊し、その支援という形でミャンマーに勢力を広げてきた中国の戦略が
転機を迎えたという事になります。これで中国に影響が強い国はアジアではカンボジ
アもしくはラオスだけになります。従って米国と中国の対峙の緊張感が厳しくなりま
す。軍事的な力で覇を競うという、まったく時代遅れのパラダイムから両国が脱却し
ないとしょうがないですね。中国もこれだけ貿易でグローバル化した状態では、海軍
力でシーレーンを守るという19世紀的な戦略は意味がなく、地域の安定化が唯一の選
択肢ですから、不安定で過激な独裁制を時間掛けて平和的に民主化して行く行動が正
しいはずです。米国、中国、日本、韓国、ロシアが協力して、まず北朝鮮からやりま
しょう。であれば米国と中国は協調できる部分があります。ただ、米国も古いですね。
一方、今後一気にミャンマーは経済成長する可能性が出てきました。ビジネスモデル
学会では、5月の末にミャンマーに視察に行く計画を進めています。興味ある方はビ
ジネスモデル学会のHPに注目してください。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/106330.html
◆インドと中国の差異◆
インドと中国、いずれも10億を軽く超える人口と経済成長で世界経済を牽引する期待
を担っていますが、意外と大きなコントラストがあります。10億を超える分母を両方
とも持ちながら、実に1998年まではインドの方が僅かに1人当たりのGDPは中国より大
きかったのですが、現在は、中国はインドの約3.5倍です。この20年の差はなんでしょ
うか。取り分けこの10年の中国の成長は目覚ましいものあります。インドは世界最大
の民主主義を標榜し、一方中国は共産党独裁です。ここで注意したいのは胡錦濤の個
人の独裁ではありません。集団指導体制です。プーチンの個人独裁の色が強いロシア
の経済は停滞気味です。アラブの独裁の経済は論外ですが。中国の胡錦濤の10年、今
年は世代交代します。課題は山積ですが、こうしてみるといい仕事をしたように思え
ます。新興国の一つのモデルになるのかもしれません。日本の明治はもしかしたら似
たモデルだったのでしょうか。
次の政権も暫くは今の延長で行くと思いますがこの10年以内に中国は一つの峠に達す
ると思っています。資源と社会の成熟速度が、成長の限界を与えるでしょう。それが
いつなのか、今一番興味を持っていることです。例えば、現段階では中国でOECD並み
の所得、即ち年1万ドルを超える人口はほぼ日本に匹敵する1億人強ですが、これがど
こまで行くかです。3億人とみれば到達点は日本の約2.5倍の経済規模です。4億人と
みると、4倍になり、最近英銀最大手HSBCが発表している、2050年中国のGDPが約
25.3兆ドル日本の6.4兆ドル、の数字にほぼ合います。ただ2050年の前に峠があると
思います。思い出してください、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代があった
事を。今年はこの研究をしたいと思います。また経過をご報告します。
http://ecodb.net/tool/imf_weo_compare.html
(上記のサイトの「経済推移グラフ作成(比較)」でインドと中国を条件設定し、
グラフを表示させてみてください。)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5134
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/26342
◆プラチナ構想ハンドブック出版しました◆
プラチナ構想ハンドブックを日経BP社から出版しました。書店とAmazonでお買い求
めください。
プラチナ構想ハンドブックは、紙による書籍に加え、豊富な参考資料を付加し、かつ、
適時改訂していく電子書籍としても出版を予定しています。さらに多くの人が編集に
参加できる、サイトとしても情報発信します。
加えて、プラチナ構想ハンドブックは、これまでにないWEB メディアとして設計しま
した。基本は、情報の蓄積、分類、検索を、ICT をベースにして構築し、そして、情
報要素の相互がサイトの内外の情報と、ハイパーテキストとしてネットワーク構造を
持つ、WEB サイトとして情報発信を行います。したがって、読み方、視方(みかた)、
見え方、そして理解はその人によることになります。
プラチナ構想ハンドブックの情報発信は一方向的ではく、読む人、編集する人、自分
の情報を発信する人の交流と議論の場も用意します。このWEB サイトにはその仕組み
が用意されています。
プラチナ構想ハンドブックのサイトは、12月28日オープンしました。今回はまだ情報
発信の機能だけですが、次のステップで参加型にしていきます。オンラインでの編集
参加も大歓迎です。既に機能は組み込んでありますが、支援系スタッフの整備が出来
ていませんのでその部分は公開していません。ともあれ見てください、そしてコメン
トを下さい。そして本もぜひお読みください。
http://www.platinum-handbook.jp/
[目次]
提言 プラチナ構想 小宮山宏
第1部 21世紀のパラダイム
爆発する知識
有限の地球
高齢化する社会
第2部 日本が今目指すべきこと
坂の上を目指した時代
エネルギーと資源の自給率を上げる
持続可能なエネルギーシナリオを実現する
リサイクルで資源の枯渇に対処する
環境を保全し農林水産業を再生する
創造型需要の新産業を指向する
新産業をイノベーションで創成する
第3部 現場からの報告
プラチナ社会のモビリティ
創造的ビジネスをめざしたスマート林業の展開を
低炭素時代の建築ZEB
学校からはじめる確実なエコが、やがて大きなムーブメントへ
救急現場からみた日本の医療
留萌市の医療ネットワーク
活力ある高齢化社会のための食と健康
ICT による地域経済の活性化プロジェクト
プラチナ構想スクールの実施
◆デジタル書斎の構築5◆
年末年始はデジタル書斎の大掃除で忙殺されました。電子情報の悪いところは形がな
く、現在のようにハードディスクの容量が多いと不要なファイルや、本人も何に関す
るファイルか判らないファイルが大量に貯まってしまう事です。で、肝心な時、必要
なファイルが見つからないということになります。
まずDropboxに入れてあるマイドキュメントの整理、実は難しいのはフォルダーをど
う構成するかですが、深くすると見つかりにくいので、フォルダーの下に1段階しか
作ってありません。これは使い込んでいるのでほぼある安定状態になりました。人脈
の名刺も、全て見直して一つのファイルに統合して、重複したファイルは削除しまし
た。約2000枚。
写真が未整理でしたのでその作業を始めました。1999以降はデジカメですので簡単で
す。GoogleのPicasaをインストールすると、自動ですべての写真を探し出してデータ
ーベースにしてくれます。あっという間です。約7000枚でした。量も整理もデジタル
は凄いです。これから良い写真を選択しながら、アルバムを創って行くことにします。
無論、まだ未完成です。
問題は結婚以来の家族の写真がアナログで1975年から1999年分ありました。まったく
の未整理で、印画紙とフィルムと合わせて古いスーツケース一杯分です。フィルムだ
け抜き出してみましたが約2400コマ。フィルムスキャナーでデジタル化するつもりで
10年前にCANONのフィルムスキャナーを購入したもののお蔵入りです。時間がない?
ある友人曰く、「時間があるときやろうとしたら一生出来できませんよ!業者に出せ
ばいいのです!」解り易いですね。店に持ってきましたら退色処理含めて4800bpiで
1コマ160円です。お願いしました。
自炊したpdfファイルも整理しました。メールリスト、iPhoneの連絡帳も。この情報
整理をしておくと、今年1年の自分の生産性がかなり向上します。残された貴重な人
生の時間ですから自分の生産性が一番重要です。ですから、写真のデジタル化も、
金額に躊躇しながらも外注もしました!
◆書評◆
今月のご紹介は、
「クリエイティブ都市論」リチャード・フロリダ 井上典夫訳 ダイヤモンド社 2009
本書は、 夜間光の衛星写真の分析の上に、GDPやイノベーションなどの経済データを
重ね合わせる研究結果をもとに、世界の中で経済活動が活発な20?30の地域が、人口
は5分の1にも満たないが、経済活動の3分の2、イノベーションの8割を産出して
いること、さらに上位10地域が、人口が世界の6.5%にも満たないが、経済活動
の4割以上と、イノベーションの半分以上を独占している知見を披歴しています。こ
うした地域を「メガ地域」と名付け、世界はフラットではなく、少数の地域が経済活
動で高いピークを形成する、スパイキーな世界であると主張しています。しかも上位
5地域の2つは日本にあります。東京経済圏の2.5兆ドルと名古屋・大阪圏の
1.4兆ドルです。九州北部と広域札幌圏も世界主要経済圏に名を連ねています。
日本人が失いかけている自信を、改めて奮い立たせるような日本版への序文で始まり
ます。
そして、第1章「住む場所の選択」では人生の選択を議論しています。それは、まず
何をするか、即ち仕事。次に誰とそれをするか、即ち人生の伴侶。そして突きつける
のが仕事を誰と、どこで行うのか即ち、居住地の選択を迫ります。どこに住むかで仕
事も恋愛も決まる、とまで言い切っています。ここが本書の論点です。極めて明快で
す。ネットワークの時代は「世界はフラットになる」、そして地理的な影響は少ない
という最近のパラダイムと真っ向勝負です。さらに、本質はライフスタイルの選択で
あって、地理的な優位性に影響されない仕事や、ささやかな生活費と素晴らしい自然
環境に恵まれた地域が沢山ある事も認めていますが、人生の選択という強烈な意思決
定を読む人に迫っています。そこまで考えて人生を選択してきたかです。私事で恐縮
ですが、私は大学院を修了して就職をするに当たり、仕事は専攻が生産技術という事
で当時既定というか選択済みでしたが、東京に住み続ける事を固く決め、都心から
30分に住み、郊外に通勤30分のジェットエンジンの工場の生産技術のエンジニア
の仕事を選択しました。仕事はそれからいくつか替りましたが居住地域はほぼ同じ渋
谷文化圏です。結果として、人生の伴侶もこの流れの中で決まることになります。家
族の教育も生活も、そして現在の全てがこの「居住地の選択」にあったことを改めて
再認識させられました。
第2章「スパイキーな世界」では世界はフラット化していない事実として、1900
年では14%であった都市部の人口は、現在、先進国では人口の4分の3が都市に住
んでいる事、世界経済の舞台で発展可能な地域はごく一部であることを主張していま
す。因みに13億人の中国も既に都市人口は半分になっており、経済成長が著しいの
は、北京、上海、広州の3地域を筆頭とした上位10地域です。
さらに地図の上に、人口データを乗せ、それに、夜間光の密度の衛星写真を重ねる手
法で世界の経済活動が極めて盛んな20-30地域を抽出しています。夜間光即ち衛
星から見える夜間の光量はその地域で経済活動に比例することが解明されています。
俯瞰工学研究所のサイトに東京大学の俯瞰工学研究室時代の研究成果を「アジア経済
俯瞰:衛星写真」として公開していますのでご参考に。こうして序文にある、20-
30の「メガ地域」が同定されています。特に大きな「メガ地域」は、ボストン―
ニューヨーク、シカゴ―ピッツバーグ、アムステルダム―アントワープ、ロンドン―
マンチェスター、そして前述の日本の東京経済圏と名古屋・大阪圏の2つです。
さらに重要な分布はイノベーションの分布、即ち特許の数と世界的な科学者の分布で、
地域はさらに絞られてきます。才能が集まる地域です。東京、ニューヨーク、サンフ
ランシスコに続いてボストン、シアトル、オースティン、トロント、バンクーバー、
ベルリン、パリ、ストックフォルム、ヘルシンキ、大阪、ソウル、台北、シドニーで
す。インドのバンガロールと北京そして上海は最近の伸びが著しく才能が集積する地
域です。イノベーションには地理的な才能の集中が依然として重要であることを指摘
しています。クリエイティブクラスの人々は集中します。才能を引き付ける「持てる」
地域と才能の流出が止まらない「持たざる」地域が仕分けられているのです。そして
著者は、で「どこに住むの?」という突込みをしてきます。
第3章「メガ地域の台頭」での主張は都市の連携で形成された以上の「メガ地域」が、
国家や都市を超えた新しい経済単位として集積を活かしてイノベーションをリードす
ると言明し、具体的な世界の「メガ地域」の分析を紹介しています。残念ながらモノ
クロ印刷であるため、印象が弱いので、本文末にあるURLで夜間光を見ると感覚的に
理解が深まるでしょう。また原論文に挑戦するならば文末のURLにpdfの論文がありま
す。おせっかいですが、パソコンではAdobe Digital Extensionをダウンロードして、
pdfの論文は電子書籍として読むと読みやすいですよ。iPadではiBookで。
第4章「集積の力」では「経済の根本には集積しようとする力が働いているから、人
間、生産力、創造的スキル、才能は特定の地域に集まり、それが経済成長の原動力に
なる」と説いています。何人かの経済学者の研究を引用しつつ、「才能が集積する都
市が経済成長の最大の要因である」という結論に導いていきます。「経済成長は、拡
大と発展にある、発展は差別化、拡大は規模や量の増大とあります、イノベーション
の源泉は企業でなく都市である」というジェイコブスの言明を畏敬の念を持って紹介
しています。「集積化により地域は選別されるがそれは必然的に人の選別になる」と
いう言葉も意味深いですね。従って、「今後の世界経済の中心は一握りのメガ地域と
高度に専門化された地域に再編される」と結論しています。この一握りの中に東京が
あるのですが、住んでいる人がその意識が薄いのが淋しいです。以上で総論の第一部
が終わり各論の第二部、そして第三部では居住地の選択に関する助言と続きますが、
これは読んで頂いた方がいいでしょう。でないと丸ごと要約することになってしまい
ます。具体的には、第5章 移動組と定着組、第6章 才能の集まる場所、第7章
ジョブシフト、第8章 スーパースター都市と続き、第三部は、場所の心理学として
第12章迄あり、第12章は最高の居住地を見つける方法、とまで具体的です。やは
りアメリカの学者は読者に対するサービス精神が凄いですね。日本人の学者も見習い
ましょう、社会を変える、動かすのは学者ではなく市井の人々の納得ですから。
参考URL:
夜間光衛星写真
http://agora.ex.nii.ac.jp/~kitamoto/research/rs/stable-lights.html.ja
http://eoimages.gsfc.nasa.gov/images/imagerecords/55000/55167/earth_lights_lrg.jpg
http://visual.ly/language-communities-twitter
メガ地域の分析
http://creativeclass.typepad.com/thecreativityexchange/files/
florida_gulden_mellander_megaregions.pdf
(2行目をfiles/の後に続けてブラウザにてご覧ください。)
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◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更
右記まで webmaster@fukan.jp
………………………………………………………………………………………………………
◆俯瞰 MAIL 0013号(2012年1月16日)
発行元: 一般社団法人 俯瞰工学研究所
発行責任者:松島克守
URL: http://fukan.jp
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俯瞰 MAIL 012 号( 2011 年 12 月 24 日)
皆様
俯瞰 MAIL 011 号( 2011 年 11 月 21 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆暖かい11月の下旬になりますが晩秋の感じ出ません。温暖化の為かと思うと気になります。東南アジアの洪水にしても異常で、人類は有限の地球の枠を踏みだしてしまったのかと思わせます。世界人口70億人、子供の頃は30億人と社会科で習った記憶が有ります。-----------------------------------------------------------------------------・海南島に行ってきました・南シナ海の波高し・プラチナ構想ハンドブックの編集進んでいます・俯瞰工学研究所から電子書籍の出版・デジタル
書斎の構築3・書評 : 「プランB 4.0 人類文明を救うために」-----------------------------------------------------------------------------
◆海南島に行ってきました◆海南省の招聘で講演にいきました。演題は「地域クラスターによる地域経済で活性化」です。海南島は初めて行きましたが、とてもいい所です。気候が温暖で中国のハワイと呼ばれて、リゾートの集積が凄く、中国の5星のホテルの大半がこの島にあるとまで言われています。省長はもっと5星のホテルを、と言っているとのことで、今もホテルの建築ラッシュです。バブルそのもので、カジノも力をいれているようです。
とにかく、人々が穏やかで皆さんいい顔をしています。北京や上海と違って、テンションが低くて、こちらもリラックス出来ます。ご担当の海南省科技庁のディレクターのウーさんは、群馬大学に滞在したことも有り、博多の総領事や大使館の一等書記官を歴任して、生まれ故郷の海南島で国際科学技術連携の責任者になっています。会うと向こうから、「一等書記官の時東京でお会いしまししたね」と言われ面くらいました。人の縁、交流は大切ですね。直接日本と戦をしていない事も関係あるかもしれません。
島の最南端、すなわち中国の最南端の海岸に有名な南山寺という仏教の施設が有り、目の前に南シナ海が広がります。この景色をみれば、南シナ海は中国の海と思うのも無理ないか、と思うと同時に、すぐ右手にはベトナムの陸地が見え、ベトナムの人も、目の前に広がる南シナ海が自分の海と思い、フィリピン、インドネシアの人も同じ思いでこの南シナ海を見ているのでしょう。領海問題は難しいのですね。ところで、最近中国は竹島のことを独島と呼ばなくなったようです。
◆南シナの海の波高し◆南シナ海での強硬な中国海軍の活動、ミャンマーでの軍港租借、尖閣列島、台湾への圧力等々で、アメリカは4500億ドルの国防予算削減の中で、遂にオーストラリアの北部に海兵隊を配置するという行動に出ました。中国は不快感を表明し、インドネシアも歓迎しませんが、フィリピン、ベトナムはホッとしているかもしれませんね。もしかすると中国はアメリカを刺激しすぎたと悔やんでいるかもしれません。此れまで、穏やかな対立関係を志向してきたアメリカの一大決心です。宇宙の「神船」のデモンストレーション、そして繰り返されるサイバー攻撃にアングロサクソンが反応してきたと思います。東アジアにおける3つの大国は、日本、中国、そしてアメリカですが、日本の外交はどう対応できるのでしょう。
今、議論沸騰のTPPはこの対立の構図の真ん中にあります。そして、日本は日米同盟の強化に動いたわけです。中国も日本に対して此の所、比較的丁寧に対応してきましたが、これからどうなるのでしょう。日本以外のこの地域のTPP交渉参加国の顔ぶれは、シンガポール、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、ニュージーランドです。ベトナム以外は旧英連邦の国です。日本参加の重みを感じますね。あとこれに米州のアメリカ、ペルー、チリです。鉢巻姿でTPP絶対反対と叫ぶ、JAと医師会の方々はこんなことは関係ないのでしょうね。
国民レベルは此の様な政治家の思惑や利権、そして軍部の迷走に関係なく、連携を進めて行きましょう。
◆プラチナ構想ハンドブックの編集進んでいます◆プラチナ構想ネットワークの活動の一つ、これに関連する情報と知識を構造化して統合する、プラチナ構想ハンドブックの編集が俯瞰工学研究所で進んでいます。プラチナ構想ハンドブックは、紙の書籍と、電子書籍、そして知的ウェブの3つの形態で実装されます。紙の書籍はプラチナ構想の基本的な提言と、その展開の解説論文です。考え得る限りの日本最高レベルの専門家に参画して頂きました。既に19本の論文を編集中で、1月に日経BP社から出版の予定です。
紙の書籍は、こまめな改訂が出来ませんし、動画や音声、スライドショーなど多様な表現の情報が収録できません。この紙の書籍の改訂版と、マルチメディアの情報の部分を、電子書籍で提供する予定です。
紙の書籍も電子書籍も一方的な情報発信でしかありませんが、知的ウェブでは双方向のコミュニケーションや集合知、議論など参加型の形態が可能になります。電子書籍は紙の書籍が落ち着いた春になると思いますが、知的ウェブは最初のバージョンを何とか年内に公開したいとスタッフががんばっています。
◆俯瞰工学研究所から電子書籍の出版◆電子書籍について一年以上、俯瞰工学研究所で調査研究してきましたが、技術的、ビジネス的に準備が出来て、いよいよ12月に第一弾が発行されます。「知の構造化の技法とその応用」です。東京大学の俯瞰工学研究室、即ち松島研究室の研究成果を纏めたものです。環境学、老人学など多分野複合型の学術俯瞰や、エネルギー、太陽電池、燃料電池など先端技術の学術俯瞰とその解説を収録しています。その基になっている技法も解説してあります。
この出版は、電子書籍と従来の紙の書籍の二本立てです。まだ日本の電子書籍の流通がはっきりしないことと、電子書籍を読む機器、人が少ないため当分はこのスタイルでいきます。電子版は、タッチパネルの携帯端末で自由に持ち歩けて、思いついたときいつでも見ること、読むことが出来る。また、図番や文字を拡大してみることも出来きます。紙の書籍は、Amazonから直接に販売し、電子書籍はとりあえずAppleから販売を予定しています。日本の電子書籍の流通が整備されれば順次そちらでも販売します。この後、地域クラスター、俯瞰経営学などの出版を予定しています。
◆デジタル書斎の構築3◆書斎の紙情報の整理をデジタル書斎の構築1で、基本的なソフトウェアについて2で解説しましたので、今回はいよいよ本質的な知的作業について話しましょう。知的創造で最も重要な事は、興味の対象、即ち研究対象を明確に持つ事です。学術研究者にとって、研究テーマとの出会いが運命を決めると言ってもいいでしょう。それが金鉱脈であれば、結果も出ます。其の為に、数多くの論文を読みます。その時間が長い。特に博士号取得後、次の目標を見つける時間が、研究者として独り立ちする時間です。これはプロフェッショナルの世界です。
学術研究者でなくても、あることに強い興味を持てば、その時から、猛烈に知的活動が活発化します。知的活動は基本的に、情報の収集、分析、編集の3プロセスです。
先に述べた様な明確な探究心があると、この情報の収集のプロセスが活性化するのです。例えば、再生エネルギーとか、リサイクル、健康、中国、映画、料理、古代史などに特別な興味を持った時には、頭の中にその情報ファイルのフォルダが出来ます。そして新聞を読んでも、雑誌を見ても、テレビを見ても情報の方から声を掛けて来るようになるのです。
情報源は無数に有りますが、まず新聞です。とんでもなく良質の情報が、毎日届けられるのです。朝時間を掛けて新聞を読み、自分のテーマに関連する記事を切り抜く作業を何十年も、習慣としてやって来ましたが、このスクラップの作業は、電子版で極めて効率的に出来るように成りました。日経新聞を購読している方には、1000円追加して電子版の購読を強くお薦めします。記事の保存ができ、検索が出来ますので、紙のスクラップとは全く違う次元です。更に、記事だけマウスで選択して、前回紹介したEvernoteでクリップしておくと最先端技術による、デジタル書斎の作業の世界に入ります。クラウドのEvernoteに放り込んで置いた記事は、通常のGoogle検索した時、GoogleはEvernoteの中の情報も一緒に検索対象にするので、ある時突然スクラップした記事が飛び出して来ます。これは紙のスクラップブックでは出来ません。
国際的な情報はBBCのニュースサイトが圧倒的に良いですね。ただ英語なので、日本語で提供されるGoogleニュースの国際ニュースもかなりいいです。これ等もEvernoteのクリップで、デジタル書斎の情報庫にいれて置きます。英語のウェブ情報を読むなら、Google
ChromeまたはIEの拡張機能にある、Weblioのアドオンを入れる事をお薦めします。知らない単語の上にマウスを移動するだけで、研究社の英和辞典がポップアップされて、辞書を引くという作業が自動化されます。紙の世界とは異次元の知的生産性です。Weblioは、Google
Chromeのツール⇒拡張機能⇒Weblio英語エクステンションで(有効)を確認して、さらにそのオプションで、「英単語にマウスカーソルを合わせると検索」を確認して下さい。
長くなるのでこの続きは次回にしましょう。iPhone 4Sも入手してありますがその評価も次回に。
◆書評◆
今月のご紹介は、「プランB 4.0 人類文明を救うために」レスター・ブラウン著 木村由香里他訳[環境文化創造研究所 編集協力] 2010 ワールドウォッチジャパン
本書は、地球環境問題の専門家であるレスター・ブラウンの提言書です。彼は農学を修め、米国農務省で活動したのちワールドウォッチ研究所、アースポリシー研究所を創設して「地球白書」などにより環境保全の行動を呼びかけています。
従来どおりの生活、産業を続け世界の終焉を迎える事を「プランA」と呼び、社会、生活を革命的に変えて地球上で持続的な人類社会を実現する行動計画を「プランB」として提案しています。即ち、人類文明の存続は「地球環境が『限界点(threshold)』を超える前に、人類社会が『転換点(tipping point)』を形成出来るか、に掛っているという警告です。
冒頭の「はじめに」の最後の言葉が気に入りましたね。環境保護活動家のポール・ホーケンの言葉ですが「何が不可能か知っている人たちの為に、意欲を失ってはいけない。やらなければならない事に取り組んで、その取組が終わってから、不可能であったかを確かめよう」です。要するに出来ない理由をうまく説明する人の話は聞くな、まずやってみよう、結果を議論すればいい、という事です。企業活動や全てに言えますね。私も学生に、出来ない理由を開口一番口にする「癖」を直し、最悪でも「Yes、・・・、but・・・」の構文で話すようにと指導してきました。
彼の危機感の基底は、地球温暖化により、ヒマラヤやチベットの山岳氷河が消滅し、北極と南極の氷が融解し、そしてこれに伴う灌漑システムの崩壊と海面上昇による水田の喪失が起こり、結果として食糧の安定供給(フード・セキュリティー)が脅かされ、最悪の結果は食糧の争奪戦争になり人類の文明が滅びる、という事でしょうか。さらに人口増加と、新興国の経済成長による、穀物から畜産品への移行が食料供給をさらに危うくするという事です。地下水の汲み上げによる灌漑システムも、既に限界を超えているという事です。日本は例外的に雨量が多いので表層水だけで灌漑している幸運な国です。つまり日本の絶対的な優位性は水資源に恵まれているという事です。
ですから文中、彼は繰り返し貴重な食料であるトウモロコシや大豆から燃料のエタノールを生産する暴挙を咎めています。前に紹介したポール・ホーケンの言葉、「今、私たちは、未来から盗んだものを、現時点で売り、国内総生産と呼んでいる。未来から盗むのではなく、未来を救うことに基づいた経済にすることは同じくらい簡単だ。未来の為に資産を築く『修復』か、未来の資産を奪う『搾取』か、どちらかを選ぶことが出来る」を引用しています。お二人はいい関係ですね。
そして、7つの提案からなる「プランB」を解説しています。それは、1.炭酸ガス排出を削減するエネルギー効率の革命、2.再生エネルギーへの果敢なシフト、3.持続可能でウェルビーイング(well-being)な都市設計、4.貧困を解消して人口を安定させる、5.環境を修復する、6.フードセキュリティーの実現、7.公正な市場の構築と、補助金と課税のウィン・ウィン戦略、です。この詳細を事例や数字を引いて解説しているのが本書です。
日本について幾つか言及していますが、日本の家電でエネルギー効率化をさせたトップランナー方式を世界で最も強力なシステムである、と高く評価しています。即ち、最高の効率の製品を基準にする事で15-80%、の改善を実現したと。また、「日本の新幹線は、四十数年間に数十億人の乗客を運んだが、鉄道事故による死者は一名もいない。到着の遅れは平均20-30秒ほどである。現代の『世界七不思議』を選ぶとすれば、“新幹線”は間違いなくその一つに選ばれるだろう」と、これは称賛を超えています。
彼のユニークなのは提案する「プランB」の予算を算定している事です。それは1870億ドルでアメリカの軍事予算の約三分の一であり、世界の軍事予算の13%に相当するとあります。ちなみに2009年半ばで、イラク戦争の戦費は約6420億ドルであると。
彼が挙げている社会変化の三モデルが面白いですね。一つは「大惨事警鐘モデル」、劇的な事故が我々の思考や行動を抜本的に変える。二つ目は「ベルリンの壁モデル」、長い時間を掛けて思考や姿勢が変化して社会が特定の問題で“転換点”に達する。三つ目は「サンドウィッチモデル」、活発な草の根運動が特定の問題で変化を促し、これと強力な政治のリーダーシップが呼応する。幸か不幸か日本は「大惨事警鐘モデル」になっていますが、これを機に思考と行動を根本的に変える決意が必要ですね。この本は2009年以前の発行ですが、まさか地震や中国の事故の予兆を感じていたのでしょうか。
最後に、「世界が直面している環境問題について私に何が出来るでしょうか」とよく質問されるそうですが、相手はライフスタイルの変化についての答えを期待していると判っていても、「政治に参加することである」と答えるそうです。
=======================================◆内容・記事に関するご意見・お問い合わせ/配信解除・メールアドレス変更右記まで webmaster@fukan.jp……………………………………………………………………………………………◆俯瞰 MAIL
0011号(2011年11月21日)発行元:一般社団法人 俯瞰工学研究所発行責任者:松島克守URL:http://fukan.jp/=======================================
俯瞰 MAIL 010 号( 2011 年10 月 15 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
季語の「釣瓶落とし」の通り彼岸を過ぎて日は随分と短くなりましたが気温は思った
より暖い日が多く、上着も手に持つ日が多いこの頃ですが、すぐに秋らしくなるで
しょう。13日青森に行きましたが今年はきれいな紅葉が始まっていました。
◆スティーブ・ジョブスが逝った◆
スティーブ・ジョブスが56歳で逝きました。世界中からその死を惜しむメッセージが
発せられていますが、個人的にも感無量です。パソコンを創り、そのパソコンに引導
を渡して逝きました。ITの世界の本当のリーダーだったという事を改めて認識させて
くれました。そしてリーダーとは、という事も。彼の最後の手紙、これは辞世の句、
彼は本当の侍ですね。
生前の彼の言葉が多く紹介されていますが、読み返しても凄いことを言っていたのだ
なと、再認識させられます。例えば、「デザインとは、人間が作った創造物の基本と
なる魂であり、・・」とありますが愛用しているiPhoneは彼の分身だったのです。ス
タンフォード大学での講演「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ」も凄いで
すね。YouTubeにその映像があります。
Web上に無数の情報はありますが、俯瞰工学研究所のサイトの「ジョブスの言葉」に
いくつか置いておきます。1991年にスティーブ・ジョブスとビル・ゲイツがITの未来
を語った20年前の記事がたまたまファイルの中から見つかりましたのでそれも置いて
あります。
http://www.fukan.jp/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%96%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%A8%80%E8%91%89/?logout=1
◆サンクト・ぺテルブルグに行ってきました◆
9月の末にサンクト・ペテルブルグに行ってきました。まず、空港がとても小さいの
でびっくりです。羽田の国際線より小さい感じです。
日産自動車の工場とそのサプライヤー、そして地元の建機メーカーを見学してきまし
た。トヨタ、GM、フォード、現代そして日産と工場がありますが何れもノックダウン
を小規模に始めたばかりで、想像していたよりずっと小規模で、当地の自動車産業も
これからです。サプライヤーの集積も僅かで、中国の自動車産業の数年前の状態です。
ただ凸凹ありますが年間200万台くらいの市場規模で近く400万台になるという
事ですのでやはり潜在的な市場としては大きいでしょう。因みに日本市場は500万
台で飽和しています。高速道路は市中心部を囲むルートが完成しつつありこのルート
上に工場はありますが、その周囲は、殆どは広大な原野のままです。地元の企業は、
広大な荒廃したかつての国営工場の後の一部の建屋を借りて生産を始めたと云う所で、
製造業はこれからだと現地の人も言っていました。資源関係に投資と開発が集中して
いて製造業は後回しの感じです。
滞在中に、プーチンの大統領選出馬の発表がありましたが、地元の人は白けた感じで、
これでまた変革が遅れるだろうと言っていました。国内のニュースは信用せず、イン
ターネットの情報を見ているようです。インターネットはかなり自由でかつWiFiはホ
テルなどではよく整備されていました。
街、凄いですね。歴代の皇帝が西欧文化を積極的に導入して、ある意味コピーしたの
で極めてヨーロッパ的です。なにしろ皇帝がオランダの造船所でインターンシップし
たくらいに貪欲に西欧文化を取り入れています。バルチック艦隊が出動した軍港もあ
りますが、当時のこの街、この軍隊を見た日本人は日露戦争の開戦に躊躇したでしょ
うね。当時の東京とは比べようもない大都会だったでしょう。結果、日本はロシアに
勝った唯一の国です。
ナポレオンも、ヒトラーも敗退しました。「ビストロ」という言葉は、ナポレオンを
追ってパリに進駐したロシアの軍人が、レストランで「早く、早く」と急き立てた時
のロシア語がなまったものだというと通訳が教えてくれました。この通訳は小泉首相
の訪ロでも通訳を務めたとのことで、日本ついては詳しかったですね。
しかし、数多くの豪華な宮殿を農奴の犠牲の上に作り続けた怨嗟で、ロマノフ王朝は
倒されたという事も納得がいくような、華美でベルバラ的趣味の宮殿がいくつもあり
ます。
◆台湾の高雄に行ってきました◆
10月の初めに台湾の高雄に学会の招待講演で行きました。台湾は何回か行きました
が、高雄は初めてです。成田から直行便があります。行ってみると学会は観光ビジネ
スの会議で、なんで私が呼ばれたか判りませんでしたが、聞いてみると日本語のでき
る人は日本のサイトを見ていて、おまけに拙書「地域新生のデザイン」を持っている
人もいてびっくりしました。講演は「地域クラスターの作り方」を英語でしましたが、
中国語への通訳の人の知的レベルが素晴らしく、内容を完全に理解して自分の話のよ
うに話しているので、聴衆は非常によく理解できたことを、質問の時間に理解しまし
た。
国立の観光大学がいくつもあるのにいささか驚きましたが、一緒に招待されていたニュ
ージーランドの教授から、ニュージーランドの基幹産業は観光と教育で、その為、観
光学科が多くあり人材を供給しているという話で、どうも日本人は、産業=製造業と
いう固定観念に侵されているという事が判りました。
台湾の人たちはともかく明るく前向きで、男子はおとなしく女性は元気がいいという
印象を受けました。親日的で気持ちのいい滞在が出来ます。日本と台湾の連携は今後
深まると思います。街は比較的清潔で中国の先の世界にあると思いました。
即ち、台湾、韓国、シンガポールは日本に続き、先進国になったという実感がします
が、この後のアジアの国々はこの水準までいけないのではないかという感じが最近し
ます。水、食料、エネルギー、高齢化と成長のハードルが高くなってしまいました。
◆ビジネスモデル学会が10月29日に東大本郷で開催されます◆
大会のテーマは「3.11 それから」です。下記のような貴重な講演を準備できました。
これを聞かずして、3.11を語るなかれ!
< 日時と場所 >
開催日時:平成23年10月29日(土)10時-18時 交流会18時-20時
開催場所:東京大学本郷キャンパス工学部新2号館 (アクセス)
< 主な講演 >
-基調講演:「3.11大震災によって企業経営の何が変わったのか」
ビジネスモデル学会副会長/カーライル・グループ マネージング・ディレクター日本共同代表 平野 正雄 氏
-特別講演1:「空洞化の実態と真の国益」
タイ王国政府政策顧問 松島 大輔 氏
-特別講演2:「甦れ!ヘドロから咲く花」―被災地支援の一般法則―
元農林水産省生産局花き産業振興室長/京都大学経済研究所准教授 佐分利 応貴 氏
-特別講演3:「激闘240日!現場からの報告」―本物の復興に向けて、これからが勝負だ!―
事業創造大学院大学准教授 赤木 弘喜 氏
-特別講演4:「BCPの反省と再構築」
危機管理対策機構理事 細坪 信二 氏
< 会員発表 >
-会員発表1:事例報告
海外での大災害等発生の際の情報伝達方法の現状と課題
外務省(在ハンガリー日本国大使館三等書記官兼副領事)天野 真吾 氏
-会員発表2:研究論文
大規模災害を想定した地方空港の新たなマネジメントモデルの提案
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 特任准教授 湊 宣明 氏
-会員発表3:事例報告
震災時における民事責任法の役割
―風評被害リスクマネジメントとビジネスモデルの構築―
拓殖大学政経学部 講師 露木 美幸 氏
-会員発表4:研究論文:
書籍流通における効率配送のビジネスモデルの研究
―予測法の開発と店舗送品支援システムの構築―
東京大学 工学系研究科 システム創成学専攻博士課程 松島 和史 氏
< パネルディスカッション >
ディスカッションテーマ:「3.11 それから」
モデレーター:
ビジネスモデル学会 松島 克守 会長
パネラー:
危機管理対策機構理事 細坪 信二 氏
事業創造大学院大学准教授 赤木 弘喜 氏
元農林水産省生産局花き産業振興室長/京都大学経済研究所准教授 佐分利 応貴 氏
タイ王国政府政策顧問 松島 大輔 氏
ビジネスモデル学会副会長 平野 正雄 氏
http://www.biz-model.org/
◆デジタル書斎の構築2◆
前回は書斎に散らかる紙のpdf化を取り上げましたが、既に製本されている報告書等
については捨てるのが一番ですが、それでも電子化して保存したい向きは、LION
PAPERCUTTER PCA4-PNというカッターを購入して端を、5-8ミリ程度切り落として
S1500でスキャンすれば簡単にpdf化できます。10ミリくらいまでは一度に切り落とせ
ますがそれだけに危険でくれぐれも指を切らないようにお願いします!スキャン前に
ジャムらないように原稿をさばいておくといいでしょう。
次に名刺です。これも長年苦労しましたが現在の結論は、20枚ずづくらい、S1500で
読み取り、S1500付属の「名刺ファイリングOCR」でOCR化することです。スキャンの
前に設定でアプリケーションを「名刺ファイリングOCR」に切り替えて置く事。読み
取りは片面で十分でしょう。メールは字が小さいので、白黒400dpiにしておいた方が
いいでしょう。名刺管理のポイントは読み取りミスを気にしないことです。OCRはミ
スもりますが、イメージも保存されるので、必要がればその時見ればいいですから。
私は氏名とメールアドレスは修正しています。仕事によっては企業名も修正する必要
がありますね。住所・・・気にせず放っておきます。これで名刺は全部捨てられます。
この気分は最高です。
書斎のデジタル化に必須のソフトウェアは、DropboxとEvernoteです。両方ともクラ
ウドの無料サービスですが、ここは少しお金を出して有料にしておきます。有料です
と、Dropboxのクラウドの容量は50Gになります。Evernoteはローカルのホルダーが
置ける事と、クラウドにアップする容量が無制限になります。容量が大きくなること
よりもローカルのフォルダーが便利です。
Dropboxの使い方ですが、パソコンのドライブCの直下にDropboxというフォルダーを
作り、そこにマイドキュメントを丸ごと移動します。動画やビデオは容量が多いので
中に入れない方がいいでしょう。システムがローカルのDropboxのホルダーとクラウ
ドのDropboxのフォルダーを自動で同期します。バックアップも自動でとります。ファ
イルも間違って消したファイルも戻せます。これが凄い!
これで、複数のパソコン、iPad、iPhoneでどこでもマイドキュメントが共有が出来ま
す。ユビキタス環境の実現です。iPad、iPhoneの場合はGoodReaderというソフトウェ
アを機器に導入して置くと、クラウドのDropboxのデータを機器の中のストレージに
収納できますので、ネットワークが繋がらない環境でもそのドキュメントを見れます。
あらかじめそのようなドキュメントをGoodReaderにダウンロードしておきます。これ
もほとんどワンタッチです。
Evernoteはちょっとした情報をメモしておくツールです。IEやGoogleChromeに
Evernoteのプラグインを入れて置くと、気になるサイトの全体や、記事、URLをワン
クリックでクラウドにしまって置けます。ブックマークよりはるかに便利です。
手書きの白板の情報や、バス停の時間表の写真・・なんでもメモできるうえに、画像
の情報はOCRしておいてくれますので、あとで検索できます。機器のシリアル番号も
写真にしてEvernoteに入れています。iPhoneの写真もそのままEvernoteに送れます。
ただ写真はとりあえずそのままiPhoneの写真ロールに置いておいて別途パソコンにバッ
クアップ、ですが。さらに、こうして放り込んで置いた情報はGoogleの検索エンジン
が一緒に検索してくれるので、思わぬ時に情報が浮上します。紙のノートでは不可能
でしょう。これも凄い!
ざっと書きましたが、これだけで知的生産性は驚くほど向上します。ただ本質的な知
的能力が向上することは勘違いしないでください。
詳細わからない人は近くのiPone愛好家に質問してください。
次回?
◆書評◆
今月のご紹介は、
「暴走する文明」 ロナルド・ライト著 星川淳訳 2005 日本放送協会
本書は、歴史家であり作家のロナルド・ライトの著作になります。俯瞰学の手法の一
つは時間的俯瞰ですが、歴史学は時間的俯瞰から独自の解釈と認識の構造を引き出す
ものです。一読に値する一冊です。「我々はどこから来たのか?我々はどこに行くの
か?」というゴーギャンの問いからこの本の語りは始まります。この絵の写真は、
(社)俯瞰工学研究所のサイトの「特別な写真」に置きます。
このまま野放図な消費を続ければ、地球環境の破壊とともに人類も滅亡するという警
告の書です。墜落した飛行機から回収したフライトレコーダを読み解くように、過去
に滅亡したイースター島、シュメール文明、マヤ文明そしてローマ帝国の凋落のプロ
セスを読み解きいくつかのパラダイムと警告をしています。
この本では「文化」とはある社会の持つ知識と信条と実践の総体をさし、「文明」と
は特殊な文化をさすとあります。ただ、文化のすべてが文明であるとは限らないとも
あります。人類の歴史の99.5%は旧石器時代であり、文明の発祥以来の時間は
5000年ほどで70年の生涯を70ほどつないだものだという時間感覚を強調していいます。
イースター島は、火口湖からの花粉の分析では、かつては水も植物も豊かであったが
移り住んだ人類の野放図な消費と持ち込んだネズミにより木一本ない島になったとあ
ります。石造信仰にすがり、ほかの島に行くカヌーを作る木もなくなるまで切り倒し、
その為に、最後の木を切り倒した人たちは、最後の一本であり、もう二度と木が生え
ることはないことを承知で切ったはずだとあります。無制限の人口増加、資源の浪費、
環境破壊、宗教が保証する未来という狂信の実験を見せてくれたとあります。
メソポタミアのシュメール文明も同じように、現在のために未来を犠牲にして、天然
資源の最後の一滴まで絞り尽くすというイースター島と同じふるまいの末滅亡し、古
代の都市跡を取り巻く現在の砂漠はその住人達が作ったものだといっています。
ローマ帝国がなぜ凋落したか、疫病、蛮族、鉛毒、狂気の皇帝、腐敗、キリスト教と
ありますが、複雑なシステムは必ず収穫逓減に屈するという原理、そして帝国の土壌
が疲弊すると、環境負荷を植民地に輸出し、その結果周辺も疲弊し、周辺のローマ都
市の遺跡は今は砂漠の中にあると。
「ピラミッド体系」というパラダイムも面白いです。ローマとマヤの歴史から、文明
がしばしば業績拡大の間だけ儲かるピラミッド型「マルチ商法」のふるまいを見せる
とあります。即ち文明は拡大する周辺から富を吸い上げるので、絶頂期に不安定にな
り、さらに前進する唯一の道は自然と人間から新たな借入金を絞り続けることとあり
ます。日本、米国、そしてこれからの中国に思いを馳せると意味深長です。マヤの高
塔群はすべて最後の1世紀に建てられたものだと。マヤは人口過剰と農業の失敗で崩壊
したと結論付けられています。
エジプトと中国は多くの文明が千年前後で滅亡したのに対し、ともかくその後、三千
年残った。エジプトは緩慢な人口増加とナイルの洪水により救われたが、農地を潰し
て都市を建設するほど愚かでなかった、というくだりは弥生以来の美田を潰してきた
日本人には耳が痛いですね。中国は分厚い黄土の堆積層に救われ、さらに南部にこけ
る水田農耕という持続可能な農業システムで残ったとありますが、北部の黄土地帯に
今は水がありません。これは深刻な問題で、中国の経済成長に伴う食糧需要と干ばつ
による農作物の不作のため、既に世界の食料価格は2倍に上昇しています。(文末のURL)
人口は食料供給の限界まで増加し、富が社会の階層の上層に集中するため社会全体に
十分な食料が行きわたる事はないという言葉も、重いですね。
最近の反ユートピア小説から引用されている「希望は、一番大きな空約束する政治家
に当選の道を開く」、「我々大半は、手堅く予測可能な清貧より、わずかな希望にか
ける」、「貧乏人が自分を搾取されているプロレタリアートではなく一時的に困って
いる億万長者とみなす」、「アメリカはまだ朝の国と言って省エネをあざ笑うレーガ
ンを大統領に選んだ」という一つ一つが胸に刺ささります。
今や文化や政治システムは異なっても経済的にはただ一つの文明が存在し、地球全体
の自然資源を食いつぶしている、このまま行けば世界的な飢餓と無政府状態と戦争が
起こり、21世紀末までこの文明が生き延びられる確率は五分五分より大きくない、
という事が本書の最終的な警告です。イースター島の住人は最後は殺し合いと人肉を
食らう地獄だったといいます。
ネオコンに対する批判は手厳しくて、規制緩和や減税は、お太鼓持ちのメディアが売
り込んだが、実際のところ大衆は税金が引き下がらなかった。これはいま日本で議論
している法人税を減税して消費税を引き上げるという事かと?
彼は現代人の祖先であるクロマニオン人に滅ばされたネアンデルタール人や、ヨーロッ
パ人に絶滅された北アメリカ先住民に対する同情と愛情を感じさせる記述を随所に入
れています。自身もネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいるとも言っていいます。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4710.html
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俯瞰 MAIL 009 号( 2011 年9 月 14 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
9月も中旬になり、秋刀魚がおいしくなりました。魚屋に行って太った秋刀魚を見る
とつい買ってしまいます。桃も最盛期です。ネクタリンは特に好物ですが高いですね。
暑い日がありますが、もうすぐ彼岸ですから日は短くなりました。政権も交替して出
直しですが、なぜ大臣になると口が軽くなるのでしょうか。民主党には軽い人しかい
ないのか、という話になりかねません。無理して国会議員を大臣にする必要ありますか。
この秋からは、冷静なエネルギーの議論を始めたいですが、それにしてもフクシマ原
発の情報が小出しで、全貌がいまだ解りません。議論のために調査委員会は中間報告
を出してほしいですね。
◆日本経済新聞の「交遊抄」に寄稿しました◆
日本経済新聞9月5日朝刊の「交遊抄」に寄稿しました。
(社)俯瞰工学研究所のサイトの「特別な写真」に載せてあります。多くの方々から
フィードバックを頂きましたが、最後のくだり「良い仕事をすることが良い友人をつ
くる」が好評でした。
◆プラチナ構想スクールの第一期生卒業しました◆
プラチナ構想ネットワークの理念を理解して、各地域で実践する、地域のリーダーを
育成する、プラチナ構想スクールは2月から開講して、26の自治体から次世代を担
う人材が参加しましたが、8月27-28日、いわば卒業論文の「わが街のプラチナ
構想」の発表を全員が行い、小宮山宏校長から修了証書を授与されました。この「わ
が街のプラチナ構想」は多くの人に参考になると思いますので早い段階に公開したい
ですね。
第二期は18自治体が申し込んでいます。この秋からの開講です。
◆日本を取り巻く国際情勢は目が離せません◆
前回は韓国が「日本海」の名称を「東海」とするよう主張していることについて「日
本海」が国際的に認知された表記だ、と米国が断った記事を紹介しました。
今回は事もあろうに野田新首相のフクシマ視察の8日に、ロシア軍は爆撃機2機を日
本列島上空で周回飛行させ、10日には海軍艦艇24隻が宗谷海峡を通過させたと報
道されました。
ここまでやるか?考えるのが日本人の国際情勢の鈍感度でしょう。ここまでやるので
す。反応を見てもっとやるでしょう。中国はマカオがカジノに使うと言って、ロシア
から購入した中古の空母を改装して、南シナ海で演習です。そして日本海に面した北
朝鮮の羅津(ラジン)港を50年租借したという報道もある。日本海の波高しですね。
さらに気になるのは、イスラエルと隣接のトルコ、エジプトが大使をそれぞれ引き上
げるほどの緊張状態になり、ヒラリークリントン国務長官が電話をかけて冷静な対応
を求めるまでになっていることです。
リビアはNATOのごり押しでカダフィ独裁体制を倒しましたが、今後はむしろ不安定な
政情が続かないかと心配です。イラクやアフガニスタンの例もあります。パキスタン
からアフガニスタン、イラン、シリア、イエメン、エジプト、チュニジア、リビアで
戦乱が続いている。これは明らかに第3次世界大戦です。9.11以前に始まったと
言っていいですが、9.11からも10年継続しています。
9.11追悼の式典で、オバマ大統領は式典のあいさつで、「神はわれらの隠れ家、
また力なり。悩めるときのいと近き助けなり。されば、たとえ地は変はり山は海の真
中(まなか)に移るとも、われらは恐れじ」という旧約聖書の「詩篇」の一節を読み
上げ、犠牲者を悼んだ、とありますがこれはあくまでキリスト教徒の立場であり、イ
スラムの貧困な若者には更なるエネルギーを与えることになるでしょう。
イラクではアメリカ軍の撤退が計画されていますが、「終結宣言」以降に死亡した民
間人は自爆テロ等で2600人にのぼります。米国人の戦死は約1000名に上りま
す。戦費もベトナム戦争を超えています。しかし最近では治安上の懸念から、米軍の
一部駐留延長の必要性も指摘され始めました。混乱が続くイラクの現状は、軍事力に
よる体制転換の「限界」を露呈したものです。アフガンも米軍の撤退計画を受け、タ
リバンの攻勢が続いていいます。
重大な問題は、一連のアラブ民主化?の政変の後です。民主化という政変の後、多く
の国がどれほど不安定になっているかは、ホメイニ師のイラン革命が一つの例です。
皮肉なことにエジプトのムバラク政権は極めて親欧米政権でしたし、核放棄後の、リ
ビアのカダフィ政権も親欧米政権でした。
パキスタンからアルジェリアに至る、反ではないまでも親欧米でない不安定なアラブ
情勢は、イスラエルにとっては生存を脅かされる重大情勢です。ヨルダンとシリアの
今後も気になります。ここからこの第3次世界大戦が核まで巻き込んだ大戦争に発展
する危機感が、私はあります。
http://japanese.joins.com/article/688/143688.html?servcode=A00&sectcode=A00
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210909008.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011090900971
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/iraq/casualty.htm
◆地域振興の力を女性からもらう◆
地域振興のプロジェクトにいくつか関わっていますが、これに関する委員会のメンバ
ーが小職を含めてシニアの男性が多すぎるのが気になります。確かに社会経験も豊富
で、人脈を含め影響力がありますが、行動力に欠けます。成功した人ほどめぐまれて
いる故、子育ての真最中の人の感覚と乖離します。
ある県で、「xxxx活性化女性会議」を立ち上げたいと思っています。核となって
くれそうな人にお願いしましたし、県庁のスタッフにも支援をお願いしましたが、結
果はこれからです。地元の活動家の組織化とその行動に対する自治体の支援に加え、
首都圏における強力な応援団の組織化を考えています。
コミュニティーといいますが、地縁がどこまで力になるかが挑戦です。結果は報告し
ます。
◆俯瞰経営塾を二つの企業と始めました◆
二つの企業の次世代経営者の教育を依頼され、俯瞰経営塾を二つ始めました。
出発点をマネージャーとリーダーの差異の認識、目的をリーダーの教育におきました。
http://www.booknest.jp/detail/00004358
◆デジタル書斎の構築1◆
書斎を持つ、これは男(女)の夢かもしれません。私も40歳くらいの時家を新築して
4畳ほどの書斎をつくりそこで数冊の本を執筆しました。執筆はパソコンでしたが資
料はすべて紙でした。それから20年以上たってICTの発達がやっとデジタル書斎の実
現の水準に到達しました。今は、技術とコストに制限はありません。やる気だけにな
りました。これから数回に分けて、私のデジタル書斎の技法について紹介したいと思
います。
○基本的なハードウェア
1.高性能パソコン
今、殆どのパソコンはとんでもない高性能ですか、今時はマルチコアのWindows7
かそれに相当するMACです。ただ書斎のパソコンはノートブックでなくデスクトッ
プの方がいいと思います。書斎での仕事は長時間です。ノートパソコンは俯き加
減になり、首と肩がこります。長時間の仕事は高性能のディスプレイが要ります。
大容量の外付けHDDも要ります。各種の拡張機能のインターフェイスも要ります。
ポイントは、ディスプレイは液晶で大き目、21インチ以上でピボット機能、即ち
画面を90度回転して縦長にできるディスプレイがお勧めです。WEB、メール、A4
文書すべて縦型です。スクロール無しで仕事出来ます。A4が原寸以上の大きさで
見られます。安ければ3万円くらいからありますが、これも長時間見ますからプ
ロ仕様のものが好いと思います。例えばFlexScan EV2335Wなど。デスクトップパ
ソコンは安いです。パソコンもマウスコンピュータなど最先端でもとんでもない
ほど安いです。
2.スキャナー
富士通のS1500
これは必須です。付属のソフトウェア、ScanSnap Organizer、名刺ファイリング
OCR、そしてAdobe Acrobat 9 Standardが重要です。これが書斎の紙をpdfに
してくれ、pdfファイルを編集するツールになります。名刺をデータベースにし
てくれます。
3.裁断機
CARL DC-210Nは雑誌の記事など端面が不ぞろいな紙資料の端をきれいに切りそ
ろえS1500でスムーズな読み取りができます。安全です。
4.プリンターはWifi付の複合機が便利ですが、A4のレーザープリンターもあると
いいです。原稿を書く人は途中打ち出して推敲、校正する時に時間がかからな
いから。HP製品はAppleのiPhone、iPadと連携できます。
5.iPhone、iPad
外出先で威力を発揮します。パソコンを持ち歩いてもいいですが。
○基本的なソフトウェア
1.基本ハードウェアに付随するソフトウェアが核ですが、パソコンでpdfの電子書
籍を管理、読むにはAdobe Digital Exditions(無料)が必要です。クラウドサー
ビスの、DropBox、Evernoteも必要です。有料会員になっておいた方がいいでしょう。
これがあればどこでもどのパソコンでも仕事出来ます。メールもGメールで見ら
れるようにしておきましょう。Google Chromeもブラウザーとして入れて置く
とEvernoteとの連携が絶妙です。
2.マイクロソフトのオフィスは2010に出来ればしたいですね。最低でも2007にした
いですね。拡張子が変わりましたから。例えばppt→pptx、doc→docxのように。
3.ユーティリティーは数多くありますが、下記はあった方が格段便利です。以下
すべて無料:
圧縮解凍ツール 例えばLhaplus
ファイルの同期 MSのSyncToy
iPhone、iPadの利用ではiTunesは必須
スパイウエア対策に Spybot
レジストリーやパソコンの掃除に CCcleaner
○紙資料の電子化と整理
1.まず書斎にある紙資料は殆ど不要ですからこの際思い切って廃却する、これが
大事で後の作業量が激減します。
2.それでもとっておきたい資料で端面が綺麗な資料は、個別にS1500で読み取り、
pdf化する。あくまで資料単位で、一枚でも別にスキャンする事。スキャン後
はデータがScan organizerに入るので、スキャンの度に的確な名前を入力して
おく。これが大切です。しないと日付だけになり後で判別できません。複数の
pdfファイルを1つに統合することや、分割はAdobe Acrobat 9 Standardで出
来ます。ただ分割は紙の段階でやって置いた方が手間が掛かりません。
3.雑誌の記事は必要部分だけ切り取る。カッターをうまく使うといいですが、
これは記事ごとに、CARLの裁断機で端を最小幅切り落とし、S1500で読み取り、
pdf化します。Scan organizerに入るので前後の不要ページや途中の広告のペ
ージを削除して、これもすぐ適切な名称を入力します。
4.閉じられた資料は裁断してpdf化することも出来ますが、思い切って捨てるか
そのままで保存する?業者にpdf化を依頼もできます。
5.pdf化した資料はパソコンのAdobe Digital Exditionsのライブラリーに登録
します。この時分野別、例えば、旅、食、アート、ファッション、人・・・
別にブックシェルフを作成し分類して入れると後で見やすいです。電子書籍
として読む事が出来ます。
6.iPhone、かiPadでこの資料を電子書籍として読むには、iTunesでファイル→
ライブラリーにファイルを登録する、でします。デバイスをiTunesで同期す
ればiBookで見る事が出来ます。
○名刺・・・以下次に続く。
◆書評◆
先月はバエンボエムの「バレンボエム音楽論―対話と共存のフーガ」の書評でし
たが、その主題がパレスチナの平和でしたので、この問題の核であるイスラエル
の内情を書いた、
モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」
エフライム・ハレヴィ 著 河野純治 訳 光文社 2007
を今月は、紹介します。
本書はイスラエルの諜報機関として有名のモサド(Mossard)の長官であったエ
フライム・ハレヴィの回想録です。著者は、「自叙伝でも、モサドの功績を綴っ
たものではないがその要素は多分に含まれる」とあとがきで述べています。今
現在、パキスタン、イラン、アフガニスタン、イラク、シリア、ヨルダン、イス
ラエル、エジプト、スーダン、リビア、チュニジアと戦火の中にあります。著者
は1998年のアフリカの二つの都市でアメリカ大使館が爆破された時から「第三次
世界大戦」が始まったという認識をしていますが、我々日本人はその情勢に極め
て疎いですね。本書はそのイスラム系国際テロ組織と真っ向から戦い、周辺のア
ラブ諸国から国家の生存を認知されていないイスラエルのモサドの活動を通じて、
歴史的な変革の意味と、日本の統治機能を再認識する知識をくれます、一読をお
勧めします。
イラン・イラク戦争、湾岸戦争、ユーゴ紛争・・・の内幕やイスラエルの行動に
ついて興味深い話がありますが、本書のハイライトは著者が全身全霊を込めて纏
め上げたイスラエル・ヨルダン和平条約の内幕の部分で、詳細かつ鮮明に記述さ
れたドラマには引き込まれます。エジプトとの和平条約に次ぐ、中東情勢の安定
化を推進する条約を、ヨルダン国王との個人的信頼関係、またはモサドの組織的
な活動で、そして、イスラエル国内の抵抗と妨害を粘り強く解きながら纏め上げ
ていった歴史の証言です。交渉とは何かという事の非常に貴重な教材でもありま
す。時のラビン首相に仕え、彼の政敵であるペレス外相との確執を凌ぎながら、
調印寸前まで条約文書細かな表現の対立を解決していくプロセスは息をのむ迫力
があります。イスラエルは「交戦状態」の終結という表現にこだわり、ヨルダン
は「戦争状態」の終結という表現を譲らない。纏めたくない人がいる。破断寸前
に国王は賢くも「戦争状態」も、「交戦状態」もアラビヤ語に翻訳すれば同じ
「kharb」だから式典の演説で一言付け加えるからと、イスラエルの「交戦状態」
の表現に歩み寄り、演説ではアラビヤ語で「戦争状態―kharb―は終わった」と述
べ出席者の割れんばかりの拍手を得たという。
正式調印までの三か月間にも両国政府内の様々な妨害がありその中で彼が改めて
実感したことは、「…それが人間の弱さ、政治家・権力家者のあくなき野心、対
抗意識、妬み、国民・有識者から認められたい、尊敬されたいという底なしの渇
望といったものが非常によく表れた・・」、と言う下りは印象的でした。
この章で興味深いエピソードを一つ紹介しましょう。首相以下の多数の高官、軍
幹部を入れた徹夜の最終交渉で明け方近く全ての協議が終わった時、ヨルダン国
王は休憩を求めトイレに立った時、ラビン首相はエフラエルを呼び「一緒に行け。
国王を一人にするな。考え直す時間を与えてはならん。もし国王の気が変わった
ら面倒なことになる!」と。国王の後を追い近くのトイレに入り数分間二人きり
になった。深く一息ついてから、国王は「どう思うかと訊ねた・・・・」あとは
読んでください。
この後両首脳はクリントン大統領に電話をかけて両国が最終合意に達したことを
報告して、調印式に出席するよう要請した、と。
アラファトに評価は酷いものですが取分け国際関係のルールが判っていないと言
っています。そのルールはなんと、第一は、政治指導者はメリカ大統領に嘘をつ
いてならない。第二はアメリカ大統領を自己の利益の為に利用しようとした者は
誰も生き延びることはできない、です!日本の普天間問題どうでしょうか。
後は印象に残ったフレーズを紹介しておきます。
「歴史的な責任を自覚して、一般大衆に迎合しない指導者でなければ、国民に新
たな夜明けをもたらすことは出来ない」
「ラビン首相は部下からの支援や支持がなければやっていけないと、いつも考え
ていた」
「ラビンは自分がかかわる事項のどんな小さな点も非常に重視する…『悪魔は細
部に潜む』を厳格に守る信条だった・・・・・詳細な部分についても責任を負
う姿勢を示す」
「ラビンはクラウゼヴィッツの言う『摩擦の力』の危険性をよく知っていた。力
と力が接触することでそれぞれの力の方向が変わってしまう事である」
「ヨーロッパ人は領域外の事柄には熱心に取り組むが、領域内の事に関しては、
あまり真剣に取り組もうとしない」
「公職にあるイスラエル人は、ナチスドイツによってユダヤ人コミュニティー全
体の三分の一が抹殺れたという事実を持ち出すことを避ける」
「EU諸国では『農業ロビー』からの要望が政治的最優先事項の上位に位置している」
「官僚が提案するときは匿名性が尊重・保護されなければならない。でないと正
しいという事を提案できなくなってしまう」
「ネタニヤス首相は、ありとあらゆる詳細情報と多岐にわたる考慮事項を瞬時に
理解し、事態を統率するという恐るべき才能の持ち主である」
「自分が蚊帳の外に置かれていたというのが気に入らなくて反対、と言う人もいた」
「何人もの指導者、政治家、官僚、補佐官たちと顔を合わせたが、・・彼らが心
の中で繰り返し自問する声が聞こえてきそうだった。『自分にどんな影響があ
るのか』、『同僚や部下、交渉相手からどう見られるのか』、友人や同僚たち
が離れたところで、私が始末をつけるのを待っていた、私が失敗したらいつで
も逃げだせるように、成功が確実になったら駆け寄って勝利と喚起を分かち合
えるように」
「先見性がなければ民族は崩壊する」
「いかなる決断も、常に不確実な状況下で下される、勝利の美酒に酔いしれたい
なら失敗の責任を取る覚悟が必要である」
「首相といえども、人間関係、しかも非常に個人的な人間関係にがんじがらめに
なり、必要なときその特権を行使できない状況になっていた」
「戦略とは何か、十分な定義がほとんどされていない。戦略には学術と技術に基
づいた計画立案が必要である」
「国が思い切った手段をとることに一般国民が同意するのは、テロ直後から2-3か
月と言う短い期間に限られている」
「作戦計画には明確な開始日と終了日がある。だからこそみんな一致団結して、
全力を尽くすのである」
巻末の佐藤優氏の解説も興味深いですね。
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俯瞰 MAIL 008 号( 2011 年8 月 12 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
8月のはじめ、並木のアカシヤの白い花が木の下一面に散り積り、それを雨が濡らし
ていました。西田佐知子さんの「アカシヤの雨が止む時」を想い出してしまいました。
まだ学生運動に勢いがあった時代、60年安保の敗北感を重ねた暗い唄でしたが、日本
はその後、東京オリンピック、大阪万博、GDP世界2位と、今の中国の急成長その
ものでした。3.11以降暗い日本をまた明るい軌道に乗せたいですね。
いよいよ真夏日に甲子園と電力消費のピークになりますが、これを超えて9月になれ
ば政局も一新されて、エネルギー問題を始め、日本新生に関して前向きな議論が展開
されることを期待します。
◆吉本隆明の久々の新聞登場◆
日本経済新聞の8月5日朝刊の最後のページに、吉本隆明のインタビュー記事を見つけ
て、懐かしく読みました。詩人ですが、アカシヤの雨の時代、あの東大紛争の時代の
カリスマ的思想家でした。と言うより「吉本ばなな」の父親の方が分かり易いかもし
れませんね。
全部は引用できませんが、その中で、云っている事はすごく率直で建設的です。原発
に関する発言はやや意外でした。
「あのころの東京は、人々も町中の印象も、どこか明るくて単純だった。戦争で気分
が高揚していたせいもあったろうが、空襲で町がやられた後でも、皆が慌ただしく動
き回っていた。」
「労働力、技術力をうまく組織化することが鍵を握る。規模の拡大だけを追求せず、
小さな形で緻密に組織化された産業の復興をめざすべきだ。疲れずに能率よく働くシ
ステムをどうつくっていくか、が問われるだろう。」
「この震災を、発想転換のまたとない機会ととらえれば、希望はある」
「原発をやめる、という選択は考えられない。原子力の問題は、原理的には人間の皮
膚や硬い物質を透過する放射線を産業利用するまでに科学が発達を遂げてしまった、
という点にある。しかし、発達してしまった科学を、後戻りさせるという選択はあり
得ない。それは、人類をやめろ、というのと同じです。」
「日本経済新聞 吉本隆明」で検索すると色々な反応が見られます。
◆川が海風を運んでくれる◆
最近、埼玉の友人と会ったとき、「東京は海風があって涼しい!」という言葉を聞い
てはっとこの風は海風なんだと、初めて自覚しました。仕事でよく品川に行きますが
品川駅のコリドーを吹き抜けていく風は海風だと思うと少し涼しさが増します。ビル
が視覚を遮っていますがすぐそばは海です。そして、二子玉川のクリエイティブシティ
ープロジェクトのセミナーで、ランドスケープデザイナーの話を聞きました。多摩川、
目黒川、神田川、荒川と東京はいくつもの川が海に注ぐ地勢であることを再認識しま
した。そして川は海風を運んでくることも判りました。目黒川沿いに住んでいて、い
つも好い風が吹いているなと思っていましたが、目黒川が海風の通り道になっている
のです。特に目黒川の右岸は崖線で地形の高低差があり、左岸は山手通り沿いに背が
高いマンションが長い壁を構成しています。考えれば、目黒川は大きなU字型の風の
道になっています。
豊島区の話も興味深かったですね。豊島区は流れる川を全て暗渠にしたため、23区で
唯一川のない区だそうです。従って、今度新築する豊島区役所には屋上から下まで流
れる小川を作り、川辺の楽しさを区民に味わってもらうという事でした。無秩序にビ
ルが乱立する街でなく、海風の流れを効果的に利用した街にしたいですね。これから
都市開発を計画される街では風の流れのデザインが重要だと思います。
◆韓国が日本海を東海と改名したい◆
8月9日の産経ニュースによると、
【ワシントン=犬塚陽介】米国務省のトナー副報道官は8日、韓国政府が「日本海」
の名称を「東海」とするよう主張していることについて「日本海」が国際的に認知さ
れた表記だ、と言明、韓国側の主張を支持しない考えを示した。
この問題は隣国の韓国との厄介な問題ですが、余りにも政府、国民の関心が希薄なの
であえて少し述べましょう。
韓国は竹島を独島と改名し、また先日は、大韓航空機を竹島上空に飛来させ、話題に
なりましたが、基本的に日本の政局の混乱で生じた外交不在が突かれている問題と感
じるべきです。あまり知られていませんが、1996年に米国の米地名委員会(BGN)
が竹島を帰属不明(undesignated sovereignly)としたことに対して、韓国が猛烈
なロビー活動を展開してブッシュ政権末期の、2008年8月1日ブッシュ大統領の韓国訪
問を機に、韓国領と修正させた経緯があります。この韓国のロビー活動は従軍慰安婦
問題でも、米国上院に非難決議をさせることに成功しています。これには単純な仕掛
けがあります。これに続いて韓国はロビー活動でなんと「日本海」を「東海」と改名
するよう米国に求めました。さすがに米国もこれは受け入れずに今回の国務省の発表
になったのです。そして日本の外交不在は、北方領土に韓国国会議員が上陸するほど
の事態を生んでいます。
国内に矛盾があるとき、尖鋭な国際問題によって国民の関心をそこにそらすのは古典
的な政治手法で、現在でも盛んです。中国の尖閣列島、南シナ海の高圧的な行動もそ
れに近い気がします。危険な火遊びで地域の安定が失われるのは双方に大きな損害を
与えます。アジア、取分け東アジアの安定は日本の究極的な戦略目標です。
これだけ国内に問題があり混乱している日本がこの手法を使わないのは、……成熟し
た大人の政治が行われているのでしょうか。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110809/kor11080922550003-n1.htm
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008072801000234.html
http://www.koreatimes.co.kr/www/news/opinon/2011/04/266_41011.html
◆東北被災地に行く学生ボランティアの支援を◆
前回ご紹介した下記のプログラムですが、声をかけた3社からご参加いただきました。
東北の被災地にボランティアで行きたい人は多いのですが、情報がない、ということ
で有料ツアーがありますが、学生にアルバイトしてこのツアー費用を稼いでからとは
言えませんね。
支援する企業、ボランティアに行く人、下記のURLからお願いします。
松島研究室のOBの石田祐樹さんが推進しています。投資銀行の5年の経験を踏まえ、
手がけたソウシャルビジネスです。
http://ima-dekirukoto.jp/index.htm
◆本郷の俯瞰経営塾は終わりました◆
「俯瞰経営塾」を5月12日から本郷で開講していた事は報告しましたが、7月21日で
終了しました。23日に打ち上げのBBQを大学のBBQデッキでやりました。これは正統
BBQのレッスンです。以前研究室でBBQをやろうと言って、学生に任して現場に行って
みるとなんと“焼肉パーティー”になっていました。きちっとしたBBQをやったこと
がなかったのでしょう。其れからはBBQのやり方もきちっと指導することにしました。
買い出し部隊が秋葉原のハナマサに集合して買い出しです。AZビーフのサーロインを
一塊、約6.5キロ、約7000円。これは切るのが大変ですので店のスライサーで切って
もらいました。学生は、えっ!ステーキですか?野菜はそのまま焼けるもの、ネギ、
トウモロコシ。ナス、ソラマメ、玉ねぎなど、ともかく洗わず、皮をむかずそのまま
焼いていく。焼けたら焦げた皮をむき食べる。ネギが絶品です。切ったりするとそこ
からおいしい野菜のジュースが出て、繊維だけになってしまい美味しくないですから。
これが松島流BBQの極意です。ですから手間は掛りません。ハナマサでは炭もワイン
もワンストップで買えます。
問題は、毎年ですが、火がおこせない!全くゼロから火をおこした経験が全員ないの
です。燃焼の理科的知識もありません。まるで小学生に教えるように火付け材、炭の
組み方、等々を教えることに成りました。
私は田舎育ちで、中学生のころは薪割りと風呂焚きが担当でしたから自然に覚えまし
たが、今の人はその機会がありませんので火がおこせない。やはり小中でサバイバル
教育が必要ですね。今回のような災害では電気もガスもなく、家族やコミュニティー
の食事を、火を焚いて作る必要があります。ちなみに私が難なく薪ストーブに火をつ
けた時、家内から驚かれ再評価されました。以上顛末をご報告。
◆時代と同期する情報装備7◆
前回お伝えした、3つのトラブルプロジェクトの内、マランツのネットプレーヤで
NASのフォルダーが見えない問題を解決しました。
NASのマニュアルをネットでpdfファイルを入手して、200ページ以上ある解説を始め
から読みながらNASの設定をやり直し。念のためNASをパソコンと同じルーターにセッ
トして。結果、パソコンからNASのホルダーが完全に見えて、中の音源は再生出来た!
次にネットプレーヤから試行するがNASは見えても中が見えない!マランツのマニュ
アルを見るが所詮ペラペラのマニュアルで解読する情報がない。これが日本製の特
徴というか問題ですね。インターネットラジオは問題なく再生出来るので、ネット
プレーヤ自体は問題ないはず。
ところでインターネットラジオは凄いですね。世界中の放送が聞けます。当たり前
ですが全くノイズ無し、です。少年のころ短波放送で雑音の中ら海外の放送局を聞
き出し、はがきを出して受信カードを集めた世代としては感無量です。
さて如何しようと思案しましたが、今日は絶対解決するぞ、と「決心」すると急に
頭が回りだしました。ネットプレーヤはパソコンではないのです!パソコンは外部
HDDとしてNASを認識しますから中のフォルダーもファイルも問題なくアクセスでき
ますが、パソコンでないネットプレーヤは外部HDDを直接はアクセスできないことに
気付くまで暫し。
そしてそのNASには映像や音楽を配信する内部サーバのソフトが予めインストールさ
れているのを発見!後はNAS内部のHDDのフォルダーを内部サーバに連携させればOK
でした。大変お騒がせしました。iphoneのアプリもありiphoneからも操作できます。
まだ結論を出すのは早いですが、PCオーディオに興味ある方で、パソコンが使える
人はネットプレーヤよりもパソコンでネットオーディオをしたほうが良い様に思い
ます。残りのプロジェクトもこの夏休みで解決することを「決心」しました。次回
はデジタル書斎の作り方にしましょうか。
◆書評◆
今月のご紹介は、「バレンボエム音楽論―対話と共存のフーガ」
ダニエル・バレンボエム著 蓑田洋子訳 アルテスパブリッシング 2008
この本は天才ピアニストであり指揮者であるダニエル・バレンボエムの著書です。
音楽について語るのではなく、音楽が、人の心を清め、知性を磨く力がある事を基
底の認識にして、イスラエルとパレスチナの平和的で共存共栄の解決を一日も早く
実現したいという崇高な志を熱く訴えている本です。彼ができることとして、音楽
を通じてこの目標に全知全脳をつぎ込んでいる活動について語っています。翻訳で
はありますが、読んでいると直接彼から話を聞いているかの感覚になるのは、音楽
家としての見識だけでなく、彼が持つ、ギリシャ哲学とドイツ哲学の教養の高さ、
そして文章としての語り掛けのうまさだと思います。一読をお勧めします。
2部構成で、第1部が本体です。第2部はインタビューや講演録ですがこれもバレン
ボエムの生の姿を感じさせます。
実はこの本は暫らく書斎で積読状態でしたがいつも気になっていた一冊でした。
休暇に入るに当たり、意を決し手に取り、4時間で一気に精読モードで読みました。
内容にそうさせる力があります。バレンボエムと初めて出会ったのは1980年のベル
リンです。彼のリサイタルがベルリンフィルハーモニーハウスであり、午前3時に
音楽大学の学生たちの列に混じりチケットを買いました。確か一番安い、オーケス
トラの舞台の裏の窪みの席でした。音楽大学の学生達は安いと同時に、バレンボエ
ムの手の動きが見えるという事でこの席を選んだようです。彼は本の中で、リスト
の言葉を例に引きながら、ピアノ演奏には10本の独立した指が一つのユニットであ
る事が必須で、右手でメロディー、左手で伴奏ではないと断言しています。
そして確か演目はベートーベンのピアノソナタでした。それから時々来日してNHK
交響楽団を指揮するのをTVでみる度に、ベルリンのリサイタルを思い出していまし
た。この本を手にするまで時間が掛ったのはベルリンの演奏を全く理解というか、
感じ取る事が出来なかった経験からかもしれません。
当時私は西ドイツのアレキサンダー・フンボルト財団の奨学金でベルリン工大の
研究員として西ベルリンに滞在していました。時間的余裕が有りましたので、しば
しばベルリンフィル、ドイツオペラ、時には東ドイツのベルリン国立歌劇場などに
足を運んでいました。カール・ベーム、カラヤン、小沢、ズービン・メータ、東ベ
ルリンではオトマール・スウィトナーとベルリンならではの贅沢な音楽生活を送り、
これがクラシック音楽を聞く始まりになりました。
話を戻しますと、本の構成は、プレリュードに始まり、フィナーレで終わる7部構
成の組曲を連想させる構成です。まずプレリュードに「本書は音楽家のための本で
もなく、音楽家でない人のための本でもなく、音楽と人生の間の相似を、そして考
える耳には聞き取れるようになる知恵を見つけ出したいと願う、好奇心に満ちた人
のための本である」とあります。そして彼からの基底のメッセージは「他者の自由
と個としての存在を受容すること、これは音楽のもっとも重要な教えの一つである」
でしょう。さらに音楽に関するメッセージを紹介すると、「音楽は人生を映す鏡で
ある。どちらも無から始まり無に終わる」、「聴く力を導き育てることは、個々の
人の発達にとってだけでなく社会がひいては国政がうまく機能するためにも、私た
ちの想像をはるか超える重要性を持つ」、「音楽には言葉を超える力がある」、
「視覚よりも聴覚のほうが強力である」、「音楽を聴くことは本を読むこととは異
なる」、「聞くだけではなく聴くことも必要である」。
しかし、この本の主題はイスラエルとパレスチナの共存共栄という平和の追求です。
「イスラエルとパレスチナの語り―、両者による彼ら自身の歴史の絶えざる見直し
と書き換え―、はフーガの主題と対主題同様、絶え間なく相互に関連し合う関係に
ある」と述べ、そして「もしイスラエルが中東に永続的な居場所を得たいと思うな
ら、イスラエルは中東にしっかりと溶け込むことが必要である」さらに「他民族に
対する占領と支配は、はたして独立宣言の趣旨にかなうのでしょうか?基本的権利
を犠牲にて成り立つ民族独立に何らかの正当性はあるのでしょうか?」と政治を詰
問しています。
ちなみに、バレンボエムはブエノスアイレス生まれの、ユダヤ人のコスモポリタン
です。しかし、文化的にはドイツ人でしょう。バッハで育ち、モーツアルトの天才
を畏敬し、ベートーベンのピアノソナタの全曲録音を成し遂げ、加えて反ユダヤ主
義の鼓舞にヒトラーが活用し、その上ガス室に送る時その曲を流したという事で、
イスラエル国内では演奏禁止になっているリヒャルト・ワーグナーを音楽的には非
常に高く評価しています。「ワーグナーがいなければブルックナーもシュトラウス
も、シェーンベルグもいなかっただろう。それまでに作られた音楽のすべてを要約
して頂点まで高め、同時に未来への道筋を示すことが出来る作曲家は一握りしかい
ないがリヒャルト・ワーグナーはその一人だ。」とまで言っています。バレンボエ
ムはギリシャのスピノザの形而上学に傾倒しながら、カント哲学にも強い影響を受
けているようです。指揮者として戦前戦後通じてベルリンフィルハーモニーの音楽
監督を務め、ヘルベルト・フォン・カラヤンにその地位を引き継いだフルトヴェン
グラーをドイツ人らしいドイツ人といい、音楽の構造上の必要性を踏まえた演奏に
感銘を受けたと言っています。
長くなりましたが、最後に現在の我々日本人が身に詰まされる本書の中のメッセー
ジを挙げましょう。
「政治的抑圧、あるいはリーダーシップの不在に苦しむ社会で、文化がダイナミッ
クに主導権を取り、人々の集合的意識に働き掛けて、外的状況を変えることは決し
て珍しくない」、「無知は持続的な生存に適した戦略ではない」、「中庸の道は
ローマに続かぬ唯一の道である」。
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俯瞰 MAIL 007 号( 2011 年7 月 15 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
大暑(7月23日~8月7日)と盛夏の季節になりました。暑中見舞い申し上げます。節電の意識と行動で、東電管内はなんとか夏が越せるかと、思わせる位になりましたが、一転して西日本の電力が不確実なようです。この関連はあまりにも真実の情報がないので、議論しようがありません。一般人に、この議論に参加させないようにする関係者の高等な戦術とは、思いたくありませんが、このような状況、悪い状況では真っ直ぐ、そのままの情報開示、言動の方が、担当者のリスクを減らすと思います。それにしても声は全く聞こえてきませんが、福島の現場で作業されている方々にはどのような感謝の表現がいいのか思いつかないほどです。深甚の謝意を表します。また猛暑でも頭の中はクールに行きたいと思います。
◆地域イノベーションのモデル◆
このひと月は結果として地域のイノベーションのモデルの勉強に時間を割くことになりました。
改めて再認識したのは、イノベーションモデルのイノベーションが必要な事です。大学のシーズを育て、これを産学連携で企業に移転して、その産業化を支援するという,所謂「リニアモデル」が日本全国共通のモデルです。しかし、このリニアモデルでイノベーションが創発出来れば良いのですがそうは行きません。技術開発は進捗しますが、ビジネスイノベーションにはなかなかなりません。技術イノベーションはビジネスイノベーションの選択肢を増やすことです。ビジネスイノベーションは術を社会に届けるカプセルです。そして社会イノベーションはその選択です。
ですから、リニアモデルで技術イノベーションを継続的に推進しても、ビジネスイノベーションにはなりません。市場へ技術イノベーションを持ち込むビジネスイノベーションに、本質的なイノベーションが必要です。はやりのオープンイノベーションは何も答えはくれません。イノベーションのモデルを解明するには、社会が何を選択するかを見極めるマーケッティングが重要です。と言ってもイノベーティブなマーケッティングは真のイノベーターにしか出来ません。変化を続ける、人間の有機的な集合体である社会の理解がつくづく重要である事を思い知らされ、社会学の勉強に立ち還ってイノベーションのモデルを考えようと思います。
◆辻留料理教室に行ってきました◆
赤坂の懐石「辻留」の料理教室に行ってきました。「辻留」は、裏千家の指導をもとに京都・東山に開いた懐石料理店と云われています。「赤坂辻留」は東京で懐石料理では最も有名な名店です。かって、私も重要な会席を幾つかこの名店で持ちました。その結果は全て現在に繋がっています。
日本文化の真髄を理解するのは無理でも、何か感じる迄になりたいというささやかな意欲で参加させていただきました。店主の辻義一さんが、目の前で本日の献立を全て講義しながら作っていくのを、生徒は包丁さばきを凝視しながら、メモを取りながら、質問無しで、2時間集中して勉強して、その後1時間ほどでその献立を賞味するという教育コースです。素晴らしい3時間でした。
今回の献立は:
向付 コチ湯引き 青とさかのり むらめ、梅肉醤油
椀盛 小鯛そうめん むすび玉子 柚子 つるな
炊合 小芋 南京 車海老 おくら ふり柚子
炒物 合鴨ロースくわやき 万願寺とうがらし
冷物 ずんだ汁 白玉団子
御飯 はも皮ご飯 青しそ 針生姜 白ごま
香物 胡瓜 西瓜奈良漬
菓子 蓮根羹
薄茶 千代昔
これを、香物、薄茶以外の全て、目の前で料理していきます。詳しくブログ「頭の良くなるクッキング」http://www.proffukan.com/を読んで下さい。というだけでは申し訳ないので講義から一つ。
味について。味には、「辛」ピリっと辛い。「酸」柑橘の酢がいい。「鹹(かん)」塩味。かっての食卓塩は、表示が塩化ナトリウム99%以上とあり、塩ではないと表示していた。海の成分が有って塩。「苦」苦み、アクも苦味。「甘」さとう、みりん、素材の甘さ。砂糖については、魯山人曰く、「砂糖は劣食品を瞞着(まんちゃく)する」とご紹介ありました。(瞞着:ごまかすこと。だますこと、日本語は難しいですね。)
「赤坂辻留」は先代の辻嘉一さんが開設したお店です。中学生の頃、母が購読していた「暮らしの手帖一世紀」に辻嘉一さんのエッセイが連載されていて読んでいましたので辻留の名前は知っていましたが、まさか行けるとは思ってもいませんでした。縁有ってお店に行ったのは何十年も後で、現在の若女将と、パソコンのマーケッティングの仕事をご一緒した事がご縁です。先代の辻嘉一さんは料理の名人と呼ばれました。確か記憶に間違いなければ、東京に出店するに当たり東京にない「薄口醤油」を抱えて夜行列車で上京しますが、列車の中でそれが漏れてしまい、たいそう残念であっと、暮しの手帖に書かれていました。50年くらい前にたった一度読んだだけの文章ですが、今までも記憶に残っています。きっと日本語も名人だったのでしょう。そのような水準の日本語を何時になったら自分は書けるように成るのだろうかと、更なる日本語の、研鑽を決意しました。因みに、60歳になった時、あまりにも日本文化の素養が貧しいので、学生や後進に教養を磨けという手前、真髄はともかく後付でも少しでも日本文化を理解するべく、俳句、能面打ち、華道をやってみました。ほかに、フランス料理、ボイストレーニング・・修行の道は険しいです。
◆東北被災地に行く学生ボランティアの支援を◆
東北の被災地にボランティアで行きたい人は多いのですが、情報がない、ということで有料ツアーがありますが、学生にアルバイトしてこのツアー費用を稼いでからとは言えませんね。
支援する企業、ボランティアに行く人、下記のURLからお願いします。
松島研究室のOBの石田祐樹さんが推進しています。投資銀行の5年の経験を踏まえ、手がけたソウシャルビジネスです。
http://ima-dekirukoto.jp/index.htm
◆本郷の俯瞰経営塾も今月で終わり◆
毎週木曜日13:00-16:00、2号館9階で「俯瞰経営学」やっています。今年も学生有志から、単位がなくても自主ゼミで同じ講義をして欲しい、という要望があり「俯瞰経営塾」を5月12日から本郷で開講したことは報告しましたが、残すは1回です。今年は、3.11を踏まえて「日本のSWOT」、その後「会計」、「マーケッティング」、企業価値」、「リーダーシップ」、「A級社員、B級社員、C級社員」、「オープンイノベーション」、「M&Aのケーススタディー」、「経営戦略 ポーターとバーニー」と進んでいます。残すは「実例:或る企業の経営戦略の評価」です頑張って抜けた学生はその後自分でブレークしていくのを見ていますので、「最後の決戦」に挑戦するように激励しました。Do your best!と。
この講義の目的は、知性を磨くことで、知性とは、課題を自分で発見する能力、それに関する情報を収集する能力、収集した情報を分析する能力、その分析結果を編集して行動の提案をする能力、そして、周囲や対象の人たちに「判った」と思わせる表現能力、と既に書きましたが、ヨーロッパの指導者教育の「修辞学」と相通ずるものです。
◆時代と同期する情報装備6◆
これはこのひと月進展なしです。現在3つのトラブルプロジェクトを抱えていますが、夏休みの宿題になりそうです。まず、マランツのネットプレーヤでNASのフォルダーが見えない。NAS以外は全て問題なし。一方パソンからはNASのフォルダー、ファイル再生問題なし??二番目はパナソニックの監視カメラですが、ローカルでは問題なし、インターネットでは接続できない、無論ダイナミックDNS働かない。三番目はUbuntu、古いwin2000のVAIOですが、win7ではCPUもメモリ弱いので、HDDを交換してLinuxマシーンにするべくUbuntuをインストールしましたが、エラーで起動できない?
パソコンやネットワークは要素の辛味が複雑、出来が悪いので、時間が取れるとき数時間集中的に処理しないと解が見つかりません。夏休みにそれぞれ一日ずつ時間を掛けましょうか。
◆書評◆
今月のご紹介は、「日本の食料が危ない」 中村靖彦 岩波新書 2011
早朝2時にレタス畑で働く中国の農業研修生?地震後にその姿が消えたシーンから本書は始まります。NHKにおいて長年現場取材してきたジャーナリストによる本ですのでよくも悪くもジャーナリスティックですが、食料に関する議論を聞いたり、議論したりするに必要な知識を得るにはいい本でしょう。要点を幾つか。
コメ、農地、稲作農家、政治家の思惑、が食糧問題、農業問題の議論を迷走させて本質的な構造改革が出来ていない事を改めて再認識します。食糧問題に議論が行き着けない。最近では民主党のバラマキがさらに混迷を深めていますね。
食料自給率の議論ありますが、まず食料自給率の定義が幾つかあって、これも議論を迷走させていることが書かれています。食料自給率の議論でよく使われるのは、カロリーベースで、これでは自給率は40%、実は金額ベースでは70%、量ベースでは大豆は6%。野菜は量ベースでは80%であるがカロリーは低いのでカロリーベースの数字に貢献しない?量ベースではでは、コメ、100%以上、小麦は14%、野菜は80%、魚は自給、鶏、豚、鶏卵はほぼ自給で来ていますが、飼料の輸入依存度が極めて高い。牛肉は半分程度自給ですが、国内飼育の飼料は輸入依存度が高い。
従って飼料の自給が重要課題であるあるように思えてきました。結論として、魚と野菜を主とする和食中心に移行することが個人的にも国家的にも食糧問題と、健康問題に対する、戦略でしょうか。
中国が世界の食糧をみんな持って行ってしまう?ジャーナリスティックですね。ただ凄まじいことは事実で、大豆では5000万トンが中国、残りの世界で5000万トンですから。
日本人は現場では頑張っています。親が駄目だと子供が頑張るのと同じで、中央政治は酷いのですが、現場で食糧問題をイノベーティブに改革する人たちはいます。例えば「エコフィード」です。賞味期限が切れただけの膨大な食品を加工して飼料にしています。残飯ではありません。家庭の残飯は混入物のリスクが高いので手が付いていいませんが、レストラン等の食べ残しは飼料に利用出来るようです。混迷する稲作の現場でも飼料用のコメの栽培で成果を上げています。試算では食糧米の栽培で余る農地で、輸入トウモロコシの全量を代替出来るともあります。これらは素晴らしい戦略と行動ですが、支援政策は例の「蓮舫仕分け」で予算カットだそうです。
最後はTPPですね。推進派は、GDPの僅か1.5%の農業の保護のために製造業が不利な競争を強いられていると言いますが、この数字で議論は乱暴です。先進国のこの数字は全て低いのです。韓国3.1%、オーストラリア2.7%フランス2.0%、米国1.1%、ドイツ0.9%。関税が下がればもっと北米やアジアに輸出が出来る?本当でしょうか。反対派はTPPが導入されれば農業は破壊される、コメは競争力がないので輸入米の前に全滅するといいます。以前、冷害で緊急輸入した輸入米の販売実績を見れば、値段だけで日本人は買う米は変えません。また、この地球的な食料危機の中、800万トンの日本米を供給するほど余力のある国は?
基礎的な知識ないまま評論家していてはいけないので、この本は勉強になります。
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俯瞰 MAIL 006 号( 2011 年6 月 18 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆田植えが終わり、水が入った田んぼが広がる風景は、弥生以来の日本の原風景ですね。田の横を流れる細い水路も、長い水利権の歴史を持っています。また山からの冷たい水を使う地域では、山間の溜池で、水を太陽熱で少し温めて傾斜地の田に順々に流していく水利技術は、稲作技術が、本当に最先端技術であったことを再認識させます。そして数千年前、長江(揚子江)の流域から日本人の源流が北九州に渡来した歴史に思いを馳せます。ただその揚子江の流域では干ばつと洪水のニュースが絶えません。三峡ダムの影響による流域の気候変動という説もあります。色々な点で、科学技術をガムシャラに使う80億人の人類は、地球の容量を超え始めている事を改めて実感させます。
◆バングデラシに行ってきました◆
バングラデシにマイクロファイナンスの調査に行ってきました。マイクロファイナンスとは、貧しいがなんとか経済的に自立して家族の生活をより良くしたいという女性を支援する少額の資金の金融プログラムであり、世界最貧国のひとつと言われるバングラデシで約30年前(1983年)にチッタゴン大学教授であったムハマド・ユヌスによって、”発明”されました。この“発明”が重要で、現在我々が認識している銀行の融資プログラムの小口金融とは全く違います。金利は約20%で日本の消費者金融並ですが、現地個人金融のそれが100%に近く、またインフレもあるので、相対的には思っているより高金利ではないようです。しかも複利ではなく単利です。何よりも担保なしです。ただ驚異的な返済率は強力な連帯責任のくびきから来ています。5人ずつのグループで借り、借り手全体が村でセンターと呼ばれている組織を作ります。集会の開始と終了は起立と敬礼です。俯瞰工学研究所の「別な写真」に掲載してある写真は、そのセンターの集会です。手前にいる人は32年前に初めて借り、返済と借入を繰り返し、事業を成長させ今ではバスを2台所有するまでになっています。無論、光と影はあるでしょう。そのような批判的な評価もあります。2006年ムハマド・ユヌスとグラミン銀行はノーベル平和賞を受賞しました。ユヌスさんには直接お会いしましたが、温和な表情は多くの人にお釈迦様をイメージさせるでしょう。7月に来日して講演するとおっしゃっていました。 グラミン銀行は有名ですが、他に有力なBRACというマイクロファイナンスもあります。ここも訪問しました。一言で言えばグラミン銀行の進化型で、グラミン+αです。既に多くの事業を展開して一大企業集団になっています。フルタイムのスタッフは6万人弱いるそうです。マネージャークラスはグローバル企業のマネージメントに近い雰囲気で高い知性を感じさせました。マイクロファイナンスに加え、公立の小学校に行けない生徒の支援、奨学金、BRAC大学の経営など、教育事業を展開していると同時に、健康関係の事業も展開していますが、ほとんどはビジネスとして成立していることが特徴です。社会ビジネスのモデルです。例えばマイクロファイナンスで乳牛を購入した農家を組織化して、その牛乳を集荷・処理して都市で販売する市乳ビジネスの展開、飼料販売もしていて日本の農協のようなビジネスもやっています。海外展開も、アフリカや南米そして米国でもしている事に驚きました。日本でも社会ビジネスが話題になっていますが、極めて有効な研究対象でしょう。生活、教育、健康、環境、互助、自立・・を踏まえた活動は、日本の今後の社会ビジョンに多くの洞察や示唆を与えてくれます。また、この国は凄く親日的です。何しろ国旗が日章旗です。初代大統領が日本好きで同じデザインにしたとのことです。
◆福島のある市長さんと話しました◆
「話題のSPEEDIの情報は3月23日にもらいました。」「政府はすぐに県知事には流したという。県知事は不確定な情報は流せないと言って流さなかった。」という。「知っていればもっと適切に住民に避難を話せた」という。「その間、NHKの情報だけで住民の安全の意思決定をしなければならなった。」NHKのニュースと解説の重要さがわかりました。「死人が出ないのが不思議なほど小学校も壊れたが、児童無事だった。」そしていま「住民の不安に応えるため全児童に線量計を付けさせたい。」という。少しでも住民の不安心理を和らげることしか彼には出来ないのです。「多くの住民が上下水道をやられた。給水をすぐ始めた。他の地区はひとり3リットルと聞いたがうちは5リットルにした。」しかし「住民の一人が自宅まで来て、5リットルは少ないと文句を行ってきた。」それに対して「他の人は3リットルしか貰えたかったのに貴方は5リットル貰えましたね。」と謝らなかった。「水がないのです。市長に言って解決する問題ではないでしょう。」といったという。そのひとは黙って帰ったようです。人から「貴方は政治家ではない」と云われたという。「私は政治家ではない、地域の組長だ、政治家のようなリップサービスは出来ない」と答えたという。「今の最大の課題は?」と聞くと「ともかく除染だ。」この市長どう思いますか。注記:私(松島)は知事の判断は必ずしも間違っていないとも思います。後で議論しましょう。
◆今年も本郷で俯瞰経営塾◆
毎週木曜日13:00-16:00、2号館9階で「俯瞰経営学」やっています。今年も学生有志から、単位がなくても自主ゼミで同じ講義をして欲しい、という要望があり「俯瞰経営塾」を5月12日から本郷で開講したことは前報で報告しましたが、今年は、3.11を踏まえて「日本のSWOT」、その後「会計」、「マーケッティング」、企業価値」そして6月16日に「リーダーシップ」と進んでいます。そして、前報で、目的は、知性を磨くことで、ビジネスや経営の知識は結果として付いてくるもの、知性とは、課題を自分で発見する能力、それに関する情報を収集する能力、収集した情報を分析する能力、その分析結果を編集して行動の提案をする能力、そして、周囲や対象の人たちに「判った」と思わせる表現能力。と書きましたが、本報の書評にある「レトリック」を読みますとヨーロッパの指導者教育の「修辞学」と相通ずることに気が付きました。
◆集合知で日本新生の提案書を起草◆
今月もこのプロジェクトの準備を進めています。夏休み前にはサイトを立ち上げて、今年の長い夏休みを活用したいですね。以下は先月号日本復興、再生、再興の提案は、内閣の復興構想会議を始め様々な組織から提案されていて百家争鳴状態ですが、組織を超えた国民的議論の場が有りません。ネットでバラバラに、個人的に発言しています。千人万人の意見を構造化しないと行動、実践になりません。まず、「場」を設営しませんか。「日本新生 」の提案は、「…したい。」「…しない。」と簡潔に、しかし「…べきだ。」とか、「…べきでない。」「…やめろ。」「…やれ。」のような断定的で個人の価値観を押し出す表現は避けて共創的な提案文にしませんか。ネットの課題の一つは、顔が見えない事で、乱暴な表現が出てくることです。このプロジェクトでは、実名を求めませんが乱暴な表現は最終の処理には採用されないでしょう。「日本新生」 の提案が千、万と集積されると、自然言語処理や人工知能の技術でキーワード分析や関係性の抽出が出来るので、千人、万人が一つの提案書を起草する構造化が出来るでしょう。その提案の水準は個々の提案に依存しますが、大勢の人達が言う事は、少数の識者の提案よりは「正鵠(せいこく)を射る」でしょう。投稿サイトを用意したいと思います。このプロジェクトに参画して協力してくださる方は歓迎いたします。ネット上で実行委員会を組織したいですね。
◆近未来都市を作る実験Ⅵ◆
5月30日にコンソーシアムの総会を開催して、リランチ(再立ち上げ)しました。コンソーシアムの拠点、カタリストBAの活用が始まりました。真下に多摩川が見えます。200万尾以上の鮎が遡上するそうです。プラチナ構想の「プラチナスクール」4回目を6月18-19日、このカタリストBAで開催しました。今回は各地域のSWOT分析、新風土記の発表です。8月には26の自治体の、「我が街のプラチナ構想」が26件発表されます。多分これは公開できると思います。
◆ (社)俯瞰工学研究所の技術経営学講義始めました◆
本年度は開催が遅れましたが、5月18日の18:30からオリエンテーションを行い、6月16日に第1回目を開催しました。ゼミですね。参加は12-14名です。第1回目は「会計」でした。同じ課題の本郷での「俯瞰経営塾」の学生のプレゼンテーションを紹介しました。開催は基本的に月1回、第3水曜日の19:00-です。この場は会員同士の交流の場でもあります。毎回基本的に交流会をします。賛助法人会員として、会社の仲間とグループでの参加も大歓迎です。会費は原則4月―3月の年度の会費です。社会人の参加を考えて、場所は品川インターシティ8階の(株)森精機の会議室です。
◆時代と同期する情報装備3◆
今月は今密かなブームになりつつある「PCオーディオ」に挑戦しました。技術や製品が発展途上ですので挑戦的要素があります。特にネットワーク関係はトラブります。また、手持ちのCDをPCデータに変換するリッピングも、DSDやDVD-audioになるとソフトがまだこなれていません。数十万円もするDAC(デジタルアナログ変換器)が色々なベンチャー企業から発売されています。高音質のデジタル音源をネットで販売するビジネスもいくつも立ち上がってきました。シニアのエンジニアの起業のチャンスです。このPCオーディをブームにしたきっかけの一つは、スコットランドの有力オーディオ企業のLINNでしょう。日本でも既に数百台売ったたといいますが、CDプレーヤに代わるネットワークプレヤーは百数十万円です。私は日本のマランツのNA70004をAmazonで、7万円弱で購入しました。パソコンが有れば代用できますが、音楽を聞くたびにパソコンを立ち上げるのはいかにも不便ですから。マランツは、私が学生の頃は憧れを遥か超える高級ブランドでしたが、現在では極めて低価格で極めて高性能なオーディオ機器を提供してくれます。こんな安くて本当に良いの?と思います。パイオニアもそうですね。ネットワーク上のハードディスクとして、QNAPのNASを購入して、交換式のHDDは日立の2Tを入れました。この業界も激動ですね。駒場のクラスメートで、今日立製作所の社長をされている中西さんが、IBMからM&Aをした事業を、孤軍奮闘で再生していたサンノゼのオフィスに“陣中見舞い”にいった時を思い出します。凄いですねあの方は、IBMが打ち捨てたような事業を再生して、買った時よりずっと高く事業を売却しています。そしてハードディスクの業界は世界で3社に統合されました。ですからハードディスクはいつも日立製です。実はうまく動いていません。パソコンからはこのNASの内容が見えるのですが、肝心のネットワークプレイヤーのNA7004からホルダー内部が見えません。答えある方は教えてください。従ってこの続きは次回。
◆時代と同期する情報装備4◆
Facebook始めました。時代と同期するためです。一週間で約100名を“友人”にしました。長年ご無沙汰の方々と連絡が取れました。・・・・次回コメントします。FacebookとtwitterにprofFukanの名前で出ています?
◆書評◆
今月のご紹介は、次回予告した説得の技術としてのレトリックです。「レトリック」 オリヴィエ・ルブール 2000年 白水社 クセジュ文庫先月ご紹介した「レトリック感覚」はレトリックとして、言葉の「あや」、即ち芸術的表現技術の方を解説していますが、この本は、レトリックの体系の概説です。具体的なhow toを教えてくれるわけではありません。一般向けの概説書ですから難しい本ではありませんが、読み流すには適しませんね。と言っても文庫本ですから時間はかかりません。書評と言う前に、皆さん中身を知りたいでしょうから要約を書きましょう。「レトリック」とは弁論によって人を説得する技術である。「弁論」とは複数の文章のまとまりである。「説得する」とは、感情的かつ理性的方法を用いてある信条を他人の心に生じせしめる行為である。「技術」とはテクニックと美しさを含意する。この本は、この技術に関する理論体系を扱う。とまえがきにあります。第1章ではレトリックのギリシャ以来の歴史とその時代の修辞学の解説があります。レトリックはギリシャ以来、エリート教育でしたが、19世紀に衰退して、1960年代に復活したとあります。そのギリシャ修辞学の構成は、 発想 配置 修辞 表出、です。第2章はレトリックの核である、文彩に関する解説です。文彩には、語の文彩、意味の文構文の文彩、思考の文彩があります。其々、1-2例を挙げて置きます。語の文彩:(百年が何だ、千年がどうした)(飲むか、乗るのか、どちらかだ)意味の文彩: 換喩(一杯やる)、提喩(頭数百人)(全労働者の党)隠喩 (人生の黄昏)構文の文彩:省略法(フランス製を買おう)(白さが違います)反復法(時は行く、時は行く、愛しき貴女)対照法(唯一、気散じがあるが、この気散じこそが・・)統辞破綻法 (クレオパトラの鼻。それがもう少し低かったら・・・)漸層法(私は彼から離れた、彼を避け、彼を捨てて・・・)交差配語法(貧困の哲学なのか哲学の貧困なのか)思考の文彩:アレゴリー(耕さずにして収穫なし)(経験とは、背に負った、過去を照らす灯火である)アイロニー (師匠の画風に忠実でいらっしゃいますね)逆現法(私がした苦労については特にお話出来ませんが・・)類似謙遜法(それは当然ですよね)弁論的疑問 幾らかかったかご存知ですか)第3章は論法と説得の原理、これはご自身で読んでください!衒学的ですがそれが学者?第4章
レトリックの哲学、この章も読んで初めて理解できると思います。最後に、この本にある、「レトリックとは・・・・」の記述を拾っておきます。順不同ですが、洞察力ある方は
、レトリックが「判った」と思うかもしれませんね。レトリックは一つの武器である。レトリックは常にコードとして示されてきた。レトリックは役に立つ技術である。レトリックは「巧み」の塊である。レトリックは哲学が生まれながらにして持っていた方法である。レトリックはせいぜい自分の信ずる事を他人に納得させる方法である。レトリックは真理の道具ではなく、平和の、洞察の、文化の道具である。さあ皆さん「読むべきか、読まぬべきか、それが問題だ!」ですか。
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俯瞰 MAIL 005 号( 2011 年5 月 15 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆
雪が舞う被災地の映像がまだ網膜に残っていますが、気がつけば桜は満開、そして今、燃えるような青葉とツツジが満開の時になっています。高校の漢文の教科書の杜甫の詩が口につきました。「国破れて山河在り、城春にして草木深し、時に感じては花にも涙を濺ぎ、別れを恨んでは鳥にも心を驚かす、烽火 三月に連なり、・・・・・・・・」5月になっても福島は鎮まる気配はない。また、「夏草や 兵(つはもの)どもが 夢のあと」 芭蕉日本のこと、復興のこと、今後の人生、色々深く考える始点を与えてくれます。
◆今年も本郷で俯瞰経営塾◆
東大の技術経営戦略学専攻を退官して3年目ですが、今年も「俯瞰経営塾」を5月12日から本郷で開講しました。退官後も、学生有志から、単位がなくても自主ゼミで同じ講義をして欲しい、という要望があり続けています。毎週木曜日13:00-16:00、技術経営戦略学専攻の新設から現役で3年講義した内容で、自主ゼミで3年目ということになります。内容は「俯瞰経営学」目的を明確に説明してあります。「目的は、知性を磨くことで、ビジネスや経営の知識は結果として付いてくるもの」、「知性とは、課題を自分で発見する能力、それに関する情報を収集する能力、収集した情報を分析する能力、その分析結果を編集して行動の提案をする能力、そして、周囲や対象の人たちに「判った」と思わせる表現能力」。これから人生を始める、今の季節の青葉のような30名は物凄いオーラをくれます。教室は道場、教育は相互研鑽の場です。ブログで読む
◆この夏の壮大な実験◆
この夏予定されている壮大な実験が興味深いですね。この夏、最大の電力需要期を中部電力は原子力発電無しで、東京電力は17基中4基稼働で乗り切ることになりました。東京電力の配電範囲の需要はイタリア一国分に相当し、中部電力のそれはスエーデンに相当し、極めて大きく、二つ合わせるとイギリスに相当します。この規模ですから、壮大な実験になります。ヨーロパ各国の原子力発電の議論には貴重な情報と知見を与えるでしょう。もし、この夏をこの体制で乗り切ると、原子力発電所無しでもやっていける、という議論が力を得るでしょう。無論LNGにしても炭酸ガス排泄の問題があり、コストも高く、石炭火力も公害、炭酸ガスの固定化などの課題があります。実験が終わる、9月には、世界中の議論が今とは変化するのではないでしょうか。大きな事実が目の前に置かれますので。
◆フードマイレージを考える◆
フードマイレージとは、食品の輸送と環境の課題で、食品の生産地と消費地が近ければフード・マイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくると大きくなります。一方、無理に季節を無視して温室で作ればそのエネルギーが問題になります。従って、適地適作を踏まえた地産地消が肝要です。この連休に山梨県の八ヶ岳に行き、そこの食品スーパーマーケットに行きましたが何か腑に落ちない光景でした。以下はその時野菜売場で目に入った産地です。福岡のカリフラワ-、沖縄のカボチャ、高知のナス、宮崎のピーマン、東京のウド、佐賀の絹さや、熊本のベリーリーフ、長崎の新じゃが、青森の牛蒡、高知のミョウガ、鹿児島の空豆、栃木のクレソン、佐賀の新玉ねぎ、北海道のたまねぎ、徳島の人参、北海道のジャガイモ、津軽のフキノトウ、津軽のタラの芽。隣接県野長野、群馬、静岡は無論あります。また韓国のパプリカ、ニュージーランドの玉ねぎもありました。八ヶ岳に全国から集合です。売り込む方々のマーケッティング力もすごい!山梨の庭や山に豊富にあるタラの芽、フキノトウを津軽かから?青森県は雪下人参で有名ですが、学校給食では県外の人参を使用していたので、何故?と教育委員会の方に聞いたことがありますが、答えは安いから、でした。地域おこし、低炭素・・・何かこの辺にもアクションプラン有りそうな気がして来ました。
◆集合知で日本新生の提案書を起草◆
日本復興、再生、再興の提案は、内閣の復興構想会議を始め様々な組織から提案されていて百家争鳴状態ですが、組織を超えた国民的議論の場が有りません。ネットでバラバラに、個人的に発言しています。千人万人の意見を構造化しないと行動、実践になりません。まず、「場」を設営しませんか。「日本新生 」の提案は、「…したい。」「…しない。」と簡潔に、しかし「…べきだ。」とか、「…べきでない。」「…やめろ。」「…やれ。」のような断定的で個人の価値観を押し出す表現は避けて共創的な提案文にしませんか。ネットの課題の一つは、顔が見えない事で、乱暴な表現が出てくることです。このプロジェクトでは、実名を求めませんが乱暴な表現は最終の処理には採用されないでしょう。「日本新生」 の提案が千、万と集積されると自然言語処理や人工知能の技術でキーワード分析や、関係性の抽出が出来るので千人、万人が一つの提案書を起草する構造化が出来るでしょう。その提案の水準は個々の提案に依存しますが、大勢の人達が言う事は、少数の識者の提案よりは「正鵠(せいこく)を射る」でしょう。投稿サイトを用意したいと思います。このプロジェクトに参画して協力してくれる方歓迎です。ネット上で実行委員会を組織したいですね。
◆IBMのCEOのパルミサーノさんに十何年ぶりに会いました◆
5月12日東大の本郷で、東大-IBM dayのシンポジュウムがあり、IBMのCEOのパルミサーノさんの講演があり、参加しました。実は彼が90年代前半、帝王教育の一環として日本IBMの専務の時、小職の上司のような関係で旧知の仲でした。講演、質疑では終始前向きで、明るく話し、質問に「なぜそんなに楽観的か?」も出たほどです。厳しい経営居境の中で、IBMの大変革を成し遂げ、史上最高益を出している自信から、「変革すれば未来は開ける!」というのがメッセージでした。リーダーシップについても、長期ビジョンが重要であると言明していました。続きをブログで読む。
◆近未来都市を作る実験Ⅴ◆
二子玉川の都市再開発のコンソーシアムソーシアムの拠点、カタリストBAが、4月25日二子玉川にオープンしました。ぜひご現地に来て頂き、ご自分でこの「場」をどう活用できるか考えてみてはいかがでしょう。詳細は以下のURLをご参照下さい。http://creative-city.jp/
◆2011年度(社)俯瞰工学研究所の会員募集◆
4月からの会員を募集します。ぜひ会員になって(社)俯瞰工学研究所の活動に参加しませんか。月に一回ゼミをやります。この場は会員同士の交流の場でもあります。毎回基本的に交流会をします。その他、会員が特に興味があるテーマがあれば別途ワークショップを開いてもいいともいます。賛助会員として、会社の仲間とグループで参加も大歓迎です。会費は原則4月―3月の年度会費です。5月18日18:30からゼミのオリエンテーションをします。二子玉川駅前のライゼ8階、カタリストBAです。
◆時代と同期する情報装備2◆
4月28日にiPad2が日本でも発売されました。所用が有ったので12:00くらいに渋谷のAppleの店に行ました。歩道に行列があり、並んで15分ほどで店内に案内されて、wifiモデルの60Gを購入しました。3Gモデルは列がなくだれも買っていない!ソフトバンクの3Gではね。店内の店員の対応が素晴らしいですね。Appleのマーケッティング力を見せ付けられた感じです。連休にハンズオンしてiPad1との比較をしながら、新しいITギアを使ってみました。まずスピードとマルチタスクという基本性能が大幅にアップしています。別売りのケーブルで画面がプロジェクターにそのまま出せます。印刷はwindowsでは、HPプリンター以外は大変そうです。文書作成やプレゼンテーションの作成はちょっと難しいと思いますが、メールを見る、簡単な返事を書く、スケジュールをチック、Dropboxの文書をGoodreaderでみる、twitter、webを見る、等は極めて快適です。パソコンより使い勝手がいいですね。何より食卓で朝食を取りながらにはぴったり。続きをブログで読む。
◆書評◆
今月のご紹介は、「レトリック感覚」 佐藤信夫 講談社学術文庫 1992古代ギリシャに始まるレトリックは近代に至るまで最も重要な教育プログラムでした。近代になって無用のモノとして打棄てられていましたが、近年再評価の動きがあるとのことです。アリストテレスに始まる、古代のレトリックは科学と詩学の間に置かれ、説得する表現技術と、芸術的表現技術でした。佐藤は、「版権的認識の造形」をこれに加えています。森羅万象のうち本名を無いものの方が多い、辞書にのっている単語を辞書とうりに使っただけでは自分の気持ちを表現できない、だから自分の認識をありのままに表現するにはレトリックのぎ技術が必要、またレトリックとは言葉の「あや」、キケロ流に言えば思想に衣装を着せ飾ることとしています。本書は芸術的表現技術の方を解説していますが、夏目漱石や、森鴎外、太宰治、芥川龍之介・・から例を引いているのが勉強になります。以下キーワードを挙げると。直喩、隠喩、換喩、提喩、誇張法、列叙法、緩叙法実は、私は殆ど使っている技法でした。しかし、構造化された解説は改めて参考になります。レトリックは、「有限の手立てを無限に用いる」、「比喩とは言語をやりくりする手段」とも云われています。筆者佐藤の豊富な知識から、記述が本人が文中で言っているように饒舌で気になりますが、これを飛ばして読むのも、その饒舌を楽しむのも、ありです。文章表現に磨きを掛けたい方には参考になるでしょう。説得する技術も興味深いので次回。=======================================
俯瞰 MAIL 004 号( 2011 年4 月 17 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆ある日突然桜が満開になりました。蕾が膨らむ日々があった筈ですが、それを楽しむ精神的なゆとりが無かった事に気が付きました。やはり震災後の惨状ニュースを繰り返し見て、また今後の課題を議論していることが、そのゆとりをなくさせたのでしょうか。すぐに友人にメールを送り、昨年と同じように目黒川で花見を提案して、ささやかに宴を開きました。目黒川はライトアップがありませんでしたが人出は例年並みでした。夜店で、東北の酒を売りにしている屋台がありましたので、一グラス買いましたが、聞くと恵比寿でレストランをしているが客が三分の一になっていると、暗い感じでした。近くにシャンペンを売っている屋台の若い女性は「自粛はイカン!」と言っていましたので、この感情は相当浸透してきたと思います。出来るだけ通常どおりに活動して、復興の分を少し余分に働きましょうと、声をかけています。
◆管総理にお会いして「日本新生のビジョン」を提出しました◆4月6日三菱総研・小宮山理事長、東京大学・森田教授、同・坂田教授、藤末参議院議員、大久保参議院議員、ご一緒に、13:30から30分間ほどで、提言「日本の地域『新生』ビジョン」を菅総理に提出してまいりました。総理に手交した提言は下記WEBをご覧ください。http://www.fukan.jp/日本新生のビジョン/
そのあと14:30から日本記者クラブにおいて記者会見を行いました。会見の模様はWEBにてご覧頂けます。http://youtu.be/NZLBtIYx3aM
また、官邸で当日撮影しました写真をアップロードしましたので、ご参考まで。https://picasaweb.google.com/fujisue/20110406?authkey=Gv1sRgCILU9-Hdx83c3AE&feat=directlink
◆宮城県に行ってきました◆ニュースでさんざん見ていますが、日本文化の重要な規範「現地にいって、現物を見なければ、現状は理解出来ない」に基づいて4月12日宮城県に行ってきました。最初、県庁で復興計画の概要をお聞きして、短時間ではありましたが石巻に行きました。ニュースで見たままの光景で、内部まで船が打ち上げられて、逃げる際放置されたトラックが道端に何台もあり、積荷の水産物の腐敗しているような異臭、破壊された工場・・・でした。ただ既に重機で残滓の除去が始まっていました。この現場を見ると、まず片付けが先で、街の再興の議論はそのあとだ、という感情がわきました。瓦礫の片付けと仮設住宅が短期の最優先課題です。被災地の写真は取りましたが、やはりプロの撮影力は格段の差がありますのでNew
York TimesのWEBサイトのページご参考に。http://www.nytimes.com/slideshow/2011/03/23/world/asia/20110323_JAPAN.htmlhttp://www.nytimes.com/slideshow/2011/03/27/world/20110327_JAPAN.html
◆復興計画で気になる事◆宮城県で復興計画の簡単な説明を受けましたが気になることがありました。多分他の県でも同じだと思いますが、復興計画を企画して事業展開をするのは「市」であることです。元々地域の「市」の行政は、少子高齢化と過疎化で弱体化していて、さらに現在の短期的な仮設住宅と残滓の廃棄で手一杯であるはずで、中期的な復興計画を策定するゆとりが「市」にあるはずはないと思います。確かに当該市町村が主体で復興計画を立案、実行することが基本で、県や国はそれを支援するのが建前です。地域主体という掛け声で、国は、県へ、県は市町村へとボールを投げていいのでしょうか。復興計画の策定を官民で支援する体制が必要で、一方自治体は自分達の知恵だけで復興を考えないで外の知恵を入れるべきだと思います。でないと財政難で苦しむ地域モデルを、復旧する事になってしまいます。極端に言えば「シャター商店街」を復旧することになりかねません。物理的なボランティア活動も必要ですが、知恵を持ち寄るボランティア活動を組織する必要があります。
今回の東北地域の被災市町村は、既に述べましたように、少子高齢化と過疎化で弱体化しており、市町村単位で、フルセットの社会インフラを復興する事は出来無いと思います。道州制や市町村合併など天下国家の議論は置いて、ここは近隣の市町村が複数でネットワーク構造を形成しその単位で、病院、学校、ごみ収集、介護などの行政サービスを用意する事で、財政とサービス水準を両立するモデルが必要ではないでしょうか。学校や、病院の建物を再建する資金を援助しても、維持管理や中身が付いて来ません。これまでも医師の手当が付いていない地域が多いのですから。
◆日本製造業のビジネスモデルの欠陥が露呈◆今回の震災で日本の製造業の欠陥がいくつか露呈したのではないでしょうか。狭い視野からのコスト削減により、サプライヤーを一社に絞り、一箇所の工場に生産を集中させるという、リスクマネージメントなしの「選択と集中」が被災のインパクトを拡大して、産業復旧を遅らせ、かつ海外の製造業へもインパクトを与えています。海外は危険、日本は安全ということが妄想であったのです。製造業の基本は、工場火災や自然災害による生産へのインパクトを低減するため、相応のコスト負担を受容して、供給を複数に分散していたはずですが、長い不況でコストダウンが先行して、製造業の基本も失われてしまったのでしょう。(続きをブログで読む)http://www.fukan.jp/
◆日本の古代史の俯瞰◆日本の古代史の俯瞰的認識は一応のまとめをしましたので、ブログでなくサイトの左のメニューに「俯瞰古代史」を入れました。あくまで個人的な認識の構造で学術的な論考ではありません。
日本人は基をたどれば世界中の現代人と同じで、遥か昔アフリカを旅立って来ました。現代日本人の祖先である弥生人は、インドを経由して東南アジア、揚子江河口から、山東半島を経由、あるいは朝鮮半島南西部を経由、または直接、北九州にたどり着きました。インドで既に稲作や陶器、織りの文化を持ったとも云われています。遺伝子から言えば、中国北部、朝鮮、日本は近いグループです。東アジアでは、日中韓は古くから共生していたのです。遼東半島から朝鮮半島北部は紀元前から中国文化圏です。
弥生人がクニの連合としての国らしきものを形成したのは紀元前後で、2世紀にはかなり統一が進み、中国中原の政治勢力に朝貢して倭国の王として認めたもらう状態になりました。既にこのころ鉄器を求め対馬対岸の加奈の地域に倭人がかなり進出していたとあります。3世紀には北九州、吉備、出雲を従えて大和の勢力がほぼ西日本を統一して統一国家が成立しました。ただ中央集権の天皇制の成立は、大化の改新、白村江の敗戦、壬申の乱を経て7世紀になります。
日本書紀はその正当性の論理を展開する国史として7世紀に編纂されました。同時期に宗教的な神聖性を正当化する為、大和から見て日出る国の伊勢に伊勢神宮を建立し、日沈む国の出雲に杵築大社(出雲大社)を建立しています。この東西の軸は日本土着の太陽信仰のシャーマニズムですが、伊勢神宮の祭祀は中国渡来の陰陽五行思想で、北斗七星を神とする、南北軸が精神構造になります。従って当時の遷都は南北軸に動きます。
また7世紀は日本文化が本格的に形成されていく時でもあります。白村江の敗戦で百済が消滅して朝鮮半島では新羅が統一国家を形成して、朝鮮文化も独自に発展していきます。この時期、日本も朝鮮も、中国の最先端の文明の模倣から独自の文化を形成していく事になります。中国文化は遣隋使、遣唐使によって直接輸入し、朝鮮半島経由ではありません。日本語と朝鮮語は文法構造が極めて近いにも関わらず、語彙の共通性が無いと云われていますが、日本語も朝鮮語も7世紀以降独自の文化の中で語彙が形成されていったためでしょう。
日本人はどこからか渡来したのではなく、この日本列島で「日本人」になっていったのです。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.fukan.jp/俯瞰古代史/
◆2011年度(社)俯瞰工学研究所の会員募集◆4月からの会員を募集します。ぜひ会員になって(社)俯瞰工学研究所の活動に参加しませんか。会員のための技術経営講義が月に1回あります。基本的な内容は、東京大学で講義した「俯瞰経営学」の内容です。今年度は、プレゼンテーションスキルの強化を入れていきたいと思います。「社会人大学院」です。この場は会員同士の交流の場でもあります。毎回基本的に交流会をします。その他、会員が特に興味があるテーマがあれば別途ワークショップを開いてもいいと思います。賛助会員として、会社の仲間とグループで参加も大歓迎です。できるだけ、4月中に入会をお願いします。会費は原則4月―3月の年度会費です。5月には第一回の技術経営学講義を始めます。
◆近未来都市を作る実験?◆二子玉川の都市再開発のプロジェクトはいよいよ4月からアクセルいっぱいです。コンソーシアムの拠点、カタリストBAが、4月25日二子玉川にオープンします。ぜひご現地に来て頂き、ご自分でこの「場」をどう活用できるか考えてみてはいかがでしょう。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://creative-city.jp/2011/04/ba.html(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加しています。
◆ビジネスモデル学会春季大会100名以上のご参加をいただきました◆ビジネスモデル学会の春季大会が3月26日、慶応大学の三田キャンパスで開催されました。今回のテーマは「ビジネスモデルと企業倫理」でした。企業はますます社会的な存在となってきました。その結果、求められる企業倫理もより高度になります。
アンケートでは下記のようなコメントを頂きました。(一部)・講演の内容が充実している。・個々の講演のレベルが高く かつ つながりがあり、興味深い。・日ごろなかなか聴けない貴重なお話を伺うことができました。・興味深い内容が多かったため、時間の短い講演は理解が難しい。・皆様、震災に関連付けてご専門の分野、テーマを説明されてよかった。・内容は充実していました。専門的でわかりづらいものがありました。・普段聞けないような話がきけて非常に刺激を受けました。・今回初めて参加させて頂きました。次回もぜひ参加させて頂きたいと思います。・これからの新規ビジネスを考えるにあたり、大変有益でした。・わかりやすい講演とそうでない講演、テーマの選択にばらつきがあった。・あの座席で1日は辛いです。講演は良かったです。・日本の現状にマッチングした内容であったため、この時期に開催することはよかった。
バングラデシュへの研修旅行が5月21-25日に予定されています。現地大使館の絶大なるご支援で貴重な訪問が実現しつつあります。ビジネスモデル学会にご参加頂ければ、貴重な知識を獲得し、交流会で素晴らしい人脈ネットワークを強化出来ると思います。これを機会に会員になって活動に参加しませんか。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.biz-model.org/
◆書評◆日本の古代史の復習は一応終わり、その外部世界であった古代中国の歴史を再認識するために「古代中国」貝塚茂樹・伊藤道治、講談社学術文庫 2000年を読みました。この本は、1974年に刊行された「中国の歴史」全十巻の第一巻として出版されたものを「古代中国」として新たに加筆修正して刊行されたものです。この30年ほどの中国における考古学的発掘は目を見張る物があり、新石器時代は、書き下ろしたとあります。夏王朝、殷王朝、そして周王朝とそのそれに続く春秋時代までは、新しい発見で訂正や加筆をしたとあります。戦国時代はほぼ旧版のままです。1964年の大学受験の世界史の知識では、今日の中国を正しく理解出来ないし、日中関係すらも認識を誤りかねません。正しい日中関係は、正しい歴史的理解が必要です。
紀元前6000年位は中国各地に石器、陶器、農耕、家畜の新石器文化が出現しているとあります。そして、我が国がまだ縄文時代の、紀元前15-16世紀には、城壁の高さが10米、約2キロ四方の、殷の時代の都市国家の遺跡が発掘されています。この本で詳しく分析されているのは周王朝です。
古代中国は黄河上流に興った周が黄河に沿って東進して行く歴史でもあります。一族を各地に封建して行く過程で、周は次第に求心力を失い、各地は周王朝と離れて国を作って行きますが、しかしその精神的な影響は長く残り、春秋時代の覇者も、名目的には周王朝のお墨付きを貰って覇者を号している事は今回知りました。この時代中国北部にあって、朝鮮半島に影響を与えた燕も周王朝に封建された国ですが、いつしか土着の文化に吸収されていったようです。・・・・
戦国時代は、何かと既に知識がありますので読みやすい感じです。そして秦の統一で中国の古代は終わります。
この本で知りましたが、文字の使用は、古代中国は意外と限定的で、本格的な漢字の成立と文字による記述は秦からです。学術的に丁寧に書かれていますので、決して読みやすい本ではありません。人名、地名はフォロー出来ませんからどんどん飛ばして歴史の流れを掴むことに集中して読みました。一読をおすすめする価値がある本です。
巻末の「講談社学術文庫の刊行に当たって」も読みましたが、「学術をポケットに・・・学術は少年の心を養い、成人の心を満たす・・」文庫本ですが定価1500円、これほどの情報をこんな低価格で良いのかと、改めて書物の社会的な貢献を実感しました。
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俯瞰 MAIL 003 号( 2011 年 3 月 12 日)
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この度の地震により被害を受けられた皆様には心より御見舞を申し上げます。暫くは余震などが続くと思われます。引き続き安全確保を心がけられますよう十分にご注意願います。皆様のご無事を心よりお祈りしております。
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皆様
◆季節のご挨拶◆寒い日もありますが、木々を見ると開く日を心待ちにしているような芽が目につきます。各位も年度末の処理に頭を痛めていられると思いますが、4月からの新年度を、新年を迎えるような気持ちになって、何か新しい事を計画しましょう。
◆倭国乱れていますね!◆「倭国乱れ、相攻伐すること歴年、すなわちともに一女子を立てて王となす。名づけて卑弥呼という」何とかしなければいけません。有力で国民が納得できるリーダーがいません。古来日本では、このような時、女帝を立て、後継が確立すると譲位したとあります。今の鬼道を掲げる卑弥呼はだれでしょうか?というところから日本史の復習を思い立ちました。思えば、1964年の大学入試は世界史、日本史で受験しましたが、その後は江上波夫先生の「騎馬民族征服説」の本を読んで以来40年以上何もアップデートされていない事に気づき、50年間の日本史の研究成果を基にした史観を頭に入れることにしました。20冊以上の古代史関係の書籍を斜め読みしました。書誌的俯瞰です。ネットで本は容易に買える時代になりました。加えて、ネット上に多くの情報が提供されています。対象は、「日本人はどこから来たか」、「日本という国家がいつ成立したか」です。これは日本人のアイデンティティーを強化するための俯瞰的認識を得るためです。詳細はブログに記述中です。
日本人はどこから来たかこの50年の学術の進歩は画期的で、遺伝子情報の分析がされています。女性の系譜はミトコンドリアに引き継がれ、男性の系譜はY染色体に引き継がれます。日本人のミトコンドリアをたどれば一人のアフリカ人女性に行き着きます。男性も同様にアフリカ人に行き着きます。10万年以上前に、アフリカを出た人類の祖先はヨーロッパとアジアを目指して移動を始めました。アフリカからアジアへの移動経路にはヒマラヤの北と南のルートがありますが、日本人の祖先はヒマラヤの南ルートのようです。遺伝子情報でいえば、中国北部、朝鮮半島、日本は殆ど同じグループです。日本列島への入り方ですが、朝鮮半島、対馬、壱岐のルートが有力です。長江河口域もしくは山東半島から直接、さらには西南諸島沿いに到達したという説も有力です。北海道には北方系の民族の流入もあり独自の縄文文化を築いたようです。また言語学的に南インドと近いといいます。特に稲作に関する語彙は共通語が多いようです。つまり日本人は遺伝子的にはアジア人の中の1民族だということですね。日本人だけアジアで特別という国粋的な主張はできません。
日本はいつ成立したのか紀元前1世紀に編纂された漢書地理志に「楽浪の海中に倭人あり、別れて百余国と為る。歳時を以て来たり、献見すと云う」とあります。倭国が歴史に登場しました。大陸から灌漑稲作技術が導入され、北九州から東北地方まで広がり、社会が変化し、弥生後期には北九州は大陸の政治と関係をもち、各地にはクニが成立し百余国にもなり、邪馬台国の時代になります。北九州か畿内かという邪馬台国の位置論争は俯瞰古代史では気にしません。クニというのは大集落か都市国家のようなものであった様です。都市は文明です。日本海側では、対馬海流を利用して山陰、丹後、能登、越とクニが広がり、青森にも稲作文化が伝播しています。逆にこの時代鉄を求めて朝鮮半島南部の「伽耶」を拠点に倭国が進出して、一時は新羅の都にも達しています。そしてこの間も、絶え間なく、朝鮮半島南西部(百済)から専門家集団や戦乱を避けた難民として流入したようです。そして、1世紀には氏族連合王国の倭国が成立しています。
中央集権の天皇制の国家成立はさらに時代が下がります。大化の改新の後、百済を支援する軍を送りましたが新羅・唐の連合軍の前に660年白村江の戦いで敗れ、百済は消滅、半島から完全に倭国の勢力が消えます。その結果百済から王族を初め多く知識人が渡来しました。そして668年大津で天智天皇が即位します。公地公民制という国家体制を目指して、最初の成文法典「近江令」22巻制定、670年最初の戸籍「庚午年籍」も作ります。大津令で初めて「日本」を使っています。天皇という王号もこの時からで、この時点が日本国の成立でしょうか?これには多くの百済からの専門家が参画したと思います。その後、壬申の乱を経て、天武天皇が即位して、文武天皇、そして聖武天皇と続き、本格的な奈良時代へ入ります。
7世紀には朝鮮半島も、新羅が倭国と唐の勢力を駆逐して統一国家を成立させ、朝鮮独自の文化を作っていく時代になります。重要なことは、7世紀、同時期に日本と新羅が唐の文化をフルセットでコピーして、独自の文化を作り始めたということです。極端な説では、すべての文化が朝鮮半島から伝播となりますが、両国とも、スタートは当時世界の最先端であった唐の文化の模倣から始めたということです。奈良の平城京と新羅の慶州のアーバンプラン(都市計画)は唐の長安のコピーです。一方日本語と韓国語は文法が基本的に同じですがあまり語彙が共通していないのは、日本語、朝鮮語ともに、7世紀以降に洗練されて確立したためかもしれませんね。古代史に関する考古学的、文献的情報は、極く僅かしか、ありませんので、古代史はミステリーハンターには最高の猟場ですね。詳細は。http://www.fukan.jp/
◆2011年度(社)俯瞰工学研究所の会員募集◆4月からの会員を募集します。ぜひ会員になって(社)俯瞰工学研究所の活動に参加しませんか。会員のための技術経営講義が月に1回計10回あります。基本的な内容は、東京大学で講義した「俯瞰経営学」の内容です。今年度は、プレゼンテーションスキルの強化を入れていきたいと思います。大学の講義はフルタイムの学生を前提にしていますが、社会人はそれだけの時間が取れませんので形式は違ってきます。昨年の結果から最初はやはり、会計とマーケティングの基礎の講義が必要だとわかりましたのでそれも取り入れます。その後はテーマを選んで、講義やワークショップをする予定です。目標の水準は「社会人大学院」です。この場は会員同士の交流の場でもあります。毎回基本的に交流会をします。その他、会員が特に興味があるテーマがあれば別途ワークショップを開いてもいいと思います。
また、会員は興味と時間があれば、(社)俯瞰工学研究所が参画している下記のようなプロジェクトに参画することも可能です。賛助会員として、会社の仲間とグループで参加も大歓迎です。できるだけ、3月中に入会をお願いします。会費は原則4月?3月の年度会費です。4月の下旬には第一回の技術経営学講義を始めます。
◆近未来都市を作る実験?◆二子玉川の都市再開発のプロジェクトは粛々と進んでいます。コンソーシアムの拠点、カタリストフロアが、二子玉川にオープンします。4月の25-26日に大きなセミナーを予定しています。ぜひご参加して頂き、ご自分でこの「場」をどう活用できるか考えてみてはいかがでしょう。コンサート、個展も可能です。すでに、コミュニティーを形成している方がここで何かイベントをするとか・・・・・
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://creative-city.jp/2011/01/2011.html(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加しています。
◆プラチナ構想スクール◆小宮山宏先生がイニシアティブをとる、地域活性化のプロジェクトを推進する地域のリーダー育成のプラチナ構想スクールは2月18日にスタートしました。参加自治体は28県市町でした。19日は上田清司埼玉県知事による、地域活性化の現場報告の講義があり、続くワークショップのコメンテータは元総務大臣の増田寛也さんという豪華な布陣の研修になりました。小宮山先生もフルアテンドです。参加者は各地域の次をリードする精鋭が集まりました。また経過報告をします。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.platinum-network.jp/(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加しています。
◆ビジネスモデル学会春季大会参加の最終のお誘い◆ビジネスモデル学会の春季大会が3月26日、慶応大学の三田キャンパスで開催されます。今回のテーマは「ビジネスモデルと企業倫理」です。企業はますます社会的な存在となってきました。その結果、求められる企業倫理もより高度になります。実は、前回秋の10周年記念大会での基調講演の「ビジネスモデル研究10年の俯瞰」で判明したのですが、ビジネスモデルの学術研究で最も大きな研究の一つが「ビジネスモデルとETHICS(倫理)」でした。今回はこれを少し深堀してご紹介したいと思います。交流会にもご参加ください。ネットワークが広がります。また5月21-25日に予定されているバングラデシュへ研修旅行の発表もあります。現地大使館の絶大なるご支援で貴重な訪問が実現しつつあります。貴重な1日の時間ですから、参加者にとって価値ある時間とするため、興味深くかつ有用なご講演を予定しています。主な公演予定は、
基調講演1:「ビジネスモデルとETHICSの俯瞰図」 松島 克守(ビジネスモデル学会会長/俯瞰工学研究所長)
基調講演2:「ビジネスモデルとETHICSの研究動向」 露木 美幸 氏(拓殖大学講師)
特別講演1:「ビジネス顕微鏡/人間情報が創るこれからの企業成長」 矢野 和男 氏(日立製作所基礎研究所主管研究長/人間・情報システムラボ長/IEEE Fellow)
特別講演2:「ビジネス・モデル・イノベーション基盤としてのユビキタス・コンピューティング」 坂村 健 氏(YRPユビキタスネットワーキング研究所長/東京大学教授)
特別講演3:「地上波テレビ・ビジネスモデルの限界と可能性」 岩崎 達也 氏(法政大学客員教授/日テレアックスオン映像事業センター長)
特別講演4: 「産学連携の現場からの提起」(仮) 鈴木 康之(JST科学技術コーディネータ)
JSTの鈴木さんは中部地区で長年産学連携を支援して、大きな成果を上げられたことで平成22年度文部科学大臣賞を受賞されています。ビジネスモデル学会ご参加頂ければ、貴重な知識を獲得し、交流会で素晴らしい人脈ネットワークを強化出来ると思います。これを機会に会員になって活動に参加しませんか。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.biz-model.org/
◆書評◆古代史の復習のために読んだ本の中で、今回は下記の4冊を紹介します。1.「農耕社会の成立」石川日出志 岩波新書 2010年2.「ヤマト王権」吉村武彦 岩波新書 2010年3.「古代中国と倭族」鳥越憲三郎 中公新書 2000年4.「倭国」岡田英弘 中公新書 1977年(2001年31版)
あくまで、古代史のバージョンアップが目的でしたので、出版が新しいものを選んでみました。1と2は最新の学術知識を編集したもので、新書ですが内容は充実していて、斜め読みすることは出来ませんでしたが、きちっとした知識を獲得できました。巻末の索引や参考文献等は、学術書の水準です。改めて、巻末の「岩波新書赤版1000点に際して」を読みましたがその理想は、さすがかって「日本の四大文化権威 朝日、東大、NHK、岩波」と称された岩波の力を感じさせます。1000点のうち100点でも若いうちに読めば教養人として人生を送れるとは言いすぎですか。
3は日本人の源流を東南アジアの歴史と民俗学まで広げた俯瞰的視野で記述されていて、「目から鱗」的な知識を獲得出来ました。長江中流に、かって繁栄した民族即ち、「倭族」を弥生人の源流であると位置付け、黄河文明に駆逐され西に、南にそして東に移動して其々の国家を設立し、あるいは少数民族として山岳地帯に生き残る「倭族」という学説を提案しています。そしてその「倭族」に対する愛情を感じさせる本です。
4は日本、中国、朝鮮という東アジアという、俯瞰的視点で「倭国」を解き明かしている点が、価値があるのでしょう。何しろ31版の重版が何よりの評価と思います。三国志の、云わば、付録のような「魏志倭人伝」や、編集時期が不確かな「古事記」「日本書紀」の記述を精読する倭国の研究より、遥かに俯瞰的理解を与えてくれます。巻末に学術的な索引や資料など有りませんが、それだけに、ノドゴシよく読める本です。巻末の「中公新書刊行の言葉」も改めて読みましたが、「真に知るに値する知識だけを選び出して提供すること、・・」を実感させる2冊です。
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俯瞰 MAIL 002 号( 2011 年 2 月 16 日)
皆様
◆季節のご挨拶◆東京は久しぶりの雪でしたが、これからは春めいて来ると思われます。インフルエンザの流行もありますので健康には十分ご注意ください。実は、私は殆ど風邪を引いて発熱した事がありません。この20年以上、毎朝手作りの野菜ジュースを飲んでいます。人参、セロリ、レモン1個が基本です。また、風邪かなと思ったときは、ビタミンCとBを3時間おきに飲みます。風邪薬はこの30年間服用した記憶はありません。無論、抗生物質も。
◆時代に同期する情報装備を◆2011年1月早々に、インテル社が新型CPUの発売を開始しました。新コアCPUです。私の書斎のパソコンは旧世代(Core2QuadQ9550)ですが、十分高速で、不満はありません。が、このまま2008年の先端技術に満足していては時代に同期できません。この間のインターフェースやメモリーの技術革新も著しいのです。ということで十数年ぶりに最先端テクノロジーを実装するパソコンを自作することにしました。自作のほうが割高になりますが、敢えて自作したのは、最先端の部品の組み合わせが可能になるばかりでなく、その部品の選択のために、かなりの技術情報を収集して理解しなければならないからです。このプロセスが重要でコンピュータに関する技術知識がバージョンアップされます。
初期のスーパーコンピュータより数十倍高速のパソコンは、実に、CPU、SDD、メモリーそしてマザーボードの4部品に集約されてしまったのです。これは革命だと思います。部品をマザーボードに装着してケースに入れ、電源を入れれば、動き始めます。パソコンの自作は、実は単純な作業です。そしてOS(Windows7 64bit)を導入すれば出来上りで、インターネットは始められます。新パソコンの体感速度は数倍になりました。素晴らしい。
ところで、ひとつも日本製の部品が無い!いやいやボードの上にあります。コンデンサーという部品は、台湾製の高級なマザーボードでは、日本製であることを付加価値としてアッピールしています。隠れた素材などにはまだ日本製もあるでしょう。しかし主要モジュールに日本製品がないという事実を、最先端のパソコン、ITの世界的な産業構造であると認識するしか無いのです。日本の電子産業は寂しいですね!時代に同期できなかったから仕方が無いのかもしれません。
◆(ブログ本文ではハイパーリンクを細かく貼り、それを見て行けば私が検索、分析、評価して部品を選択して行った過程がある意味共有出来ると思います。http://www.fukan.jp )
◆近未来都市を作る実験?◆二子玉川の都市再開発のプロジェクトの一環としてクリエイティブ・シティ・コンソーシアムの「フォーラム2011」を1月26日二子玉川の「アレーナホール」で開催しました。参加をお断りしなければならないほどの申し込みを頂きました。
テーマは「創造経済の時代?変化する都市・ワーク・ライフと二子玉川の可能性」で、基調講演「創造社会の到来と都市の未来」金正勲氏(慶應義塾大学政策・メディア研究科 准教授、ハーバード大学法科大学院 客員教授)の後、パネルディスカッションを行いました。パネリストは、私と、石戸奈々子氏(NPO法人CANVAS副理事長)、金正勲氏(慶應義塾大学 教授)、向谷実氏(ミュージシャン、株式会社音楽館
代表取締役)です。向谷さんは生まれも育ちも二子玉川です。パネルディスカッションの冒頭で私が、コンーシアムのグランドデザインを紹介しました。それに続いて、現在設計中の、プロジェクトの紹介がありました。
また翌日の1月27日には、このコンソーシアムの重要な推進者である、東急電鉄の野本専務が次期社長に昇格する発表もありました。大変心強い体制になります。
◆フォーラムの詳細は以下のURLをご参照下さい。http://creative-city.jp/news/2011/
◆プラチナ構想スクール◆小宮山宏先生(三菱総研
理事長)が提唱されて来たプラチナ構想ネットワークが2010年12月22日に設立され活動を始めたことは、前回ご紹介しました。いよいよ自治体幹部研修のプラチナ構想スクールが2月18日にスタートします。参加者は定員25名でしたが、事情で28名になりました。地域活性化のプロジェクトを推進する地域のリーダーの育成が目的です。これは一般公開ではなく、プラチナ構想ネットワーク会員の自治体からの推薦、申し込みです。これから月1回、1泊2日の研修を計6回することになります。地域活性化の推進に必要な基礎知識の獲得と、相互研鑽、人的ネットワーク形成の場を提供します。私は4回目に「地域クラスターの作り方」を講義する予定です。最後は「我が街のプラチナ構想」といういわば卒業論文の発表です。また経過報告をします。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.platinum-network.jp/(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加します。
◆ビジネスモデル学会春季大会参加のお誘い◆ビジネスモデル学会の春季大会が3月26日、慶応大学の三田キャンパスで開催されます。
今回のテーマは「ビジネスモデルと企業倫理」です。企業はますます社会的な存在となってきました。その結果、求められる企業倫理もより高度になります。実は、前回秋の10周年記念大会での基調講演の「ビジネスモデル研究10年の俯瞰」で判明したのですが、ビジネスモデルの学術研究で最も大きな研究の一つが「ビジネスモデルとETHICS(倫理)」でした。今回はこれを少し深堀してご紹介したいと思います。
さらに、貴重な1日の時間ですから、参加者にとって価値ある時間とするため、興味深くかつ有用なご講演をお願いしています。主な公演予定は、
基調講演1:「ビジネスモデルとETHICSの俯瞰図」 松島 克守 (ビジネスモデル学会会長/俯瞰工学研究所長)
基調講演2:「ビジネスモデルとETHICSの研究動向」 露木 美幸 氏(拓殖大学講師)
特別講演1:「ビジネス顕微鏡/人間情報が創るこれからの企業成長」 矢野 和男 氏(日立製作所基礎研究所主管研究長/人間・情報システムラボ長/ IEEE Fellow)
特別講演2:「ビジネス・モデル・イノベーション基盤としてのユビキタス・ コンピューティング」 坂村 健 氏 (YRPユビキタスネットワーキング研究所長/東京大学教授)
特別講演3:「地上波テレビ・ビジネスモデルの限界と可能性」 岩崎 達也 氏 (法政大学客員教授/日テレアックスオン映像事業センター長)
特別講演4: 「産学連携の現場からの提起」(仮) 鈴木 康之 氏(JST科学技術コーディネータ)
JSTの鈴木さんは中部地区で長年産学連携を支援して、大きな成果を上がられたことで平成22年度文部科学大臣賞を受賞されています。
ビジネスモデル学会ご参加されれば貴重な知識を獲得し、交流会で素晴らしい人脈ネットワークを強化出来ると思います。これを機会に会員になって活動に参加しませんか。
◆詳細は以下のURLをご参照下さい。http://www.biz-model.org/
◆書評◆「知はいかにして再発明されたか」2010年 日経BP社 イアン・F・マクリーニー・ライザ・ウルヴァートン(著)「知の構造化」ということを数多く口にしているので、題名に惹かれて書店で買い求め、読んでみましたが、知的な読み物のとして凄く面白い本です。巻末の参考文献のリストを見れば学術論文の水準ですが、学術論文のように書いてはこの喉越しの良さは出ないでしょう。ただ主観を吐露するだけの憂国本や、読めばすぐお金になるような新聞広告の本とは異次元の水準です。時間があればご一読をお勧めします。
アレキサンドリアに生まれた図書館、中世の修道院、ヨーロッパの大学、アカデミー、専門分野、実験室そしてインターネットと、知の創造機関を繋いだストーリですが、興味深い知見を得られます。終着点としてインターネットを位置づけていますが、ここはかなり唐突で不連続なので、読後多くの人が、発展的、創造的に書き換えたいという衝動に駆られると思います。
◆要約をブログに置きます。http://www.fukan.jp/
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俯瞰MAIL 001号(2011年1月10日)
俯瞰工学研究所のメルマガです。第1号を送らせていただきます。----------------------------------------------------------------------
皆様
◆明けましておめでとうございます◆大学を平成21年3月に退官しましたので、研究活動の拠点として昨年1月に一般社団法人 俯瞰工学研究所を設立して社会的な活動やささやかな研究活動を継続しております。一緒に活動をする仲間も増えてきました。ホームページでも途切れがちながら情報発信をしております。http://fukan.jp日々多くの方とお会いしていますが、冷静に見ると殆どの方々とは何年もお会いすることなくご無沙汰しております。はなはだ乱暴な方法かもしれませんがメールマガジンという情報技術の応用で「温故知新」の行動を試みたいと思います。見方によると押し掛けのブログになりますが。配信先のアドレスを用意するために、交換させていただいた名刺から、名刺読み取りOCRを使用してアドレスを抽出しました。およそ80%くらいの歩留まりでしょうか。かなりの方のアドレスが失われました。それでもほぼ2000名のアドレスリストが出来ました。ただ、氏名等は読み取りミスで失礼をしている可能性があります。ご連絡ください。またこのようなMLはメールボックスのご迷惑と感じられる方もあるかと思います。ご遠慮なく不要のお申し出をくださるようお願いします。また、内容等についてもご遠慮なくご意見いただければ幸いです。
◆情報技術による知的生産性の改善のお勧め◆年末の大掃除は煤払いする部分もあまりなく、各部屋の空気清浄機のフィルターを交換する事で終わりました。それから書斎の整理を始めました。人生の第5楽章の時期は、学生やスタッフの支援がなくて知的生産を効率よく出来る環境が重要と認識して居りますので、これまでも積極的に最先端の情報技術を活用するように心がけております。
2年前のiphoneの導入は画期的な生産性向上をもたらしました。メール、スケジュール、資料、検索等の情報サービスは完全にユビキタスになり、すきま時間の有効利用が画期的に進みました。iphoneの利用はまずメールです。添付ファイルが読めて簡単な変身が出来ます。そしてスケジュール確認。最近は日経新聞の電子版やWSJもすきま時間で読みます。
しかし、書斎にはいつか必要だと手元に置いた雑誌の記事がかなり有りました。アスクルで裁断機(CARL)を購入してきれいに端面を揃えて、スキャナー(ScanSnap)で自動的にpdfファイルにしました。わずかの時間でかなりの紙を捨てることが出来、すっきりしました。さらにクラウドサービスのDropboxにそのフォルダーを置きましたので、いつでもどこでも見ることが出来ます。
パソコンのマイドキュメントの主要ファイルはDropboxで全てのパソコンと共有できます。ネットが繋がらなくても見る必要がある書類は、Goodreaderに移してiphone内部に保存しておきます。記録的な情報や写真はその場でEvernoteというクラウドサービスにアップしておいてどのパソコンも共有します。Dropboxは極めて秀逸なサービスで、これで人生の品質が改善出来るでしょう。ScanSnapというスキャナーも秀逸で名刺読み取りにも威力を発揮します。あと、Evernoteというクラウドサービスも必須です。とくにiphoneとDocscannerとの組み合わせで会議資料のpdf化がその場で一瞬で終わります。
これからは長くなりますので(社)俯瞰工学研究所のHPのブログ:知的活動のレベルアップする情報武装の強化をご覧ください。ともかく長年の懸案のペーパーレスがこの年末年始でほぼ完成しました。 マイドキュメント等パソコン内のデータの大整理は時間がかかりましたがこの正月の最大の成果でしょうか。気持良く2011年仕事が出来そうな気がしてきました。
◆近未来都市を作る実験◆二子玉川の都市再開発のプロジェクトの一環としてクリエイティブ・シティー・コンソーシアムが立ち上がりました。
丸の内、大手町、六本木、新宿、渋谷を超えた街を作るプロジェクトです。ビジネスイノベーションを継続的に起こす街です。それを興すクリエーティブな人々の集積を作るのです。最先端の情報技術を投入します。新しい街は社会実験場です。多様な才能や企業がオープンイノベーションでビジネスイノベーションを興していく街です。今そのグランドデザインを議論しています。
ご興味あれば1月26日午後、二子玉川でフォーラムを行います。ご参加ください。(社)俯瞰工学研究所はこのプロジェクトに参画してオープンラボの運営を行っています。
<フォーラムの詳細は以下のURLをご参照下さい。>http://creative-city.jp/2011/01/2011.html
<お申込みフォームURL>http://creative-city.jp/ccf2011-all.html
◆プラチナ構想ネットワーク◆小宮山宏先生(三菱総研理事長)が予て提唱されて来たプラチナ構想ネットワークが12月22日に設立され活動を始めました。
目指すところは例えて言えば「坂の上の雲」の先にある世界を提案していると思います。日本は明治維新以来欧米を追いかけ、即ち坂の上の雲(欧米)を目指して一所懸命駆け上がってきました。そしてそこに到達した。そのあとが問題です。雲の中は霧の中、先が見えない。この状態が90年以降続いているのではないでしょうか。加えて、少子高齢化や、エネルギー危機等の冷たい風が吹き、金融危機や東アジアの緊張のような稲妻も走ります。
小宮山先生のプラチナ構想とは、雲の先には穏やかな尾根道が続き、その先には白くプラチナ色の頂きが見えるという事でしょうか。以上は小職の勝手な解釈ですが。
このご提案は広く共感を得て日本の代表的な企業人と自治体、政治家がメンバーとして参加しました。最初の活動は、自治体幹部研修のプラチナスクール(仮称)とプラチナ構想の概念を構成する知識の構造化であるプラチナハンドブック(仮称)の制作です。(社)俯瞰工学研究所はこの活動の支援に参加します。http://www.platinum-network.jp/index.html
◆電子出版◆2010年は電子出版で盛り上がった年だったと思います。この1年で電子出版には色々な動きがありましたが、未だ決着がついていません。最大の懸念は読者不在の行動で、既得権益をなんとか守りたいという感じの行動が目につきます。この手の行動はこれまですべてみじめな結果になていますが、これは人間の業でしょう。
俯瞰工学研究所は年初から電子出版の研究をして、実験として電子出版を試行してみました。eBookJapanより電子書籍「マンション建替え奮闘記」(菊地順子著、俯瞰工学研究所出版)が発売になりました(10/29)。
菊地順子さん(旧姓江崎順子さん)は小職の畏敬する方です。日本IBMで、今や知る人ぞ知る“OS2”マーケッティングの戦友です。時を得ずして、機能の低いwindowsにOS2は敗退しましたが戦いに悔いを残しておりません。当時我々のグループでは、今思えば大変失礼ですが、キンさんとニックネームで呼んでいました。ギンさんもいました。
この菊地順子さんが、改築すべきマンションを、業者に頼まず自らリーダーシップを発揮して建て替えられた、ドキュメンタリーが「マンション建替え奮闘記」です。同じ課題に直面している方、近い将来に向かい合う予定の方にはきっとご参考になると思います。http://www.ebookjapan.jp/ebj/book/60047495.html
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◆俯瞰MAIL 001号(2011年1月10日)発行元: 一般社団法人 俯瞰工学研究所発行責任者: 松島克守URL: http://fukan.jp===================================